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「光る君へ」 第16回 華の影

石山詣で逆ギレのさわ。登華殿では主上・定子様と三納言、伊周が雪遊び。初登場隆家だけが醒めた目で見つめる。後日、主上と中関白家の和気藹々場面に東三条院詮子(いつの間にか女院設定に)が登場、苦言を呈するも伊周が応酬。
巷には疫病蔓延、まひろのかつての教え子も罹患。看病するまひろも感染するが、そこへ現場視察の道長登場!!倒れ込むまひろを抱え為時邸へGO、寝ずの看病をするのであった。。。


【今日の行成】

もうこんなだったよね…確かに帝は美しいけど、どこへ行こうとしてるの行成…

従四位に昇進して黒袍の束帯姿が見られたのは良かったけど、なに、音声解説「帝に見惚れる行成」って。確かに「きゅん」としてましたわ。
夜になっても心ここに在らずで「帝のお美しさが今も目に浮かびます」
F3内で行成のその手の話は公認なんだな。
今回も聞かれもしないのに話し始めてるもんな。話したいタイプなんだ。
斉信の「お前、道長じゃなかったのか」ってなにが「道長じゃなかった」んだ?
その問いに「道長様は道長様。今日は帝に魅せられました」と答える行成。
…日替わりかよ?そこは「今はもう道長様より帝です」だろう!(そこ?w
芸術家として美しいものに敏感なのはわかる。なのになんで道長もキープなの。
きっぱり乗り換えろや!(??
正気になってくれ。君の本当の理解者は主上と俊賢と少納言なんだ!
そいつは君を利用するだけなんだってば!
主上と道長の板挟みになって苦悩する行成、って後年の構図の伏線なんだろうか。
でも苦悩の理由は「どっちも好きだから」じゃないんだよ…!子供か。
…こんな役回りなら来週はコールドスリープでいいよ。。
でもそろそろ蔵人頭になるから主上とのシーンが増えて主上に傾くかもねw


さて例によって雑な感想を。

  • 994年登華殿。束帯姿の行成!!その隣にはついに最終形態隆家!!この時すでに正四位下で斉信、行成より官位が上。

  • 主上の前でガチガチな行成22歳の横でハ!と苦笑する隆家15歳w
    あまりテレビを見ないので隆家役の俳優さんも初見。当初キャスティングされてた人があまりにイメージぴったりだったのでどんなものかと思ってたけど、伊周や定子様ともどことなく似ていてちゃんと「きょうだい」に見えた!
    ほんとこのドラマ、キャスティングは素晴らしい。

  • 登華殿での雪遊び。
    雪といえば香炉峰もいいけど「宮にはじめてまゐりたるころ」もいいのに。
    前回、白昼直接ご対面しお顔を凝視してしまってるので今さら薄紅色の指先に感動する話など成立しないんだけど、定子様と伊周の「みちもなし」「あはれ」のやり取りを横で聞いてる少納言が「こんな会話をリアルにされてる方々がいるんだ!」って驚く場面、見たかったな。
    この段(176段)「我れをば思ふや」〜「はなをいとたかうひたれば」の話もあって盛りだくさんなんだけど。香炉峰が出ただけマシか。

  • あれ、行成と少納言が同じ空間にいるの初?
    でも相変わらず少納言は斉信にしか反応してなかった。。

  • そういえば今日は御簾は下がってたねw

  • みんな楽しそうな中、隆家は醒めた感じ。こういうちょっと斜に構えたキャラでいくのか。それはいいけど、白楽天を知らないアホの子みたいに描くのはどうなんだろ。武闘派?だから脳筋ぽく描くのもまた昭和テイストよね。

  • でも宴では渋々ながらもやる時はやる。上流貴族の嗜みはちゃんと身につけてるんだよな。歌って踊れるさがな者!!伊周と隆家、定子様のことと主上の笛で舞う!

  • そこに詮子。詮子登場シーンにはダースベイダーのテーマ曲が似合う。もしくはジョーズ?円融院ナレ崩御。ナレ女院。いつも何しに来るんだ?

  • 居合わせた道綱、石山詣の夜這いの件、やっぱり道長に言うための伏線だったか。ガイド本に書いてあったの、読み飛ばしてた。

  • 主上と定子様の…!!音声「唇を寄せる帝」!!
    なのにこれからというところで邪魔が入る。俊賢ー!いや放火犯!!
    今回もまた俊賢の無駄使いに終わる。シネマトゥデイの記事に「不憫にも」と書かれてた。ごめん自分も邪魔ってポストしたわ…w
    俊賢、明子の兄で一番道長と行動を共にしてた人なのにまだ全然絡みないな。

  • 思えば主上、980年生まれだからこの時14歳…もしやこの夜は記念すべき一夜になるところだったのかも(/////)。ソウルメイトのあのお茶の間にはふさわしくないシーンを濃厚にやっておいてこっちはあれ止まりなのは納得いかん。
    主上が胸元がちょっと開いた定子様に袿を掛けたのが色っぽかった/////。
    いろいろツッコミどころがあった回だったけど、思ったより主上シーンがあったな。

  • 正暦5(994)年2月17日、弘徽殿の火災。この年は小右記がないのが残念だけど、これは史実のとおり。

正暦五年(994)には弘徽殿と飛香舎の渡殿が放火されたが、すぐに鎮火してい る。しかし、長保元年(999)、各殿舎の造営の記録から弘徽殿も再度焼けたとみられる。弘徽殿の 名称は 13 世紀前半まで記録に残ることから内裏廃絶まで存続していたと考えられる。宇多天皇の 中宮藤原温子、醍醐天皇の皇后藤原穏子、村上天皇の女御藤原述子、花山天皇の女御藤原忯子、一 条天皇の女御藤原義子、後朱雀天皇の皇后禎子内親王らが居住した。
登華殿は弘徽殿の北側に位置する七間四面の南北棟である。延喜九年(909)に醍醐天皇の中宮 が遷御したと記述があり、平安時代中期初頭にはすでに造られていたとみられる。天徳四年の火災 により焼失し、備前国司に再建が割り当てられた。長和三年(1014)の内裏火災では登華殿が出火 元となり多くの殿舎が灰燼に帰したという。弘徽殿と同様に 13 世紀前半まで記録に残ることから 内裏廃絶まで存続していたとみられる。一条天皇の中宮藤原定子、後朱雀天皇の尚侍藤原嬉子、後 三条天皇の中宮馨子内親王らが居住した。

京都市埋蔵文化財研究所発掘調査報告 2015-6 「平安宮内裏跡・聚楽第跡」
2.位置と環境 (2)歴史的環境 表1(P.4)より
https://www.kyoto-arc.or.jp/news/chousahoukoku/2015-06.pdf

一条天皇はこの後の長保元年〜寛弘2年の6年間に3回も内裏火災に遭っている。

同上 P.4より一条期のみ抜粋

天変地異さえ天皇の徳がないから(で改元する)と考える平安時代ではこういう火事も同じように思われてたんだろうな。放火もそういう心理を利用してなんらかの方向に世情を誘導するのに使われたんだろう。
そういえば澤田瞳子先生の小説「月ぞ流るる」に道長が火事師を雇ってるって描写がある。三条天皇期に起こった火災(長和3と4年の2年連続)がちょうど道長が三条天皇に譲位を迫った時期と重なるからね…。
…とここで思うのは「三条期でだけ?」
例えば上記、長保元(999)年は敦康誕生の年であり(11月)、彰子入内の年でもある政治的にややこしい年。道長が定子様の生昌邸移御の日に宇治遊覧をぶつけて供奉する人員を確保できなくしたり(8月)、内裏では犬の死骸や糞、道長の宿所の板敷の下に童の死体が見つかった(9月)。(特に最後のやつ露骨すぎ。策士策に溺れる的な。「反道長勢力が道長への嫌がらせにしたこと」にしたかったけど誰もそう受け取らなかったんじゃないか?)
さすがにこの年含め一条期の火災は敦成誕生前だから少なくとも一条の譲位を迫るためではなかっただろうけど(中関白家への反発表明ではあったかも)、三条期のは「嫌がらせ」の最終形態(頂点?)として「起った」可能性はあるかも。

  • 中関白家勢揃いの席、放火は女院かも?父上を恨む人かもと笑う隆家。
    この隆家なら怖い者知らずでふざけ半分で法皇に矢を射かけるわ、と思わせるキャラ作りだな。あの事件後どう化けるんだろ。
    お隣さんの実資との交流描かれるんだろうか。

  • 道長、談判するも疫病対策に無関心な道隆にイラつく。すっかり漂白された道兼が「汚れ仕事は自分の役割だ」と悲田院へ向かう。そこに道長も合流する。
    道隆、水をやたら飲んでたな…。
    それにしても当時出来たことといえば祈祷ぐらいなもので、特別道隆が何もしなかったわけじゃないのに。

  • 道長、自分の中宮大夫としての職務果たしてから物申せ!

  • 寝ずの看病後、一夜明けて土御門殿に朝帰りする道長。それにしても赤染衛門、そんなこと露骨に聞くか?でもこの場面見て思ったけど、当時の妻たち、自分以外の妻のことをどうやって把握してたんだろう。「蜻蛉日記」では召使に車をつけさせたりしてたっけ。そうやって集めないわからなかった?

  • 今さら言うのも野暮だが…死穢については完全スルー。御簾と同じでストーリーによって出たり出なかったりするモノとなった模様。

  • 済時、重信、保光、道兼、道頼、朝光、みんな道長のせいで🙏だったんだな!
    …はっ、もしやこのドラマでは意図的にそうやってライバルを消していったという流れにするのか!?w
    保光…行成の母方おじいちゃん…🙏

  • 悲田院。道長&まひろ退場後、そういえばあそこにいた道兼どうした?置いてけぼり?…あ、道長より滞在時間長くてそれで感染したのかも。。

  • この後、せっかく関白になったのに道兼が亡くなる時、道長は「俺が悲田院のことを言ったばっかりに!」っていうシーンある?


【今日のソウルメイト】
偶然の出会い&失神、またも昭和の大映ドラマかアジアドラマかという展開。
今回はお姫様抱っこまで付けたフルコース…おかげでお腹いっぱい。
最愛の女を危険も顧みず夜通し看病する一途な男。
道長株アップを目論んだ渾身のシーンかもしれないけど(倫子、明子と妻を持ちつつも心にはずっとまひろがいた!)コロナを知った今となっては、この描写をその面からだけ見るのは無理だったな。
二人の数年ぶりの濃厚な再会場面だってことすら忘れてた。
もう今や「ウイルス運んだの道長じゃん」としか思えないもの。内裏だけじゃなく土御門殿の倫子や彰子をも危険に晒して当の本人は罹らないという最悪のケース。株を上げるどころか「元凶はお前か!!」状態。
まひろの行為もコロナ前なら無私で勇敢と思えたかもしれないけど、まず「乙丸を帰して一人でやれよ!」と思ったもん。
制作側はそう見られるかもって想定してなかったんだろうか。
目の前で教え子が死んでいくまひろの気持ちが共感を呼ぶと思ったのかな。
視聴者側との認識の相違というか、いつもの“共感”の定義違いというか。
疫病を非日常の困難(乗り越えて絆が深まるアイテム)として利用するのはまだ時期尚早だったんじゃないか。
この場面で道長をヒーローにしたくてもさすがに「感染するから口・鼻を覆え!手を洗え!三密回避!」とは言わせられないから、早々にヒーローぶりをまひろ一人を対象に発揮することにして悲田院から退散。
いくら何でも平安人の主人公に現代の衛生観念はねじ込めないもんな。
その代わり、現代の感覚で見る側が居心地悪くなっただけ。
無理筋な看病シーンを入れたばっかりに道長が感染源かもという副産物を産んでしまったけどどうする?(どうもしないw


次回予告。道隆が辛いことになりそうな中、斉信何やってんの?w
どこに白昼あんな真似をする平安貴族がいるんだ?(この予告動画には入ってない)。少納言と行成の関係は描かないつもりなんだろうか。
詮子もまた裏工作みたいなこと言ってたな。
ガイド本からちょっとネタバレするけど、気になる言葉が。「帝に甘える顔とは別人のごとく」「正気を失い始め」などなど。
病床の道隆を訪ねる俊賢のエピソードぐらいやってほしい。
来週もまた物議を醸しそうなあれこれがありそう。「うつろう」らしい…。

第17回予告 「うつろい」


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