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教壇に立つことについて

3年ほど前から教壇に立ち、設計製図を教えています。「教えている」というとおこがましいですが、大学の期間も含めると20年近くは建築の設計というものにたずさわりはしているので、その自分なりの考え方やノウハウを生徒達に「伝えている」といったほうが正しいのかもしれません。

「仕事の傍によくできるね?」とたまに聞かれますがとんでもありません。もちろん時間は取られますし、楽なものではありません。ただ、人に何かを伝えるための思考の整理という過程を必然的に与えられる授業は、日々の業務に対してもとても有効に働いてくれますし、これまで見えてこなかった自分自身の課題なんかにも気づかされる良い時間となっています。

学生からも様々に学ぶこともありますし、何よりも、若い人と触れ合うこと、その発想を体感すること、時代を感じることはとても有益なものとして自分の蓄積にもつながっています。

僕が担当しているのは建築学科の一年生です。去年までは高校生だった初々しい刺激は自分の大学時代を思い出し奮い立ちます。

一年生ですので授業の中で一番心がけていることは「建築の楽しさをいかに伝えるか」ということです。まずは好きになること。それが一番大切だと思っています。自分がそうであったからもありますが、好きになることでその人は自ずと成長していきます。あまりガミガミ伝えても伝わらないように、子育てと同じように、ゆっくりと時間をかけて見守っていくことが大切だと思っています。

というのも、やっぱり建築業は厳しい世界なのです。

例えば設計業、大学時代の建築学科の同級生は50人ほどいましたが、今でも設計を続けているのは3人ほどですし、自分で独立して設計事務所を行なっているのは僕1人です。

どれだけ知識をつぎそそいだとしても、継続できなくては意味がありません。建築に夢を見て、目標とし、自ら学ぶ能動性を育てたいのです。そのために必要な知識は惜しげなく伝えたいなと思っています。

将来、教え子の生徒達と一緒に仕事をすることができたらそんな嬉しいことはありません。

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今日は、課題の発表会を行なってきました。「広がるインテリア」という課題に対して様々なアイディアが持ち寄られ、模型や図面を通したプレゼンテーションを行ってもらいました。自分の考えを人に伝えるという能力はプランニング能力と同じくらい設計をする人にとっては必要な能力です。

慣れない手つきで仕上げた模型や自分の言葉を持って、ドキドキしながらも勇敢に発表していく生徒達はたくましく、大きな刺激をこちらもいただいてきました。

若い生徒達は可能性の塊です。その可能性をしっかりと見極め、上手く開いてあげられると良いなと思います。

Archlife

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