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一級建築士設計製図試験フォルダ

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出題のあり方や問題文の読み取り方、課題建築物の考察など
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2020年5月の記事一覧

一級建築士設計製図試験の地盤条件の判断において、学科で学ぶN値の知識をしっかりリンクしよう

一級建築士設計製図試験の地盤条件の判断において、学科で学ぶN値の知識をしっかりリンクしよう

1.学科試験から得られるN値の知識以下は、学科Ⅳ(構造)の問題の記述で、適当なものになります。適当である理由は、下記【参考資料】を参照して下さい。

ここで学んでいるはずのことは、設計製図試験における地盤条件から支持層を判断する材料になるはずですが、学科試験と設計製図試験が頭の中でリンクできていない現実もあるように感じています。

<平成28年>
標準貫入試験のN値が10程度の粘性土地盤は、地上6

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一級建築士設計製図試験の設計与条件は、ネガティブリストなのか?ポジティブリストなのか?

一級建築士設計製図試験の設計与条件は、ネガティブリストなのか?ポジティブリストなのか?

ネガティブリスト
原則的に規制のない中で、規制するものを列挙した表。
ポジティブリスト
原則的に禁止されている中で、禁止されていないものを列挙した表。
(広辞苑より)

建築基準法に当てはめると、法第48条(用途地域等)による法別表第二の建築することができる建築物が掲げられている第一種低層住居専用地域から第一種中高層住居専用地域までと田園住居地域がポジティブリスト、建築してはならない建築物が掲げら

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一級建築士設計製図試験における「等」の解釈を困惑させる標準解答例

一級建築士設計製図試験における「等」の解釈を困惑させる標準解答例

問題文をどう解釈すべきかの答えは、日本語表現に曖昧さが残る場合には、標準解答例に示される解釈の仕方から読み取るしかないこともあります。

令和元年再試験(12月実施)の問題文にある特記事項を、標準解答例②に照らして考察してみます。

1.作業机、椅子、流し等を設けるの解釈アトリエA・B、C・Dに関する特記事項に焦点を当ててみると、以下のようになります。

・創作活動の場として利用する。
・作業机

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一級建築士設計製図試験において受験者の心理に入り込む出題者への過度な忖度

一級建築士設計製図試験において受験者の心理に入り込む出題者への過度な忖度

設計与条件をどう解釈するかによって、その先の計画の選択は大きく違ってくるものです。その解釈により、自分自身で設計にかなりの縛りをかけてしまうこともあれば、逆に設計の自由度を自身に与えることもあり得ます。

令和元年の本試験(10月実施)と再試験(12月実施)に共通していた以下の留意事項について、それぞれの標準解答例と照らしながら、解釈と忖度という観点から考察してみます。

<令和元年問題用紙に記載

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