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【読んだ本15】生活安全課0係ーバタフライー富樫倫太郎

読んだ感想

今回は生活安全課0係からの紹介です。一度読んだ本なのですが、改めて読んだので記事にしたいと思います。本作品では、事件ごとの読み切りになってはいるのですが、事件が並行して進んでいくので、最終的に読み終わると全てが繋がる印象です。ある事件を調べながらも新たな事件と登場人物の人生に大きな影響を与えるプライベートな事象も様々出てきます。主人公の冬彦以外の人物にフォーカスしている一冊である印象です。

バタフライ

三浦靖子がメインのお話になります。小説では、子持ちのバツイチである靖子に新たな春が来るのかという期待を持ちながら読み進めることがありました。男にとって理想の女性はどんな人なのでしょうか。一見すると結婚詐欺にあっているのかと思うような展開ですが、事務員とはいえ警察に勤務している靖子を騙すのは簡単ではないでしょう。冬彦と高虎も疑いの目を持ちながらも、確信を掴めないでいます。

名前のない馬

高虎がメインのお話です。馬のセラピー効果によって自身も家族も良い方向へ進んでほしいと思えるような心温まる内容です。自分と似た境遇の馬に自分を重ねて、ギャンブルにしか興味がなさそうな高虎の変化が見られ、不登校になってしまった娘さんや精神的に疲れてしまった奥さんにとっても良い影響が出ることを願います。

素直になれなくて

樋村がメインのお話になります。あなたにも人に言いずらい、趣味嗜好がありますか。誰でも持ち合わせているような気もしますが、そんな気持ちに素直に行動することは中々難しいと思います。その上で、心の開放を感じられるお話でしたし、祝いるジェンダーレスに関する話になるのであまり言及はしませんが、私とは違った生きずらさを感じている人も世の中にはいるのだなと改めて考えさせられました。むしろ生きずらさを感じていない人の方が、少ないと思うようになってしまってのは、最近の風潮に乗りすぎでしょうか。

17才

亀山係長がメインのお話になりますが、夫婦関係と癒し、靖子の存在が大きく関係してくるお話です。ペットショップの闇を暴くような内容にもなっていますが、警察官であっても家では肩身の狭い係長が強い意志で行動する以外な場面も出てきます。靖子は本当に優しく、亀山夫婦にとって必要な存在であることが、わかる内容にもなっています。

青い影

この本の中で継続的に話題になっている猫に対する悪戯についての完結編になります。冬彦のプロファイリングで犯行を予測し、犯人を追い詰めていきます。また、小学生の相談からはじまった現金投げ込み事件が発生した辛い背景も明らかにされます。
安智の母親との関係に大きな変化が訪れる内容も含まれています。歪な親子関係とそれに至るまでの経緯が、本当の記憶が呼び起こされることで明らかにされていきます。警察官と言えども一人の人間であることを改めて考えさせられる内容でした。

今回の感想は、今までと少し視点を変えて書いてみました。内容に踏み込みつつ、直接的な内容と自分が推測したことをつらつらと綴っています。ここまでお読み頂きありがとうございました。他の作品に関しても、記事を書いておりますので、よろしければお読みください。


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