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住んだ分だけ家賃、建築弁当、絶版本をWEB閲覧、2121年、バベルの住宅、の話(コンワダさん20週目)

 こんにちは、株式会社アーキロイドの津久井です。バックナンバーはこちら。さて、今週も社内で話題になった事例からいくつかをご紹介します。

事例1:「帰らない日は家賃がかからない家」を探せるunito、料金プランを3種類に拡充

【概要】
 「住んだ分だけの家賃で暮らせる部屋」など、新しい暮らしを提供するプラットフォームunitoが、資金調達とプラン拡充を発表しました。

unitoページよりスクショ

 居住者が使った分だけ家賃を払う、というのは家を使わない日は宿泊者に部屋を貸し出す(リレント)ことで家賃を下げる仕組みのようです。コンワダさんでも何度か取り上げているNOT A HOTELと似た仕組みですね。根本的に違うのは、NOT A HOTELは物件を所有していること、unitoは自身が賃貸で入居していることです。

【この事例について】
 unitoをはじめ、住まい方の多様化に対応する様々なサービスがでています。サービスサイトは一般ユーザー向けに作られていますが、コーポレートサイトを見ると不動産オーナーやホテルマネージャー向けに企画・設計・運営・集客を一貫して行うサービスを展開しています。実際にunitoを導入する経営メリットを紹介しています。

Unitoコーポレートサイトよりスクショ
Unitoコーポレートサイトよりスクショ

 資料を見ると「住む」と「泊まる」を織り交ぜることで、賃貸(住む)のみの場合の、倍額売上げることも可能なようです。一方で住まい手から見るとリレントに出さないと割高で、貸し手から見ても宿泊を多く入れることで費用対効果が出てくる仕組みです。一箇所にずっと住む人からしたら割高ですが、2拠点生活や短期間利用など住まい方が多様化した今だからこそ両者に利があると言えそうです。人々の暮らし方、住まい方の多様化をサポートする、実現するこうしたサービスは引き続きウォッチしていきたいと思います。

事例2:建築弁当

【概要&この事例について】
 名建築にインスパイアを受けて新しい弁当箱を作るプロジェクト「建築弁当」です。大学時代に建築を学んでいたという、広告代理店の同僚3人で集まり、「建築業界と広告業界の中間」を考えていたところ「良い建築は、いい弁当箱になるんじゃないか?」という発想に行き着いたそうです。
 現在は、住吉の長屋、金沢21世紀美術館、Tokyo Apartmentの3建築/3弁当箱が掲載されています。個別のページでは建築を弁当箱として捉えるダイアグラムや、断面を切っている絵など、見ごたえのある内容になっています。特にダイアグラムを用いて建築を認識/設計するプロセスは、建築関係者でないと新鮮に感じるかもしれません。図面や写真以外にも建築を認識する手段があること、またその手段だから分かることがあると伝えられる良い機会になりそうです。何よりところどころくすっと笑えるのも魅力的です。

建築学生なら誰もが学んだ住宅の断面にお弁当がぎっしり。
建築弁当/住吉の長屋よりスクショ)
21世紀美術館の構成を弁当箱ダイアグラムで紹介。
建築弁当/金沢21世紀美術館よりスクショ)

最後にサイトにあるテキストが面白く素敵だったのでご紹介します。

いい建築は、いい弁当箱だ。
いい空間構成は、いい弁当構成になる。
いい空間体験は、いい弁当体験になる。

弁当箱をアップデートすれば、
新しい食の体験が生まれるはず。

これは、
名建築にインスパイアを受けて
新しい弁当箱を作るプロジェクト。

さあ、建築弁当の着工です。

建築弁当/aboutより

事例3:絶版本、ネット閲覧5月から 国会図書館サイトで可能に

【概要】
 国立国会図書館が、5月から絶版本など入手困難となっている貴重な書籍や資料をウェブサイトで公開します。対象は、電子データ化が済んだもの。漫画、商業雑誌などは除外。サービス開始当初は閲覧機能のみですが、来年1月には不正コピー対策を講じた上で印刷可能になるそうです

【この事例について】
 入手困難本を「誰もが手に取れる」状況を物理的に実現するのは不可能です。絶版本ともなればなおさらですが電子媒体なら簡単な話ですね。私自身、小学生のときに学校や区の図書館になかった本を閲覧するために、母と一緒に国立国会図書館国際子ども図書館(上野)に行った経験があります。距離的に行ける距離だったので入手困難資料を閲覧するために上野まで行きましたが、地方在住者はそう簡単には行きません。出版物として世に出ているものは「公知」と言えますし、それは共有されるべきものです。WEB化することで広く皆がアクセスできるのは素晴らしいと思いました。
 調べたところ私は知らなかったのですが、2014年1月21日に開始した「図書館向けデジタル化資料送信サービス(図書館送信)」にて、国会図書館がデジタル化した絶版本など131万点が、全国の公共図書館や大学図書館で閲覧可能になった、というニュースを見つけました。図書の他に博士論文なども対象だったようです。当時の著作権法改正によりそうした展開が可能になったという背景がありました。実は最近でもこの3年間で4度の著作権法改正が行われたそうです。コンテンツの形態が多様化する現代においては絶えず改良していかなければいけない法の1つです。(国立国会図書館の著作権にかかわる注意事項はこちら
 余談ですが、当時は国際子ども図書館という名前ではなかった気がするのですが思い出せない。ご存知の方がいたら是非コメント下さい。

事例4:2121年 Futures In-Sight展 @21_21 DESIGN SIGHT

公式サイトより

 六本木ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催中の展示です。60を超える作家が参加している本展で、当社は青木竜太さんの作品に協力させていただいております。まだまだ会期はありますので、六本木に御用の際は是非お立ち寄りください。展示概要は上記リンクより御覧ください。以上、宣伝でした。

事例5:バベルの住宅

 アーキロイドnote初の創作連載企画が始まりました!今回は作家さんが書いています。現在2話まで出ています。是非マガジンをフォローして続きをお待ち下さい。以上、宣伝でした。

おわりに

 最後までお読みいただきありがとうございました。振り返ると今週は社内で共有される事例量が多い週でした。本noteも幅広い事例だったのではないでしょうか。とはいえ5分の2は積極的宣伝で恐縮です。ここ数回はギリギリ金曜日(23時台)に出すことが多かったのですが、今週は余裕があって嬉しい筆者です。みなさま良い華金を。ぜひ最後に「スキ♡」をお願いいたします。

「今週、社内で話題になった事例」 について
株式会社アーキロイドの社内で話題になった事例(ニュース、リリース、書籍、動画、論文などなど)のうち、いくつかをご紹介します。元記事の配信時期は必ずしも今週とは限りません。数ヶ月前、数年前のものもあるかもしれません。

社外にこれを発信することで、
①アーキロイドメンバーが日々どのようなことに目を向けているのか、を知ってもらいたい。
②せっかく読んでもらえるなら有益な情報をお届けするために、自分たちの情報感度をもっと高めていきたい。
という目論見があります。

メンバーも大半が30代に差し掛かってきたので、備忘録という意味合いが一番強いかも。ご笑覧ください。

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