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志摩観光ホテル(設計:村野藤吾)

こんにちは!アーキロイドの福井です。
2016年に開催されたG7伊勢志摩サミットの会場となった「志摩観光ホテル」。
念願の建築家・村野藤吾氏が設計した「ザ クラシック」に宿泊しました。

部屋の窓からは、英虞湾(アゴワン)の入り江を望む。

部屋の構成はシンプル・・・だからこそ、実測せずにはいられない。
寸法を測りながら観察していくと設計者の思考や居心地の秘密(?)を自分なりに追いかけていくのが、とっても楽しい。
窓側の天井に花形の素敵なシーリングライトが窓の位置とずれているのは、景色を眺めたい時に煌々と照らされた自分がガラスに映ると、ちょっと恥ずかしい気持ちになる瞬間をさりげなく回避してくれているのか?

部屋側は下の写真。(興奮のあまり靴を脱ぎ捨てているのは、温かく見守って〜)
へだての奥に洗面室やトイレの扉がある。床と天井が繋がって見えるので伸びやかさは残したまま。扉から出た時のワンクッションの配慮が、明け透けじゃなく上品でとてもいい。完全に仕切られていない壁一枚なのに、間(マ)がたっぷりある。
照明も、必要なところに必要なだけ。明るさのムラ(濃淡)が、均一に照らされた部屋よりも色んな居場所が現れる。給湯コーナーのダウンライト、ベッドに腰掛けた時に、読書灯のような眩しくないちょうどいい位置に光が落ちるダウンライト。ストレスのない照明計画のおかげで、振る舞いが自然体で美しくいられる。

下の写真の鏡に映ったシャワー水栓脇の袖壁も、個人的には嬉しい。
シャワーカーテンを閉めてシャワーを浴びても、シャワーの水圧が強くてカーテンに当たると浴槽外が濡れちゃって、あらあらと拭き掃除することになる。
袖壁のさりげない配慮があると、そんなこと心配せず素敵に過ごすことができた。

村野さんの建築で過ごす時間は、所作が自然で美しくいられる気がした。
村野藤吾さんって、すごいモテたんじゃないかな…などと想像してしまう。福井


『福井典子の家』ーあたりまえを磨く滋味深い家ー
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設計のご相談・ご依頼お待ちしております。


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