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【読んだ本12】螺旋の手術室ー知念実希人

読んだ感想

今回読んだ本は、最近ハマっている知念実希人さんのシリーズです。天久鷹央シリーズとは違った面白さが垣間見えた一冊でした。当然ながら、医学の知識がないと最後まで全く展開は読めません。何となく犯人が分かったとしても、トリックやそもそもの動機がわからず、最後までハラハラしながら一気に読んでしまいたくなるのが魅力です。

主人公は、両親が親の男性医師なのですが、天久鷹央シリーズの小鳥のイメージになってしまいます。格闘シーンも出てくるのですが、体育科系の医者を登場させないと気が済まないのでしょうか。

このお話は、内容が盛りだくさんすぎて読んでいて混乱してしまうこともあるかもしれません。手術の失敗から話は始まっていきますが、かなり複雑に絡みあっていきます。

息子、娘への父親の態度も最後まで読むと納得できる部分もあります。それを分かっていたから母親も一歩引いて見守ることを選びつつ、最後まで夫のことを愛していたからこその行動に胸が締め付けられます。自分の命が長くないことも含めて、残される家族のために母親が行ったことについて考えさせられてしまいます。

正直、続きが気になる作品でした。続きは読者の想像にお任せなのかもしれませんが、良い方にも悪い方にも考えが及んでしまうので、続きを書いて欲しかった。この作品では、様々な家族と愛情表現が出てきます。妹夫婦が今後、どうなっていくのかも非常に気になるところです。

最初は、手術ミスから始まり、教授選や妹との関係、父親の出生の秘密など段階を踏んでいくにつれて話が渦を巻いていきます。単なる一つの事件でなく、その事件の背景も考えていくと違った視点で捉えられると感じます。

ここまでお読み頂きましてありがとうございました。他の本についても感想を書いておりますので、よろしければお読みください。


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