羅針盤

ドラマーだけど、勝手に自分のバンドの歌詞解説してみる回【羅針盤編-1】

僕はドラマーで別にバンドで歌詞を書いているわけでもなんでもないんですが、今日は自分のバンドの歌詞を真面目に読解して、その内容を紐解いていこうと思います。

今回読解を進めていくにあたて共有しておきたい点が2つほど。

先程もいいました通り、僕は作詞者でもなんでもないので、これから話す内容は、一切のバンドを代表しての意見ではございません。シンプルに、うちのボーカル下田さんの1ヲタクとして、歌詞を読解していこうと思います。

よって、これから話す内容が、下田さんの考えと一致しているかどうかは、全然わかりません。下田さんごめんなさい。

そして、歌詞はあくまでそれ単体の言葉を元にして読み解いて行こうと思います、

まずは、一行目から。

大それたこと 言えるぐらいに
能天気なら 幸せだったろう

ここは主人公が、分かりやすく「野心家!」みたいな性格で、何でも周りを気にせず行動できれば楽なのになぁって思ってる感じ。僕は「羅針盤」は全体的に、夢をひたむきに追って行く姿を見せる気恥ずかしさや大変さと、それをめぐる自意識の話なのかな~と思っています。

散らばった温もりに 飢えた獣が
分かれ道の真ん中 血走った目で睨んだ

この部分がもろ自意識の話だなぁという感じです。「もっと優しい言葉を、もっと温かい視線を」という、継続して活動していく上で、つい反応を求めてしまう自分の心。そんな反応が来るかどうかなんて無視して進んで行きたいという2つの気持ちの葛藤。それこそが、「分かれ道」なのではないかと思います。そして、その2つの心の間で、揺れていることそのものが、「分かれ道の真ん中」ということなのではないでしょうか。

揺るぎない心が示す先を行け
「誰のせいでもない」
そう言い聞かせて 歩き出したんだ

そしてこの1番サビ。そんな「反応の多さ」なんて目指さずに、自分の揺るぎない信念をぬらぬいて進んでいきたい。その思いが現れている「誰のせいでもない」かなと思います。


「誰のため」でも「誰のおかげ」でもなく「誰のせいでもない」となっているところに、まだ、何も成し遂げていない自分をしっかりと目を離さずに見つめていこうという決意が感じられて、とてもしびれます。

愛情にすら気づけないから
もうやめにしよう 気が狂いそうさ

ここでもまた、自意識の話。反応を求めるあまり、自分のこと、ひいては自分のやりたいことを見失ってしまうときも主人公にはあるのかもしれません。でも、そんなことを繰り返しているうちに、愛情にさえ気づけなくなっていることを自覚した主人公は、「もうやめにしよう」と口にします。

自分を好いてくれている人の愛にすら気づけなくなってしまうのなら、自意識なんてもう捨ててしまえ、と主人公がちゃんと自意識との決別に向かいます。

幸せの数だけ 息苦しくて
ひとつずつ切り捨てた後に残ったユートピア

この部分が個人的にこの曲の歌詞の中で一番好きなところです。
ここでいう「幸せ」は、誰かの叶えた幸せや、誰かが定義したカッコつきの幸せです。この部分は、誰かの決めた「幸せ」や既存の価値観だらけの毎日に息苦しくなってしまった主人公が描写されている部分だと思います。そんな、既存の価値観を一つ一つ、「これは自分とは違う」と切り捨てる。その後、残るのはまさしく「揺るぎない心が示す先」、誰もかなえたことのない自分だけの幸せなのです。

でも、一見明るいように見えてこの部分が切ないのは、一つ一つ切り捨てた価値観の中に自分の幸せはないので、その「ユートピア」には自分ひとりしか存在できないかもしれないということです。ある種、価値観のディストピアとして、このユートピアは存在している訳です。泣ける。

(後編へ続く)

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