「軽音楽」は蔑称なので呼び方を変えたほうが良いと思う話
多くの学校で軽音楽部は虐げられています。
現状と軽音が僕にくれたもの
自分の地元の他の高校では、そもそも部の開設が認められなかったり、場所がなかったり、いちいち活動の報告が必要だったり、そもそも学校がバンド活動をすること自体を認めなかったりと、強い疎外感、排斥感を感じるエピソードが多く聞こえてきました。
自分の通っていた高校は、幸い「練習する場所は校内にない」ぐらいのもので、活動に関しては、ちゃんと頑張っていれば好意的に捉えてくれていたし、テーマソングに在校バンドの曲が使われたりと、恵まれた環境でした。
もし、自分が活動そのものが認められないような学校に行っていたら、今とまるっきり違う人間になっていたと思うほど、高校での軽音楽活動は大きな存在でした。
前の記事でも書いたとおり、自分にスクールカーストから抜け出すきっかけをくれたのも、軽音楽活動です。
やっていなかったら今でもその中から抜け出せずに、いい意味で周りの人間を他者と割り切れない「給食臭い」(僕は最近いくつになってもスクールカースト的な価値観の人をそう呼んでいます。)大学生になっていたと思います。
たくさんの学びを得られる立派な活動なのは事実です。でも、どうしても「ロック」そのものがカウンターカルチャー、反逆や反体制の文化なのもあってか、未だに「不良」の文化、「チャラチャラしたもの」と思っている教師や大人も多い現状があります。
そんな現状を変えるために、何が必要か。
僕が言われて、高校時代に自分に常に言い聞かせていたのは、
「自分がちゃんと活動することで周りに『そんなことない』というのを発信していくことでしかイメージは変わらない」
ということです。
「名前」が変われば、「中身が変わる」
でも、最近それを否定するわけではないのですが、僕は「名前」の影響も大きいのではないかと思い始めたのです。
「オカマ」「オナベ」「ホモ」「レズ」とよぶことをやめてちゃんと「性の多様性」を意識するようになったように、
「看護婦」と呼ぶことをやめて「看護師」と呼ぶことで男女平等の考え方をベーシックにしていったように、僕はもはや「軽音楽」は蔑称なので名前を変えた方がいいと思うんです。
「軽音楽」のようなもはやマイナスイメージがこびりついた言葉の中で活動していても、意識は高く持つのは難しいんです。
名前は、誇りや内部の意識の高まりにつながります。「学校の名前を背負って」と運動部はよく言うしよく言われるのに、僕らは「軽音」と呼ばれるだけ。
と思う方、それ自体が僕はもう立派な蔑視なんじゃないかなと思います。
「閃光ライオット」などのオープンなコンペティションや、軽音楽連盟の発足など、もう軽音楽活動は立派な高校生、中学生の自己表現の活動として成り立つことを示した場はもうあるわけです。
この当たり前に競い合って評価される風潮もっと広まっていくといいなと思います。
吹奏楽団、軽音楽団?
よく、軽音楽と比較されるのは吹奏楽部です。僕も中学生は吹奏楽部で打楽器をやっていたので高校入学当初、吹奏楽部に勧誘されました。
そこで「軽音やろうと思ってます」と先輩に断る旨を伝えたときに返ったてきたのは
という言葉でした。
そっから「俺がうまいって言わせてやる」的な反骨心で活動を頑張ったのは事実なんですが、ここで僕は初めて「舐められてんなぁ」と思いました。
吹奏楽部に比べれば、体系的に基礎練習ができていない人もいるかもしれない、合奏での顧問からのフィードバックもないから、アンサンブルは劣っているかもしれない。
でも僕は軽音楽の練習の質はノウハウの共有でなんとかなると思っているし、そのためにはまず「高い意識を持った集団」を作るのが大事だと思うんです。
そのためにやっぱり大事なのが、名前。
吹奏楽は、吹奏楽団という名前で活動を進めていっていますが、どこに「軽音楽団」という名前で活動しているバンドがあるでしょうか。
外にも通じる名前として「バンド」を名乗って「バンド部」として各地の同世代と切磋琢磨できるようになれば変わると思うのです。
むしろ僕は
「予選があって、ちゃんとコンクールがあって、パートと合奏という2重のフィードバックのある吹奏楽部のなんと恵まれたことか」
と思っていました。もっと盗めるところがあると思います。
これからの「バンド部」の話をしよう
そして、最後に僕が提案するこれからの軽音楽部、「バンド部」の活動の話を。
まず、多くの場合、複数のバンドが在籍するため吹奏楽部のように1バンド1顧問で管理するのは絶対無理です。
むしろそうするとバンド部でしか得られない学びを損なう気がします。
僕が高校3年間のバンド活動で得た学びは、人付き合いとチームでの自主性です。
中学の時の吹部では全てやってもらっていた活動資金の管理とスケジュール管理を全てやった上で、お客さんを呼ぶのも自分たちなのがバンド部です。
この経験から得られるものは、他のどの部活にもないものだと思っています。
また、学校の枠どころか、ライブハウスなどで世代も超えた出会いがあるのもいいところだと思っています。
こういった強みを消さないためにも、
だと思います。
発信活動で、超えてはいけない一線をちゃんと示してくれる、できればSNSや音楽活動の勉強もちょっとしてくれる人がいいななんて思ったり。
最後のは高望みですが。
全国のまだ「軽音楽と呼ばれている」活動をしてる高校生が、リアリティのある自主性と、給食臭くない、スクールカーストから脱した大学生になれる学びを得られることを願って今回は思うがままに書かせて頂きました。
いつか、
まだ「軽音楽」っていってた頃にこんなこと言ってる人がいたんだー
ってこの記事が読まれますように。
ではまた。
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