霰地

史学科卒の日本史知らず。 枕草子から平安時代(沼)へ。 とりとめのないことを書く。※ヘ…

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史学科卒の日本史知らず。 枕草子から平安時代(沼)へ。 とりとめのないことを書く。※ヘッダー:広瀬菊雄 編『千代紙集』出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」

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  • 大河ドラマ「光る君へ」感想

    2024年1月7日スタートの大河ドラマ「光る君へ」を見ての感想です(ただの箇条書きつぶやき)

  • 行成と繁子

    「御匣殿騒動」をメインに行成の繁子への対応についてのあれこれ

最近の記事

「光る君へ」 第17回 うつろい

病から回復したまひろ、乙丸から道長の寝ずの看病を聞く。道長、救い小屋を作るべきと道隆に進言するも相手にされず。為時がまひろに道長との関係を問う。登華殿では道隆昏倒。不測の事態に備え、定子が伊周に内覧の地位を薦める一方、女院詮子は次期関白には伊周ではなく道兼を望む。そして道隆の最期の時が迫る……。 【今日の行成】 本日のセリフ「さぁ?」以上! 今回のラストが長徳元年4月だったけど、この年の8月29日に俊賢の後任として蔵人頭になるんだよな。果たして次回2S場面あるか!? そう

    • 「光る君へ」 第16回 華の影

      石山詣で逆ギレのさわ。登華殿では主上・定子様と三納言、伊周が雪遊び。初登場隆家だけが醒めた目で見つめる。後日、主上と中関白家の和気藹々場面に東三条院詮子(いつの間にか女院設定に)が登場、苦言を呈するも伊周が応酬。 巷には疫病蔓延、まひろのかつての教え子も罹患。看病するまひろも感染するが、そこへ現場視察の道長登場!!倒れ込むまひろを抱え為時邸へGO、寝ずの看病をするのであった。。。 【今日の行成】 従四位に昇進して黒袍の束帯姿が見られたのは良かったけど、なに、音声解説「帝に

      • 「光る君へ」 第15回 おごれる者たち

        タイトルがもう出オチ。 中宮となった定子様とついにご成体になった一条天皇。なぜか公任邸に居着く道兼は道長の説得を受け入れ心を入れ替え、内大臣に。ききょう定子のもとに出仕。道隆・伊周の「おごり」ぶりあれこれ(タイトルにするほどだった?)。雅信死去。まひととさわは石山詣で寧子と出会う。道綱大勘違いによりさわとまひろの間に溝が(なぜ??)。 【今日の行成】 さて例によって雑な感想を。その前にどうしても… ……一条天皇!!見た瞬間、ドラマに関するもろもろの「??」な点の80%は

        • 「『小右記』と王朝時代」より

          『公卿から「愛子」を「附属」される実資』について 「『小右記』と王朝時代」はこの種の専門書かつ吉川弘文館の本にしては(!)素人にもとても読みやすく、面白い一冊だった。収録の論文はどれも(内容説明にある通り)「記主実資に多様な視点から迫」っていて新鮮だった。 今日はその中でも興味深かった『公卿から「愛子」を「附属」される実資』(下向井龍彦著)について紹介。 まずここでの「附属」とは養育形態であり、元服までのある期間「愛子」を引き取り、養育することを言う。 「附属」の特徴は以

        「光る君へ」 第17回 うつろい

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        • 大河ドラマ「光る君へ」感想
          17本
        • 行成と繁子
          6本

        記事

          「光る君へ」 第14回 星落ちてなお

          ばったり真正面遭遇したソウルメイトだが、そのまま別れる。兼家ついに出家、死去。後継は道隆に決まり、道兼は荒れ繁子に愛想を尽かされる。明子は流産をきっかけに道長の優しさに気づく。 道隆は伊周を出世させる。伊周の妻選びのための歌会の賑やかしにまひろと清少納言も招かれる。まひろは読み書き学習継続中。道長は道隆の「独裁」の前に何もできない自分をもどかしく思う。道隆は定子を中宮にする。 【今日の行成】 「実の父上の喪にも服さぬ道兼様はあまりでございます。」 「普通に考えれば、定子様を

          「光る君へ」 第14回 星落ちてなお

          「光る君へ」 第13回 進むべき道

          前回から4年が経ち永祚2(990)年、正月一条天皇元服。そしてついに定子が入内する。兼家に老いの兆候?道長の妻となっていた明子が呪詛開始。まひろ家の窮状を知った倫子が娘彰子の指南役を打診して来た。まひろと道長は気まずい再会をする。 【この時点での主な登場人物の官位】 ・兼家…太政大臣(従一位) ・道隆…内大臣 兼 左近衛大将(正二位) ・道綱…右近衛中将(正三位) ・道兼…権大納言(正二位) ・道長…権中納言 兼 右衛門督(正三位) ・実資…参議(正四位下) ・俊賢…右少弁

          「光る君へ」 第13回 進むべき道

          「光る君へ」 第12回 思いの果て

          まひろへの腹いせか父に左大臣家への婿入りの話を願い出た道長。兼家から打診され躊躇する雅信だが、当の倫子と妻の乗り気で押し切られる。 まひろは宣孝から実資との縁談を勧められ、正妻へのこだわりを批判され、道長との関係を考え直す。妾でもいいと伝えようとしたが倫子との結婚話を言われ、言えずに終わる…。 【今日の行成】 道長とマンツーマンでかなのお稽古。「お上手になられました」 音声解説「手元を覗く行成の顔が近い」w 筆運びの練習に手まで取ったらどうしようかとハラハラした。。。 てこ

          「光る君へ」 第12回 思いの果て

          「光る君へ」 第11回 まどう心

          まひろ、為時の復職のために倫子、兼家に直談判するも叶わず。その兼家はあからさまな身内優先の人事発動。唐突に長女超子とその子冷泉天皇の遺児居貞親王(のちの三条天皇)が登場する。そしてついに一条天皇が即位する。 道長とまひろはまた逢瀬。しかし道長は最後は逆ギレし、夜中の廃屋に呼びつけた女を置き去りにして帰ってしまう。 【今日の行成】 “F3”、前夜の退位劇についてのヒソヒソ。 驚く斉信と公任に「まことに…」と相槌を打つ行成。まことに、ですか…w 完全に他人事だ。というかこのドラ

          「光る君へ」 第11回 まどう心

          「光る君へ」 第10回 月夜の陰謀

          ついに「寛和の変」の回!道長は“ファミリービジネス”に戸惑いながらも結局は父のシナリオ通りに動く。まひろとの一夜で自分が目指す役割を自覚したためか。 だが今回も功労者の不動の一位は道兼。哀れ花山。あとの祭り。 そして時代はいよいよ一条期へ…! 【今日の行成】 1週間ぶりに出た!けど、なぜか道長から和歌、漢詩の解釈について相談される。 毎度のことながら「なぜここで行成の登場が必要なのか?」 漢詩や和歌なら公任や斉信の方が適任だけど、あれこれ詮索されるから口か堅くて真剣に考えて

          「光る君へ」 第10回 月夜の陰謀

          「光る君へ」 第9回 遠くの国

          今回〜次回あたりは前半の山場らしい。兼家がついに自分と晴明の策略を子供たちに告白。そして直秀の最期が耳目を集めることに。 自分としては花山天皇退位へのカウントダウンが始まったことで、天国から地獄の「史実」のしんどいストーリーがもうすぐやってくる方に落ち着かない気分。 【今日の行成】 さて例によって雑な感想を。 今さらだけど、この艶かしいOP映像、最後までずっとこれなんだよね。今は(特に来週は)ともかくこの先にはなんだかそぐわないような気がするけど。 今回も寛和2年(9

          「光る君へ」 第9回 遠くの国

          「光る君へ」 第8回 招かれざる者

          今回の目玉は何と言っても為時にまひろに花山にと八面六臂の活躍の道兼。 義懐の独裁(創作!!)に物申した兼家が突然倒れたところから何かキナくさい展開に。急に道兼が為時に近づき始め、為時、花山と道兼を引き合わせてしまう。 これは例のXデーへ(かつ一条期へ)のカウントダウンに入ったということか。 タイトルの「招かれざる者」、道兼のほかに直秀のことも指してる? 【今日の行成】 東三条殿での打毬の打ち上げに試合欠席の行成も呼ばれている。 「その折はありがとうございました。助かりました

          「光る君へ」 第8回 招かれざる者

          番外編 「枕草子周辺論」より

          ここのところ「枕草子周辺論」(下玉利百合子先生)からの話が多い。 この本、本当に面白くて、今のところ取り上げたのは「御匣殿騒動」だけだけど、いずれまた別の記事について書きたいと思ってる。 出来事を時系列に並べての詳細な検証や解説はすごいボリュームで自分にはちょっと手に余るんだけど、理解半分にしてもパラパラ斜め読みしてるだけで楽しい。 (こんな読み方でいいのか…?😅)。 先生の執筆意図とは軽薄にかけ離れてしまうけど、ここではお気に入りの箇所を少しだけ切り取ってみたい。 行成を

          番外編 「枕草子周辺論」より

          「光る君へ」 第7回 おかしきことこそ

          ☝今更だけど、毎回一応源氏物語の絵は選んでるんだけど、結構適当です。。 * * * * * 忯子がお腹の子と共に死去し、全てにやる気が失せる花山。一方で特進昇級の義懐と他の公卿たちにはかなりの軋轢が。まひろは道長を忘れるため、散楽の脚本に挑戦。道長を忘れるため(避けるのではなく)、姿を見ても平気になるよう打毬を見に行く※ 偶然、公達たちの女性観を立ち聞きし、改めて決別を決心し文を焼く。 【今日の行成】 今日のセリフは「さようでございますな」のみ!キー! 打毬シーンでア

          「光る君へ」 第7回 おかしきことこそ

          御匣殿騒動 その四 おわりに

          繁子に対しての行成の一連の行動の根底には、自分こそ嫡流の嫡流(師輔ー伊尹ー義孝ー行成)というプライドがあるように思える。 一応同じ九条流とはいっても末流(繁子は伊尹の異母妹にあたるが、母は不詳)の繁子が天皇の乳母、従三位など権力を持ち、大きな顔をしているのを苦々しく思っていたのだろう。 それに加えて、繁子という人が行成の苦手なタイプ(押しが強くて策略家タイプ?)だったのかもしれない。 嫌いな相手には嫌われるもの。 繁子にとっても行成は最大の苦手であったろう。繁子から見ると行

          御匣殿騒動 その四 おわりに

          「光る君へ」 第6回 二人の才女

          右大臣家から距離を置くため左大臣家に近づこうとするまひろ。奇しくも詮子「裏の手」も同じであった。 道長がメンバー表にいないので参加した漢詩の会なのに、結局道長と再会してしまう。のちの「清 少納言」(正しいんだけどまだ違和感)ことききょう、父 元輔と共に登場。ロバート実資はお休み。 【今日の行成(のセリフ)】 「明日の夜、義懐殿と公任殿、斉信殿がお会いになります。義懐殿のお屋敷で。 義懐殿のねらいはまずは息子たちを懐柔し、父親もろとも帝の一派に組み込もうというもののようで

          「光る君へ」 第6回 二人の才女

          御匣殿騒動 その三 2年前の出来事

          行成はなぜあそこまで繁子を避けたのか。 纏頭自体は通常の儀礼だったはずだから、行成が避けたかったのは纏頭そのものではなく「繁子」の方だったんだろう。 その後しつこく自宅にまで押しかけたのは明らかに繁子のやりすぎだけど、どちらも恩ある道兼の由縁者なのに正妻(未亡人)&その娘と繁子&その娘(尊子)に対する行成の態度があまりに違うのには驚く。 行成の態度からは有形無形に関わらず、繁子からは一切何も貰いたくないといった断固とした拒絶反応があるように思える。 話は2年前(長徳4年)に

          御匣殿騒動 その三 2年前の出来事