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飲食店がコロナに打ち勝つためのすべて

【シェア・拡散希望】

コロナによって多くの飲食店が倒産しようとしている。この厳しい状況に飲食店経営者の誰もが絶望している。

支援をしてくれる人たちもいる。とてもありがたい。政府や自治体も過去例に見ない補償政策を打ち出している。だが、現実はそれだけでは全くもって足りない。そのことに不満を思う人もいるだろう。
しかし、愚痴をいくら言っても現状は変わらない。もはや我々は我々の手で自分たちを守り抜くしかない。

祈るな!考え続けろ!
立ち止まるな!動き続けろ!
下を見るな!前に進め!

私たち飲食店は、間違ないなく世の中に必要とされている。
町の灯を消すな!生き残れ!

2020/4/14時点、生き残るための原理原則をまとめた。
(2020/4/22更新・追記)

1店舗でも多くの飲食店が生き残り、再び町の灯として世の中を照らす日が来ることを願ってやまない。

※2020/4/17更新(随時更新・修正します)
※上記のExcelファイルが、本投稿のまとめです。もし宜しければ、さらに詳細についてのメッセージを下記に記しておりますのでお読みくださいますと幸いです。

<飲食店支援サービス一覧>
今発表されている民間企業による飲食店支援サービスの主要なものが下記にまとめられている。もちろん自社のビジネス拡大のための一手のものも多いが「渡りに船」の双方よしのものもある。参考にされたい。


はじめに

2020年4月8日。安倍首相によって緊急事態宣言が発令された。
年明けの1月には遠い異国で新しいウィルス感染が出たらしい、という程度の認識しかなかったのが、たった2ヶ月余りで世界的なパンデミックに至り、私たちの命を脅かし、私たちの生活を破壊しようとしている。

たった今も、バタバタと倒産・廃業をしていく飲食店が生まれている。

日本の飲食業は他の先進国と比べ、規制が緩く極めて自由競争に近い。自由競争であるが故に、日本では多種多様な業態・レストランが生まれ、世界的に見てもリーズナブルで豊かな食文化が育まれてきた。しかし、それは同時に業界的な薄利構造を生み出してきた。薄利構造にある大半の飲食店は、危機に対応するための資金的余裕を持っていない。平常時であれば現金商売である飲食店は、商品や給与の支払より先に売上がたつため、薄利構造で資金的余裕がなくともなんとかなる。が、今は非常時である。3月からの自粛ムードの高まりによって、売上が急減し、非常事態宣言によってもはや客足はゼロである。そうなると途端に資金不足に陥ってしまう。売上の入金がゼロになり、同時に先月以前の支払いの請求が届き、来月の賃料を支払わねばならず、そして何より従業員に給料を支払わねばならない。


状況は極めて厳しい。

多くの命を守るために我々は我慢もしなければならないだろう。これから多くの出血と痛みに耐えねばならない。

が、私たち飲食人にとって、お店とは私たちの人生そのものである。

止まない雨がないように
明けない夜はないように

必ず、また私たち飲食店を人々が必要とする時が来る。
その時を信じて、来るべき日まで耐え忍び、そして共に生き残ろう。

ここに示すのは、飲食店が生き残るための方策である。外食産業のチェーンストアや大企業など本部機能がある会社のためにというよりは、情報アクセス力を持たないが、日本の多様な食文化を支えていただいている個店や中小企業(1~数店舗運営)向けに書いた。

奇策はない。ただただ、原理原則に忠実に記した。ここから多くのヒントを得て、自分にあった行動指針を見出してほしい。共に教え合い、励まし合い、この危機を乗り越えていこう。

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生き残るための基本

生き残るための方法は1つしかない。お金がなくなることを防ぐことだ。

そのためには、①お金を増やすこと②お金を減らさないこと、だ。

①お金を増やすこと
1. お金を借りる
2. お金をもらう
3. お金を稼ぐ
4. 持ってるものをお金に換える
5. 入金を早くする

①お金を減らさないこと
1. コストを減らす
2. 出金を遅くする


結論を先に伝えておくと、この中で、まず短期的に取り組むべきことは、「緊急性(スピード)」「効果性」「実現可能性」が高い下記の方策である。

「お金を借りる」
日本政策金融公庫とセーフティネット保証で借りよう。緊急なら行政の小口資金融資を利用しよう

「お金を稼ぐ」
販売数が見込める商品設計を行い、テイクアウト販売を強化する。認知向上策を店頭とネットの両面で行おう。

「持っているものをお金に換える」
在庫を徹底して減らして、お金に変えよう。

「入金を早くする」
クレジットカードや電子マネー決済を導入していたのであれば、現金のみ決済に変更して現金確保につとめよう。

「コストを減らす」
不動産契約を確認したうえで、賃料減額依頼をしよう。資金繰りが厳しいなら最悪でも支払いを猶予してもらおう。

「出金を遅くする」
所得税と消費税の税金の支払い猶予を申請しよう。すでに借入金があるならば、返済日より先に返済猶予を申し出よう。支払い関係は全部クレジットカード(あるいは請求書による後払い)に変更して最大限現金の流出をおくらせよう。


それ以外にも有効な手はたくさんある。思いつけるもののすべてを、以降に記載した。順に伝えていくので読んでほしい。


①ー1.お金を借りる

一番早く倒産を避け、時間を稼げる安全状態までいくために有効なのが、「お金を借りる」ことである。適切な借り入れをすることができれば、資金ショートを起こすことなく、従業員の休業手当などの支払いにも応じられ、長期的な需要減退に耐えられる体力を持つことができる。なにより、日々の運転資金のやり繰りから解放され、冷静に判断できる精神状態になる。

幸い、コロナ特例で条件の良い融資が各金融機関から発表されているので、確認してほしい。

結論から言うと、急遽の借入を検討するなら、日本政策金融公庫と信用保証協会(セーフティネット保証)の2つをまずは実践しよう。日本政策金融公庫がオススメである理由は、利子の低さ(3年間1億円であれば無利子)だけでなく、審査の通りやすさだ。複数の制度融資メニューを持っているので、一度相談してみよう。日本政策金融公庫であれば土日も相談窓口が開いている。同時に、信用保証協会のセーフティネット保証についても進めたい。こちらも承諾率が高い。保証を受けられれば金融機関にとってもリスクがなくなるので借り入れをできやすくなるので進めておきたい。

その他の金融機関の利用は現時点では時間的制約と利子負担の点でオススメしない。もちろん資金的余裕がある方やすでに取引がある方は、商工中金や日本政策投資銀行の同様の制度融資(件数や承諾率が日本政策金融公庫より低い)や、取引銀行のプロパー融資(取引がないと審査は厳しい)などを検討してもよいだろう。


日本政策金融公庫

セーフティネット保証(信用保証協会)

多額の借り入れはしたくない。あるいは審査が下りない。でも、どうしても目の前の資金繰りが足りない・・・。そんな時は、法人融資ではなく、自治体が実施する個人向けの融資制度を利用して乗り切ろう。東京や大阪の社会福祉協議会では、個人向けに緊急小口資金・総合支援資金を貸し出している。利子もなく現金10~40万円の貸付を得られる。一番のメリットは、5営業日という短さで手に入ることが魅力だ。目の前の資金不足に活用しよう。

社会福祉協議会(東京)

社会福祉協議会(大阪)


いよいよ緊急で小口資金が必要、借りる先がない、となった場合は、ビジネスローンやカードローンを利用するという手がある。ただし、金利が高いので、早期の返済が絶対条件。安易に手を出して、カードローン破産に陥るケースが多数あるので本当に注意してほしい。返済する目途があり、どうしようもない時の最終手段として利用しよう。下記のページなどを参考にするとよいだろう。

以上、「お金を借りる」方法について解説した。だが、最後にとても重要なことを伝えておく。当たり前のことだが、借入金は必ず返さなければならない。また返済期間が長くなればなるほど金利負担によって店舗運営は苦しくなっていく。このコロナショックは間違いなく長期戦である。安易な気持ちで、借り入れを増やしてはならないこととだけは知っておいてほしい。不動産契約を確認し、現在の支払予定(給与・食材仕入)を確認し、店を今廃業したらどうなるのかを先に確認してほしい。もし今であればやめられる、というのであればその撤退の決断は早い方がよい。特にコロナショック前からそれほど運営がうまくいっていないお店・会社は「やめる」こともあえておすすめしたい。タイミングを見失うと、廃業すると多くの人に迷惑をかけ自身も破産するので、やめるにやめらなくなる。

ここがPoint of NO return。
「やめる」のも勇気の1つだ。

それでもなお、お客様のために、地域のために、従業員のために、続けていく決意をもったらGO!だ。本気で進んでいこう。


①-2. お金をもらう

お金の増やし方の2番目は、「お金をもらう」ことだ。幸い政府や自治体から多くの救援・支援政策が打ち出されている。どんどん新しい情報がネットやTV番組で錯綜して混乱しているかもしれないので、飲食店が利用するとよい支援策をまとめた。

残念ながら目の前の資金繰りに役立つことはない。なぜなら、受給時期が不透明、あるいは2ヶ月以上先であるからだ。なので、それまでの現金流出に対しては耐えられるよう他の方策を駆使するしかない。助成金や補償制度の利用は、その申請方法が明確になった際に遅れることなく利活用できるよう準備しておこう。順番に制度を説明していく。

雇用調整助成金
今回の補償制度の中で最も手厚くされているのこの制度。解雇をしなければ、従業員に払う休業手当の9割を国が助成してくれる。1人1日あたりの上限金額8,330円があるが、パート・アルバイトであれば超えることはないだろう。

休業手当の金額は、「平均賃金の60%以上」が義務付けられている。詳しい説明は割愛するが、仮に最低限の「平均賃金の60%」を支給するとすると、従業員が受給できる(雇用主が支払う)休業手当は「月額給与の約40%」になる(月額給与の60%ではない!)。雇用主側の負担は、雇用調整助成金を活用すれば1割負担になるので、支払っている「月額給与の約4%」が実際の負担額となる。ただし、実際には助成金の申請と受理は最低2~3ヶ月以上かかることが明示されており、その間「月額給与の40%」×最低2~3ヶ月分の現金流出が起きることを覚悟せねばならない。支払っている過去の給与実績から、一度計算してみよう。

計算してみて、もしそれが許容できる範囲内であれば、働いてくれているスタッフの生活のために「平均賃金の60%以上」の支給をすることもぜひ検討してあげてほしい。しばらく営業休止・自粛が続く場合、あるいはお店を開けても、出勤をさせられる状況にない場合は、そのことを正直に伝えよう。現金がなくなったら、払えるものも払えなくなって、結果従業員に迷惑をかけるので、無理なら無理と正直に伝えることも大切だ。休業手当受給中に別の副業やアルバイトをすることに関しては、リーマンショックの時同様に行政も目をつむってくれるはずだ。需要が復活した際には戻ってきてくれるようお願いはしておこう。が、スタッフも生活が懸かっている以上、休業中の副業を禁止するのはよくないだろう。いざ、売上が上がらないとなったら自身もアルバイトをするしかないのだから。

最後の最後は、完全な活動休止であろう。その時も、現金確保に集中だ。現金が枯渇したらそもそも従業員への休業手当すら払えなくなってしまう。雇用保険に加入しているのであれば、従業員は失業保険をもらうことができる。信頼関係があり休業手当の支払いを待ってもらえるであれば、従業員にお願いをするのもよいだろう。が、従業員も当然生活が懸かっているので待ってもらうにも限界がある。いよいよ将来の休業手当を払える余地がもうないのであれば、最後はそれを本人に真摯に伝えて一旦退職してもらうしかない。失業保険であれば手続きを踏めば、従業員は短い期間で月額給与の約6割程度の金額を受給するができる。最後の最後は休業手当と失業保険の切れ目をなくして従業員の生活を守ることが経営者の責任だ。

なお、休業させて休業手当を払う場合に、単純に休業させるのではなく、普段しないような教育・訓練を実施すれば(例えば調理師免許取得やHACCPの勉強会)、雇用調整助成金に1日1人当たり2400円がプラスされるので、活用すれば少し負担も減るので検討してみてほしい。特に給与の高い正社員などを休業させる場合など8,330円の上限+2,400円=10,730円まで助成を受けることができるので活用を検討されたい。

小学校等休校対応助成金
子供を持つ保護者のパートタイマーに手伝ってもらっている飲食店も多いだろう。臨時休校中に働けなくなった就労者に対して、雇用主は特別有給手当を支給することができる。支給した給与は100%全額国が助成してくれる。完全休業状態で出勤する従業員がいないのであれば、こちらの制度を積極的に活用しよう。制度を利用した方が、従業員にも雇用主にもメリットがある。ただし、こちらも申請から助成金をもらえるまでは2~3ヶ月以上の期間が予定されており、その間の現金確保が必須である。


持続化給付金
売上が前年度比50%以上減った際に受給できる国(経産省管轄)の給付金。中小企業で最大200万円・個人事業主で100万まで受給できる。臨時休業などをしていれば間違いなく該当すると思うので、申請を忘れないでほしい。こちらも申請方法や受給時期が不透明なのが悩みどころだ。


休業要請協力金(東京都・大阪府)
東京都・大阪府に限ってのことだが、飲食店の部分的休業要請に応じた場合にもらえる。営業時間を午前5時~20時、酒類の提供を19時までにする。もし臨時休業せず営業を続けているのであれば、20時までに閉店することを検討しよう。この要請に応えれば、1店舗の経営者は50万円、2店舗以上の経営者は100万円受給できる。実際に営業自粛しているかどうかは、緊急事態宣言期間が終わらないと判断できないため、これまた支給される時期はだいぶ先になる見通し。


現金10万円給付(2020/4/16)
目下、世間の注目を一番浴びているのがこの制度。世帯主の月収が著しく低いか、前年の50%以下になった上でその額が基準を下回れば現金30万円給付だったのが、非常事態宣言の全国波及の発表が2020/4/16に安倍首相より発表され、もともと予定していた現金30万円支給はなくなる予定。代わりに全国民に10万円の支給に変わることで現在検討中。5月下旬の支給を目指している。これで、従業員・雇用主共に確実に受給できるようになった。二転三転しているので今後どうなるかわからない部分も多いが、ここまで明言してしまった以上なんらかの給付は間違いないとみていいだろう。今後、申請方法や時期が明らかになってくると思うので注視されたい。ただし、単発の効果しかないことから資金繰りの計算上にはいれないほうがいいだろう。


①-3. お金を稼ぐ

お金の増やし方の3番目の方法は、「お金を稼ぐ」ことだ。普段私たちが一番力を込めてやっていることである。ただし、今は「自分のお店に来て食事して頂く」という正攻法の稼ぎ方がまったく通用しない。外出自粛によって飲食店は敬遠されているからだ。お客様の安全確保のためには、販促・集客する行為も避けなければならない。つまり、本業である「飲食」で稼ぐことは極めて困難である。我々は、本業以外の副業に活路を見出すしかない。

お金の稼ぎ方は無限にあるが、大多数の飲食店にとって取り組みやすい方法は3つしかない。

テイクアウトデリバリーネット通販である。

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行政も、感染拡大防止と、飲食店支援の2つの観点からテイクアウト・デリバリーの促進を図るべく支援策を打ち出しているのでマーケット的には追い風だ。東京都であれば、独自に宅配・テイクアウトを始めるための初期費用としてなんと最大100万円を支援するという大きな助成を発表している。助成基準は定かではないが、飲食店にとってテイクアウトやデリバリーを始めやすい環境が整ったことは事実。大阪府や兵庫県においても、まだ飲食店側の支援策はないものの、ユーザー側にポイント還元をすることでデリバリーを促進する策を発表している。それによって、少なくとも短期的にはテイクアウト・デリバリー市場は大きく伸びることは間違いない。

残念ながら大半の飲食店にとって、テイクアウトやデリバリーとは、やれば勝手に売れる・儲かるものではないのが実際のところだ。が、それしか売上確保策がないのだから仕方がない。少しでも売れる販路と方法を模索しよう。


テイクアウト
テイクアウト・デリバリー・ネット通販の3つのうち、最も取り組みやすく効果が出やすいのが、テイクアウトである。新たなサービスへの申し込みも設備も不要だからだ。保健所申請も基本的には必要ない(※一部生鮮・加工品販売については必要)。テイクアウトについて注力してここでは取り組み方を示す。

※2020/4/29追記:いよいよ気温が20度を超えてきました。食中毒・食あたりを起こさないように気を付けましょう。テイクアウトを始める方は念のため保健所に事前相談さることをおすすめします。

まずは、自店舗にテイクアウトして家で食べてもらえる主力メニューがないか検討しよう。

家で食べたい
  ×
家で作るのは難しい(めんどくさい)
  ×
他の店舗が余りやっていない
  ×
自店舗が得意
  ×
時間経過で劣化が少ない

という条件をできるだけ満たしそうなメニューを選ぼう。
メニューを設計したら、実際にテイクアウト販売できるよう包材関係をそろえよう。今はネット通販でなんでも手に入る。リアル店舗でもシモジマグループなら大方の包材は手に入るだろう。

包材ネット通販

包材リアル店舗

これで、とりあえず商品はできた。が、商品をつくったら終わりではない。商品が売れるためには、お客様に知ってもらわなければならない。お客様はあなたの店が飲食店であることは知っているが、テイクアウトをやっていることは知らないからだ。こちらも、リアルとネットの双方でのアプローチが必要だ。

リアルのアプローチは、ベタベタな方法だ。だが、これが実は一番早く一番効果がある。カッコ悪いと思わず実践しよう。

<POPを張る>

こんな感じのテンプレートを印刷して張るのもいいだろう。大切なことは、これを外に張ることである。多くの飲食店は何か新しいものを始めると店内に張り出す。違う。お客様は外から来られるのだ。外に大きく出して初めて最大人数に認知してもらうことができる。同様の理由で、大きさも重要だ。今はカッコよさ・お洒落さよりも認知向上の方が大切である。A4用紙に一文字ずつ「テ・イ・ク・ア・ウ・ト」と書いてラミネートして貼り出してもいいくらいだ。

<のぼりを出す>

これまたベタだが訴求力抜群なのが、のぼりである。台座はホームセンターなどでも買えるだろう。やりはじめるなら必ず用意したい。そしてもう一個アドバイスしたい。テイクアウトを始めたのに暇だったとする。そしたら、店主自ら外に出て、のぼりの旗振りをせよ。あたかもF1レースのチェッカーのように。そして大きな声を出せ。

恥ずかしい?哀れだ?

自身の小さなプライドと生き残り、どちらか大切か考えて行動しよう。やってみたら何のことはない。必ず買ってくれる人が増える。あなたならできるはずだ。

<チラシ・ポスティング>
これまたベタだが、強力なのがポスティング、あるいはチラシをもった企業訪問営業だ。もちろんやるのは自分。営業時間外に頑張ろう。今、家庭もオフィスワーカーも外食ができない。実は外食の味を求めているのだ。オフィスワーカーの中には外食を禁じている会社だってある。チラシに電話番号を書いて、企業営業をしたりすれば、お弁当注文予約をくれるかもしれない。

一方のネットでの認知拡大アプローチは多様な方法があるが、代表的なものを紹介したい。

<Google map>
Googleがこのタイミングで、map機能のトップに「テイクアウト」「デリバリー」カテゴリを追加してくれている。これに登録されていると、現在地からテイクアウト購入可能が店舗の検索ができるようになっている。個店としてこれを活用しない手はない。必ずやろう。

<グルメサイトの登録>
食べログ・Retty・ヒトサラ・Hotpepperなどでテイクアウトカテゴリーの追加が急ピッチで行われている。情報登録しておけば、それを検索して使う人が来るかもしれない。登録するサービスを選ぶ際には、まず自分でユーザ目線でそのサービスを見てからにしよう。お客様目線で、検索対応(SEO)・対応エリア・店の数・ユーザビリティなどで使いやすい・選ばれそうと思うものを見つけよう。
※2020/4/22食べログが現在地検索に対応を発表


<SNS発信>
自身の店のSNSアカウントや公式アカウントを持とう。facebook(Instagram),twitter,LINEなどがあるが、このタイミングでのオススメはfacebook(Instagram)である。費用は無料で開設できるし、近隣指定でテイクアウト販売開始の告知広告を打つこともできる。

テイクアウト認知をうまく伝えられたら、さらに注文の利便性を増して注文数を増やせるよう努力してみるのもいいだろう。

※追記:Instagramがテイクアウト・ギフト・寄付の3つの機能を併せ持つサービスを実装すると発表(2020/4/16)。今後数週間以内に日本でも実装される可能性あり!公式アカウントを運用していてフォロワーが沢山いる飲食店には大きな朗報である!!
まだの人も一応アカウントだけは作っておいたらどうだろうか。


<注文アプリ・ASPサービス>
EPARKテイクアウト
時間指定での注文・事前決済などができるサイト

menu(現在、東京都心部のみ対応)
iToGO
テイクアウト注文・決済ができるアプリ機能。menuは初期費用・販売手数料を無料にすることを発表


中にはネット活用の方法について全然分からない、という方もいるかもしれない。でも、あきらめるな。あなたには子供はいないのか?友人はいないのか?親身になってくれる若いアルバイトさんはいないのか?必死に頼めば必ず代わりにやってくれるはずだ。

以上の行動を実践しながら、うまくいき始めたら、テイクアウト販売する商材の拡充の可能性も模索しよう。いたずらにメニューを増やすのではない。販売数が多くない段階でのメニューの多様化は食材回転を悪くしてしまう。むしろ、付随する周辺商品にスポットライトを当ててみよう。

①酒類の販売
コロナで飲食店が酒の小売をすることが期間限定(6か月間)可能になった。一般スーパーで売っていないワインや日本酒、あるいはスーパーより安く販売できるようなサワーなどを販売することで売上確保の可能性がある。国税局に、免許取得のため4月10日から申請の受け付けが始まっている。

②素材の販売
(肉・魚・野菜)など自店舗が使う商品で質・価格に自身があるものはないか?もし普段から市場にいくような方なら、良い品をリーズナブルに出せるはず。そういった商品を仕入れて、店頭で販売するのも一手である。質の良さで訴求してもよいし、逆に安さで訴求してもよい。たとえば、一般食品でスーパーより安い食材が手に入るようなら、一般顧客があなたの店に立ち寄る理由になる。そうすることで、主力テイクアウト商品の認知と売上にもつながるだろう。

③物販
これは最後の手段だが、飲食店だからこそ手に入りやすいモノもある。例えば消毒用アルコール。高い転売をするのではなく、小分けにしてたくさんの人に買ってもらえるようにすれば、これまたお店の認知向上に役立ってくれるだろう。


デリバリー
続いての、副業候補がデリバリーである。今デリバリー業界は絶好調である。買い物のために外出もしなくてよいからなおさらである。ドミノピザが5000人の新規採用を募集しているくらいである。また、大阪府や神戸市をはじめ、行政がデリバリーへの支援を申し出ている。それによって今後さらに多くの注文が殺到することが予想される。

ただし、デリバリーに関しては、実はテイクアウト販売よりもハードルが高いことに注意したい。もし、自前でやろうとしたら、配送に行く時間だけで採算が合わなくなってしまうだろう。デリバリーサービスを利用したとしても手数料が極めて高い。

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なんと配送をやってもらう場合は、UBER EATSで35%、出前館の公式手数料は約43%(現金注文の場合40%)である。(※2020/4/24に出前館が期間限定で配送手数料の減額を発表し、ただいま現金決済の場合33%とUBER以下の手数料になっています)。結果としては、いずれにしても商品価格を上げざるを得なくなる。普段から高単価のファインダイングを運営しておられる方や、認知度が高く原価率の低いチェーンストアならば、自前でも他社活用でもチャンスがあるが、あまり一般的な認知度が高くない個店の飲食店の場合、デリバリーサービスを利用しても大きな売上は見込みづらいだろう。想像してみよう。あまり知らない名前のお店の、「から揚げ定食」がデリバリーで1300円だったら買うだろうか?もちろん答えはNOだろう。実際に出前館の1ヶ月1店舗当たりの売上件数の平均は4件。これはチェーンストアも合わせての数字なので個店の注文などほぼゼロに等しい。もちろん月額費用はかからないのでやるに越したことはないとも言えるが、売上への期待はしないほうがよいだろう。
ただ、行政の支援や初期費用・配送手数料の軽減なども始まっているので、その支援度合いによっては検討の余地はあると思う。
また、出前館の場合、自社配送を選択すれば、自分で配送エリアを地番ベースで限定できるので、小商圏のみのチャリデリバリーなどは個店にとっても取り組みやすいかもしれない。


ネット通販
副業候補の最後はネット通販である。出来立ての商品を届けるのではなく、素材・加工品の常温・チルド配送を配送業者にしてもらうということである。自店舗の主力商品で、生鮮食品(魚・肉)やファンの多い加工品などの商品を持っているようならネット通販も考えてみよう。
サービス提供者は数が多いが、資金繰りを考えると、楽天やAmazonのようなマス向けサイトではなく、初期投資が全くないASPサービスの選択肢しかない。BASEやSTORES.jpなどを利用しよう。ただし、こちらも認知がなければ、注文はほぼ確実にゼロになるので短期的な効果は期待できない。結局、サイトを立ち上げたとしても、認知を広げるためにテイクアウトの強化と合わせて、リアル(チラシ/POPにQRコードを挿入する)やネット発信をしながら続けていくしかない。


自分がアルバイト!
おまけだが、重要なことを伝えておこう。以上伝えたことを一生懸命にやっても売上が立たないことはあるだろう。いや、徹底できなければその可能性の方が高いといえるかもしれない。いよいよ、となったらウジウジ店舗での営業に固執することなく、一旦の自主休業を決断しよう。そして、最後の最後の手段として自身もバイトである。四の五の言ってる場合ではない。物流・流通系のバイト、先ほども紹介したピザなどデリバリー系のバイトは積極採用中である。


①-4. 持っているものをお金に換える

4つ目のお金の増やし方は、持っているものをお金に換えることである。至極単純なことだ。稼働していないモノ、いらないものを減らして、それをお金に換え、資金余裕を確保するのだ。

在庫を減らす
中でも最も効果があるのがこれだ。在庫削減。通常時は販売機会ロスを減らすためにもある程度在庫を抱えている。が、これほど売れない状態になったからには、この通常期の在庫量はまったくもって必要ない。必要在庫を見直し、最小限の量にしよう。在庫が減っていくほど、その分の現金が増える。在庫を減らすためには、飲食メニュー販売によって減っていくのを待つだけでなく、積極的に素材テイクアウト販売して現金化しよう。徹底して減らすことで賞味期限切れによる廃棄ロスも減り、発注の手間も減る。販売機会ロスの問題はもはやこの際ニの次である。メニューと食材をこの際、絞り込めばさらに効果は上がるだろう。

不要なものを売る
店舗にある不要なもの処分しよう。たとえば、調理器具・皿などを売ってしまう。汎用性の高いものであればテンポスなどの中古買取をしてくれる。ただし、金額はあまり期待できない(場合によっては廃棄料がいる)。一般人が欲しがるようなものであれば、メルカリなどで売ってもいい。
いよいよとなれば、自身の持つ所有物(車・装飾品など)だっていざとなれば現金化できる。もし、会社や個人で生命保険・損害保険などに加入しているのであれば解約するというのも1つの手だ。


①-5. 入金を早くする

お金の増やし方の最後はコレ。もらえるお金を早くもらうこと!これは意外と実践されていない。まだであれば、すぐにやろう。

現金のみ決済にする
お会計をすべて現金のみにする。そうすることで、クレジットカード・電子マネーの支払を待つことがなくすぐに現金を手にすることができる。また、引かれる手数料のなくなるのでダブルの効果がある。普段ならお客様の利便性を損なうが、今は多くの人は寛容に見てくれるはずである。やっていないならすぐやるべきである。

未来の売上を得る
今現在食べに来てくれなくとも、行きたいと思ってくれるお客様がいる。その人たちに応援してもらおう。その人たちが、未来にくるための食事券や予約券、特別なコース料理券などをつくり販売しよう。あなたのお店がファンに愛されるお店であれば、幾人かは買ってくれるはずである。将来の売上の先食いをしているだけではあるものの、目の前の資金繰りには大いにプラスになる。
販売の方法は、いくつかあるが、特別な場合を除き、基本は店頭が一番早いし、一番効果的である。

<店頭>
特にテイクアウト利用客に訴求する。ファンであれば買ってもらえるかもしれない。単純な応援購買もあるし、回数券のように割引などがあれば買いやすくもなるだろう(将来の先食いであることに注意)。その時しか買えないプレミアムなサービスがついてくる付加価値をつけるのもよいだろう。買ってもらえれば、テイクアウト売上に加えて、将来の来店売上も同時にもらえるので短期的な現金確保に効果があるかもしれない。

<ネット・アプリ>
クラウドファンディング(CAMPFIRE, READYFOR,Makuakeなど)や先払いアプリを利用する。面白い商品・サービスを提供できる場合、広域にファンが散らばっている場合、公益性の高い商品を販売する場合、物語性の高い訴求ができる場合などは、クラウドファンディングや先払いアプリなどの利用も考えてみるのも一手である。ただし、どちらも既存の多数のファンの存在や、共感を得られることが前提となる。
現在、クラウドファンディングはコロナ特別企画で、サービス手数料5%で利用することができる(一部除く)。


ごちそうさまの先払いアプリ「さきめし」なども話題を集めている。こちらの手数料は10%。

だが、いずれも特別な企画・発信が必要で時間も必要になる。また当然だがこれまであなたのお店が積み上げてきた信頼や未来への期待以上の金額は集まらないことは知ってこう。

以上、①お金を増やすための方策を述べてきた。
この中でも優先順位が高いのは、緊急性・効果性・実現可能性の観点から「日本政策金融公庫とセーフティネット保証」「行政の緊急小口資金」「テイクアウト販売」「在庫削減」「現金のみ決済」である。個々の事情によって、違う部分もあるかもしれないが参考にされたい。


②-1.コストを減らす

続いて、現金を確保するための大きな方法論の1つ「お金を減らさない」について紹介する。その中でもわかりやすいのが「コストを減らす」ことである。飲食店の代表的なコスト費目についてその方法を紹介する。

飲食店のコスト費目で一番大きいのは原価(F)30%、続いて人件費(L)25%,その次が賃料(R)10%,最後に水光熱費(E)5%である。

このうち、人件費については、継続雇用を前提として、なおかつ現時点でほぼ休業してもらっているとすると、低減余地はない。となると、大きな費目は原価と賃料になる。費目的な大きさは原価の方が大きいが、原価は基本変動費なので実は削減余地が小さい。やはりコスト削減の本丸は賃料削減である。臨時休業している店舗にとって、賃料が一番苦しい固定費なのである。いよいよ腹をくくって不動産オーナーとの減額交渉に挑もう。

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賃料の減額交渉
賃料交渉をすると決めたとしても、その前にまずやるべきことがある。不動産契約書を再度確認することだ。確認事項は3つある。1つ目は「契約残存期間の確認」、2つ目は「解約手数料・原状回復義務の有無」、3つ目は「預けている保証金の確認」だ。

なんのためか。繰り返しになってしまうが、ここで、もう一度いったん冷静に今後を見通してほしいからだ。もし原状回復義務や解約手数料などがない、などの条件があったならば、本当にこれから多額の借り入れを起こしてまで継続するかは一度考えた方がよい。今やめれば、最低限の損失で済むかもしれない。コロナショックが明けた後の将来の見通しが暗い(そもそもその前から営業が苦しかった等)場合は、勇気をもって「やめる」ことを考えることも必要だ。コロナの影響は短期的には終わらないことはもはや自明である。見通しがくらいにもかかわらず、惰性でカードローン他多額の借金を増やして対応してしまったら、最後の最後は「店舗閉鎖」「従業員・取引先への支払い不全」「自身の破産」の三方悪しの結果になってしまう恐れがある。自分自身のためにも、周りのためにも「やめる」勇気も大切だ。


もちろん、よく考えた結果、本当にお客様と従業員と地域のために長期目線でやると決めたなら「GO!」だ!

一緒に全力で歯を食いしばって生き抜こう。必ず夜明けはやって来る。

さて、やると決めたら、賃料交渉である。ただすればよいというものではない。文面の用意や最初の提示金額など、交渉におけるポイントがあるので、下記ページを参考に進めていこう。

幸いなことに、国土交通省が賃料減額時の減額幅についての損金算入を認めることが発表されている。利益が出ている法人、償却済のオーナーなどは少しだけ賃料減額に応じてくれる可能性がある。また、幸いにも政府や自治体が、今まさに最も重い固定費負担をどのように軽減するのかについて議論をしてくれている。オーナー側の固定資産税も免除してくる政策が発表されている。

どうしても、オーナーが減額に応じてくれなければ、最後は、資金繰りのために保証金の返還や賃料支払いの猶予をお願いしてみよう。今月の賃料を預けている保証金から充当するようお願いするのもありである。すでに猶予に関しては政府からも依頼・要請が出ている。今後、政府や自治体から新たな補償政策も発表されていく可能性もある。順次発表される情報が出たら、都度そのことを先方オーナーに伝えていこう。
※2020/4/19時点で、福岡市・北九州市・鎌倉市・千葉市が賃料減免の補償を発表している。自治体の情報発信を注視しよう
※2020/4/22時点、政府・与野党で賃料負担の猶予や補償をする方向性で協議が開始


原価を下げる
続いてのコスト削減は原価である。こちらは基本的に変動費なので大きな削減は難しい。ただし、この時期だからこそシビアに食材仕入を見直せば数ポイント程度の調整は可能である。重要な視点を3つ提供する。

①メニューを絞る
自信があり、出数が見込める主力メニューに注力しよう。多くのメニューを抱えていることはこの時期においては悪手だ。出ないだけで廃棄が増える。出数が期待できるメニューの選定を行おう。あえてコース一本にするとか、出数を集中させたいメニューを圧倒的に価格訴求するとか、アイデアを駆使して食材回転率を高めよう。

②食材共有化を図る
①と一緒に実施したいのが食材共有化である。メニューがある程度の数がないと来店動機がなくなってしまう店もある。アラカルト注文するようなお店だ。その場合はメニュー数の絞り込みには限界があるが、その場合は、食材をできる限り共有化させよう。そうすることで、一品一品の出数が少なくとも食材回転はされるので廃棄を抑えることができる。

例:マーボーナス、揚げだし茄子、茄子の浅漬け、焼き茄子

③ランチやセットなどの消化促進メニューを作る
どうしても食材回転ができず廃棄に回ってしまう商品もでてしまうだろう。それをなんとか商品に帰るべく、日替わり、やお得なセット、などのメニューを作っておこう。そうすることで、お客様はお買い得に、店も廃棄を減らすことができる。自分の店のスタイルに合わせて考えてみてほしい。もちろん、廃棄前食材を自身の食事にすることも基本のキである。

水光熱費を下げる
水光熱費も基本的に下げるにも限界がある。取り組めていないものがあればやろう。

①冷蔵庫・冷凍庫の集約
在庫削減に伴い、店の冷蔵庫配置を見直そう。うまく収納すれば空きがでる冷蔵庫も出てくるはずだ。そうしたら電源をOFFにしよう。休業になったらブレーカーごと電気を落とすのもお忘れなく。

②電力・ガスの契約見直し
自由化に伴い契約先が選べるようになっている。プランを見直せば今より価格は下がるはずだ。即効性はないがやっていないなら取り組もう。

③水道蛇口を節水タイプにする
通常タイプの蛇口のままの場合は、同じひねっても水と泡が同時に出るタイプに変更しよう。洗浄力はそのままで節水性が高まる。あと、おまけだが、水洗トイレを流すときは「大」ではなく「小」。これで2リットルの差がある。家庭でも有効らしいので試してほしい。

プライベートのコスト(生活費)を下げる
個人オーナーならほぼお店と個人の財布は一緒になっているだろう。であれば、プライベートの節約がそのまま店の存続にも直結する。いざとなったら最もやるべきことは、今住んでいるところを解約し、店に住むことだ(許可はとろう)。それによって現在の住居賃料を浮かすことができる。店舗の不動産契約は通常極めてやめづらくなっている。やめた時の経済的負担も重いように設計されている契約書が多い。一方で、住居の方は引っ越し・転居が多いことが前提なので比較的軽い解約コストになっていることが多い。そちらもすぐに契約書を確認してみるとよいだろう。もちろん食費は全部店の食材で賄うことも重要なコスト削減につながるので実践しよう。あと、意外と実践していないだろうことが、スマホ料金の低減。ぼんやりdocomo・Softbank・auなどのメガキャリアの高い携帯代金と月額費用で払っている人も多いはず。格安スマホに乗り換えることで5000円くらい出費は減るはずだ。


②-2.出金を遅くする

お金を減らさないための大きな方法論の2つ目は、お金が出ていくタイミングを遅らせることである。中でも飲食店が取り組みやすいことを紹介する。

税金の支払いを猶予してもらう
目の前の資金繰りにプラスなので苦しい人はすぐやろう。4月16日までの期限の所得税・消費税の納付を延滞できるようようになった。後出しでもいいので今から6か月以内に申請すれば、税金の納付を1年~2年先延ばしにすることができる。慌てて支払わず、税務署に相談してみよう。絶対に申請は忘れないこと。これを怠ると、今後国や自治体からの補助金などの使用が不可能になる恐れがある。

借入金の返済猶予を申し出る
もし既に借入金があるのであれば、まずはこの返済猶予を申し出よう。金融機関も返せなくなってしまう(倒産)よりは、返済猶予を選んでくれる。もちろんハードな交渉が必要だが、資金繰りが厳しい人はまず行動しよう。申し出がないままに期日までに返済が実行されないとそれこそ信用に大きな瑕がついてしまい、今後の資金調達が不可能になってしまう恐れがある。

取引事業者に支払いを待ってもらう
定期的に商品を納入してもらっている取引業者がいるなら、支払いのタイミングの変更するように依頼してみよう。ただし、この手がうまくいく可能性は低いと言わざるを得ない。なぜなら飲食店に卸している食材業者だって、同様に厳しいからだ。ただし、これまで長きにわたって良好な関係を築き、支払いに関して信用を積み上げてきているのであれば、協力してくれる可能性はある。言わない手はない。難しくとも目の前の支払い猶予を申し出てみよう。
一方で、逆に信用が十分にない場合、「厳しそうだ」と判断した取引業者が支払日より前に現金を抑えにくる可能性がある。それこそ冗談ではなく、店にやってきてレジ金を持っていく、、なんてことが起きる可能性がある(実際によく起きている)。必要以上の現金をレジに入れるのは避けよう。実はなんとかなりそうなのに、猶予をお願いしている取引業者の支払日前レジ金回収によって、お金が回らなくなってしまって倒産なんて結末は最悪である。

賃料の支払いを猶予してもらう
先ほども書いたが、賃料減額がうまくいかなかった場合も、支払いは待ってもらおう。たった1・2か月待ってもらうだけでも、金融機関などの融資の実行までの時間稼ぎになる。


支払いのすべてをカードで行う
会社でも、お店でも、個人でも実践すべきことは、すべての支払いをカードで行うこと。そうすることで、クレジットカードの支払いサイトの分だけ、購入物品の支払いを1か月程度先にすることができる。もちろん請求書払いをしていて、その方が支払いサイトが長いならそちらを選択しよう。


以上が、飲食店が取り組みやすい「お金を減らさない」ための方策である。たくさん伝えてきたが、中でも本丸は、「賃料減額交渉(無理なら猶予)」だ。本気で取り組もう。「税金の支払い猶予の申請」「すべての支払いをクレジットカードにする」も実現が容易なのでぜひ実践してほしい。


おわりに

いかがだったであろうか。少しは生き残るための希望が見えてきたであろうか。逆転ホームランなどないが、原理原則に忠実に打つことができる手について、できるだけ事実に基づいて伝えたつもりだ。
正直そのすべてを実施してもまったく楽観視できない、いやむしろ厳しい。というのが多く飲食店のおかれた現状であろうと思う。

ただ、もしあなたの店がこのコロナショックより前の時に、お客様と地域に愛されてきたお店であるのであれば、生き残る可能性は十分にある。

決して思考停止することなく常に考えよう。
決してあきらめることなく行動をし続けよう。

何度でも言おう。

私たちのお店は世の中に求められている。
私たちの仕事は人の人生の喜びに花を添えられる素晴らしい仕事だ。

なんとしてでも力を合わせこの危機を乗り越えよう。
再び街を照らす灯になるべく全力で立ち向かおう。
明けない夜はないのだから。

この文章があなたの希望になることを願う。

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