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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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#アンソロジー

本棚:『僕たちの月曜日』

働く男性が主人公のアンソロジー。ちなみ女性が主人公のものは『私たちの金曜日』となっておりまして、こちらは既読でした。働く男性が主人公の話というと、ここ最近で読んだことがあるのは奥田 英朗さんの『マドンナ』かな。あまり意識してないですが、たぶん、女性が主人公のものを読むことが多いんだろうなぁ。男性と女性で、そんなに違うのか?、同じところも結構あるんじゃないの?と思いつつも、世間や取り巻くものは色々違うはずで、でも戦っている何かは同じような気もして。 そうなんだ…と思ったのが、

本棚:『今夜は、鍋。温かな食卓を囲む7つの物語』

本格的な夏はまだ先なのに、暑いな…と思う日が多くなってきた今日この頃。鍋の季節ではありませんが、好きな作家さんの名前があったので、「おっ!」と思って手に取りました。そういえば、クリスマスのアンソロジーを夏ごろに読んだこともあったっけなぁ。 私が一番好きだなと思ったのは清水朔さんの『初鍋ジンクス』。7つの物語のそれぞれの扉の絵の中でも、これが一番好き。だって、具がアレだから。 それから、角田光代さんの『鍋セット』も、じんわりと「いいな」と思いました。どこかで読んだことあるんだよ

本棚:『私たちの特別な一日』

冠婚葬祭アンソロジーというのも珍しいなと思いました。成人式、結婚式、葬式、祭事。日常的なものではないから、確かに特別な一日です。 はじめのお話は、飛鳥井千砂さんの『もうすぐ十八歳』。成年年齢が18歳に引き下げられたというのは、知識としては知っていても、いまだにピンときません。昨年、同僚のお子さんが18歳の誕生日に「成人のお祝いとして」何か好きな食べ物を用意しようと思って、との話を聞いて「そうか…」と思いました。 私にとっての成人式の思い出は、雪。前日の夕方ぐらいから、ドカドカ

本棚:『時ひらく』

表紙のデザインで気づく人もいるのでしょうか。三越を舞台にしたアンソロジーです。著者は、辻村深月さん、伊坂幸太郎さん、阿川佐和子さん、恩田陸さん、柚木麻子さん、東野圭吾さんの6名。なんか好きな作家さんがそろってる!と手に取りました。 三越といえば日本橋三越なのだと思うのですが、伊坂幸太郎さんの作品では仙台の三越でして、思わずニヤリ。でも振り返ってみれば、仙台に住んでいたけど、仙台の三越に行ったことないかも…。今はないですが、千葉の三越には何度か行ったことがあって、それは世界ネコ

本棚:『おいしい旅 しあわせ編』

『おいしい旅』は「想い出編」と「初めて編」があり、それに続く「しあわせ編」。アミの会によるアンソロジーでして、アミの会とは女性作家による集団で、メンバー以外の作家がゲスト参加することもあります。 本作で私が一番好きだなと思ったのは、ゲストの三上延さんの『美味しいということは』。三上延さんといえば、一時期『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズを読んでました。話題になった時期よりだいぶ遅れてましたが。 美味しいということがどういうことなのかは、人によって答えはさまざまだと思いますが

本棚:『おひとりさま日和』

6人の作家による書き下ろし短編集。主人公はいずれも一人暮らしの女性。他人事とは思えず手に取りました。大崎梢さんの「リクと暮らせば」は84歳の女性が主人公。リクというのは、私の同僚の愛犬の同じ名前なので、犬かな?と予想していましたが、犬は犬でも、ただの犬ではありませんでした。猫派ですが、私もリクと暮らしたいなと思いました。 別の話で、一人で映画を見るのが好きな女性が登場するのですが、自分自身を振り返ってみれば、学生の頃は友人に誘われて行く程度で、一人で映画を見に行ったことがあり

本棚:『ほろよい読書 おかわり』

アンソロジーの第2弾。お酒を飲む理由はいろいろあるだろうけど、全体的に、ちょっとほろ苦~い感じが心地よいお酒で浄化されていくような印象を持ちました。お酒の飲めない方も読書なら。 父はほぼ毎晩飲んでますし、母は結婚前、冬場は実家がとても寒かったので、寝る前に一杯飲んでいたと言ってましたし、私も飲めない体質ではありません。でも、子どもの頃から父の酔っぱらう姿を見てきたので、飲み会ぐらいでしか飲まず…。そして、睡眠ファーストの今となっては、飲み会でも飲まず…。 と言いつつ、入社3年

本棚:『私たちの金曜日』

働く女性たちのアンソロジー。恩田陸さんの『茶色の小壜』は、ゾクッとしました。有川ひろさんの『ファイターパイロットの君』は再読でしたが、おそらく前回と同じところで涙。田辺聖子さんの『美女山盛』は、今はそういう時代じゃないよね…と言い切れないかもとも思ったり。桐野夏生さんの『神様男』には、「ぜったい神様じゃないし!」と憤りを覚えたり。 仕事で自己実現しなきゃいけないとは思わないし、毎日変わり映えのない日々を過ごし、これをあと何十年も続けるのかと思うと空しくもなるけれど、それでも

本棚:『Yuming Tribute Stories』

ユーミンのデビュー50周年を記念して、ユーミンを愛する6人の作家が、選んだ曲をタイトルに物語を紡いだ短編集です。登場するタイトルは「あの日にかえりたい」「DESTINY」「夕涼み」「青春のリグレット」「冬の終り」「春よ、来い」。 母が同世代の女性のご多分に漏れずユーミンが好きなので、子どもの頃からよく聴いてましたが、「夕涼み」「青春のリグレット」「冬の終り」は知らなくて、YouTubeで聴いて、こういう曲も作ってたんだなぁと思いました。その後、「ひこうき雲」「やさしさに包ま

本棚:『おいしい旅 初めて編』

アミの会のアンソロジー。先日読んだのは『おいしい旅 想い出編』で、執筆者も異なります。こちらのゲストは坂木司さん。『和菓子のアン』シリーズ好きでして、続きは出ないのかなぁ~と熱望しています。 「想い出編」に比べると、こちらの方が全体的に重い感じがしました。そんな中でも久々に食べたくなってしまったのが、パイナップルケーキ。初めて食べたのは、社会人になってからで、出張者のお土産でした。パイナップルケーキも色々あるようで、作品に出てくるのは、私が食べたことがあるのとは違うようなので

本棚:『おいしい旅 想い出編』

実力派女性作家集団の「アミの会」によるアンソロジー。アミの会は以前は(仮)が付いていましたが、10冊刊行を節目に、本作より(仮)は取れたそう。 「おいしい旅」なので、幸せを感じる作品が多かった印象ですが、特に福田和代さんの『幸福のレシピ』が「幸せだなぁ~」と羨ましく思いながら読みました。また、矢崎存美さんの『下戸の街・赤羽』を読んで、「お菓子のヤケ食いやってみたい!」と思いました。 自分がもう一度味わいたい想い出の味は何かな~と考えて思いつくのは、アメリカで食べたステーキ美味

本棚:『ここだけのお金の使いかた』

女性作家の集まり「アミの会」によるアンソロジー。アミの会の作品は、メンバー以外の作家がゲストとして参加することもあります。お金に関する小説といえば 原田ひ香さんの『三千円の使いかた』が人気ですが、本作でのゲストが原田ひ香さんでした。 原田ひ香さんの話はFIREでして、ここ最近、FIREの本を読んでいるので、ちょっとニヤニヤしながら読んでしまいました。なかなか身近にはいないと思っていましたが、おそらく公言はしないだろうから、実は目指している人、近くにもいるのかもしれないなぁ。

本棚:『11の秘密 ラスト・メッセージ』

女性だけの書き手の集まり、アミの会(仮)によるアンソロジーの9冊目です。といっても私が読んだことがあるのは、はじめの『捨てる』のみで、今回が2冊目です。でも、現時点ではこちらが最新作でして、コロナの話が出てくる作品もちらほら。 一番印象に残ったのは、ちょっとゾクゾクしながら読んだ、近藤史恵さんの『孤独の谷』。タイトルからして、明るい感じはしないですが、なんだろう?と思いながら読み進め、後味も…。 好きな作家のひとり、大崎梢さんの『もうひとつある 鷹宮家四訓』では、タイトルの通

本棚:『ひとなつの。真夏に読みたい五つの物語』

ひねくれている…というよりはタイミングが悪いんでしょうね、きっと。夏は過ぎ、クリスマスのイルミネーションのニュースを聞く時期に読むなんて。ちなみに以前は『X'mas Stories』という6人の作家によるクリスマス・アンソロジーを春頃に読んだっけなぁ。 出身地もばらばらの中学2年の男子6人が沖縄で4日間を共に過ごす『三泊四日のサマーツアー』が好きだなと思いました。小学生もしくは高校生だったら、また違っただろうなぁと思ったり。 社会人になって十数年経ち、夏休みはお盆の数日間なの