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「光る君へ」 第17回 うつろい

病から回復したまひろ、乙丸から道長の寝ずの看病を聞く。道長、救い小屋を作るべきと道隆に進言するも相手にされず。為時がまひろに道長との関係を問う。登華殿では道隆昏倒。不測の事態に備え、定子が伊周に内覧の地位を薦める一方、女院詮子は次期関白には伊周ではなく道兼を望む。そして道隆の最期の時が迫る……。


【今日の行成】

ほ ぼ 休 み!

本日のセリフ「さぁ?」以上!
今回のラストが長徳元年4月だったけど、この年の8月29日に俊賢の後任として蔵人頭になるんだよな。果たして次回2S場面あるか!?
そういえばこの年の正月、行成は母(保光女)を失っている。さらに5月にはその保光も亡くなる(たぶん疫病で)🙏 後ろ盾が重要な平安社会で23歳にして両親も最大の庇護者の祖父も失ってしまった。
蔵人頭昇進はこんな激動の年の出来事だった。
俊賢の推薦がどれだけありがたかったかはその後、行成が俊賢の上座には絶対に着かなかったことからもわかる。仏法俊賢の霊験✨


さて例によって雑な感想を。

  • スタートは正暦5(994)年。
    道隆に「救い小屋」を進言する道長。急に大声でイキる。

  • 高松殿にて俊賢。赤子頼宗を笑顔であやす!
    頼宗は993年生まれだけど994年にも顕信が生まれてるので明子は兄のアドバイス(「せいぜい励め!」)を守ったのだろうw
    顎に手をやったガイド本の写真はこのシーンだったんだ!

  • 道長、私財を投げ打って救い小屋を作ると言い出す。
    倫子も自分の財の提供を申し出る。
    そんな個人の財源で継続運営出来んの?最後まで責任持てんの?
    お偉いさんは口で綺麗事いうだけで済むけど現場は人も集まらないし「やらねばならぬ」じゃ解決しないんだよ!
    ちゃんとこの「救い小屋」の結末まで描くんだろうね?

  • 中関白家の団欒。道隆この期に及んで酒はやめて。。
    伊周が「太政大臣の三の君」のところへ。…いよいよXデー近し
    「子が泣いて…」は道雅のこと?
    それにしても故為光の娘はモテモテだな。
    花山院に伊周に道長に、そして隆家の室になってる者もいる。

  • 登華殿。ききょうと斉信。何だかなぁ。生々しい
    情緒と「恋の駆け引き」のない世界線。
    斉信はともかく(?)少納言の描き方がなー。
    初恋の相手をずっと想ってる主人公と対比させたいのかな?
    斉信も、こんな姿よりもっと露骨に権力に追従する姿の方が見たい。
    そして実資にチクチク言われるところもw

  • 明けて995年正月、道隆、改元を奏上。2月〜長徳元年となる。
    「長徳」来ちゃったよ…!
    久々に惟仲登場。これは繁子再登場の布石か?

  • 陣定で公卿たちが批判してるのを主上が壁穴から覗く…これ、実方が行成の冠を落とした時の説話エピを思わせるな。
    「古事談」や「十訓抄」にあるやつ。こちらは壁の穴じゃなく半蔀から。
    この時の行成の冷静な対応を見て蔵人頭に登用したってことになってるけど、自分は俊賢の推薦(「大鏡」)という方を信じるぞw

  • 定子様と主上。今日は少なめ。
    公式ギャラリーの写真見て「高欄のもとに、青き瓶の大きなるを据ゑて、桜のいみじうおもしろき枝の、五尺ばかりをいと多く挿したれば」(枕草子第20段)の再現!?と期待したけど、古歌詠みも宣耀殿女御の逸話も何もなかった…。
    定子様が語る宣耀殿女御芳子のエピに主上が「自分なら3巻4巻も無理w」って笑うとこ見たかった。。

  • 詮子、道兼、道長の密談。道隆の病状について誰も心配してない。
    道長って人殺しまでした道兼には寛容なのに「身贔屓」「悪政」の道隆にやたら厳しいよな。道兼に子供の時いじめられたの忘れた?
    兼家の方がよっぽど悪どいことしてたし、自分もその片棒を担いでたし恩恵にも与かってたんじゃないのか。

  • それにしても詮子、道隆を「浮かれすぎたから〜」だの「定子に首根っこ掴まれているような帝は見たくない」だの、いちいち言葉がひどくない
    特に定子様といつの間にそんな感じになってた??
    「みんな伊周が嫌いだから」って…すごい幼稚なセリフ。
    落飾した身なのにずいぶん生臭い、下品な物言いじゃんね。渡鬼か?
    このドラマの詮子は当時宮廷の人々に成り上がりで下品と思われてた高階氏と大して変わらない。

  • このシーンで感心する道兼と道長が意味不明。BGMもちょっとコミカルで。
    いやいや、あんたら3人の方が道隆よりよっぽど腹黒いから。

  • 道隆、主上に伊周への内覧宣旨を願うが、保留にされ食い下がるも退場。
    主上は側の俊賢に問う。
    それにしても主上15歳に「若すぎる」と言われる伊周…未熟という意味の方が大きいんだろうけど。

  • 登華殿。定子様に早く皇子をと迫る道隆。こんな露骨なこと言わんから。
    病で精神にも異常をきたしてるってことなんだろうけど、このセリフ今の時代では禁句だからあえて言わせたんじゃないか。“道隆ひどい“キャンペーンの一環として「現代視点からの貶め」の新バージョン。
    予告では来週、伊周も。すでに伊周は子の夜泣きがうるさい(から他の女のところに通う)と言わせられてるけどね。

  • ふたたび陣定。
    死してやっと名前が出た朝光。他人事だけど顕光、君の異母弟でしょうに。
    みんな前の陣定の時にはもう感染してたのではと戦々恐々。
    ということは病人から「感染る病」だって認識はあるんだよね?
    道長も前回、まひろの看病の時、為時といとを遠ざけてたし。
    なのに道長は普通に土御門殿に帰ってたし「前回の陣定」にも出てよね?
    実資が「疫病が内裏に入り込んだのは関白の横暴のせい」と言った時にも特に気まずそうでもなく、もちろん白状するでもなく。
    いつもの心の声で「もしや内裏に持ち込んだのは俺か…?」とか言わせなよ!
    悲田院はまひろとの「偶然の再会」演出の道具だから、疫病自体の影響のこと全然詰めてないよね、ほんとご都合主義だなー。
    ヒロイックなシーンとして安直に入れるから後でこうボロが出る。

  • 今度は伊周を関白にと談判しにきた道隆。
    音声解説がひどい「よたよたやってきた道隆」…
    御簾の中に入ろうとして俊賢に抑えられる。怯える主上。。。
    それにしても今日は俊賢デーだったな。
    「今日の俊賢」が成立しそうな露出量だった!
    道隆と一緒のシーンも多かったんだから「重い病気にかかったときこそ、やはりこういう美貌が必要なものだとつくづく感じたよ」(大鏡)とどこかで言わせて欲しかった。

  • ついに道隆、薨去。
    貴子に看取られたけど、伊周や隆家はなんでいなかったんだ?
    そしてXでも話題だった「なぜ最期に妻の歌を詠む」問題w
    兼家もそうだったけど、単に有名な歌だからだろうな。何事も安直わかりやすい脚本からすると。でも変。
    一条天皇は自分の歌があるからさすがに定子様の歌は詠まないよね。


【今日のソウルメイト】
まひろ、乙丸から道長の看病のことを聞く。その後、道長から遣わされた百舌彦とも再会し「あれは7年前の約束を果たそうとしてるの!?」と想う。
道長の世直しの最終目標って「まひろの望む世を作る」なんだよね。超限定的w


今回。ガイド本であらすじを読んだ時から「は?」の連続だった。
NHK版から拾ってみよう。

「…兄である時の関白・道隆に拒まれたので私財を使うことにした。」
「定子は、天皇の前では決して見せない策略家の顔で語り、伊周を驚嘆させた。」
天皇を意のままに操れなくなっていることに、道隆は打ちのめされた」

なに、このいちいち棘のある書き方。
同じ摂関家の一員なのに道長だけをああも意識高い“系”正義漢に描く手法、今さらながらひどい。これから道長が変わっていく過程のために今持ち上げてるとしても、ここまでひどく描かれた道隆のイメージはどうしてくれる。
道隆役の俳優さんに「ヴィラン」と言わせるなんて…。
平安時代の歴史や文学に少しでも興味があったらこんなモノは作れない。
そういう意味ではつくづく自らに誠実な脚本家さんだと思う。
しかし。一流の現場スタッフや俳優、セットという最高の舞台に加えて考証に倉本先生まで揃えてもこんなことになりうるんだな〜。
もしかしたら我々は壮大な社会実験に立ち会っているのかもしれない。

そういえば以前、脚本家の「セカンド〜」をちらっと見たんだけど、途中リタイヤ。
主人公二人の恋愛ぶりに胸焼けしたし、なにより主人公に嫌がらせをする大御所作家や妻の下世話さ、策略家ぶり、粘着質ぶりが無理だった。
さすがに“大河”ではもう少し薄味になるかと思ってたんだけど、あれはもはや作風なんだな。詮子のキャラ設定によく表れてたな。他にもちらちらと。
「功名が辻」ではどうだったんだろ。
やっぱり原作があればある程度タガとして機能したんだろうになぁ。

ともかく、道隆。もう貶められることはないので安らかに。
さて次は伊周か…。

* * * * * * * *

そういえば今週話題になってた有名俳優さん出演のうわさ
それでこういう記事が約1年前に出てたのを思い出した。

でも今年1月、この女優さんの結婚・妊娠に絡んでこんな記事も。

「賢子はおそらく、ドラマ後半から登場する重要なポジション。準主役級でもありましたが、このままいくと、黒島のお腹が大きくなっていく時期と、撮影時期がかぶってしまう。大河ドラマは普通の連ドラに比べてハードスケジュールで長丁場なので、諸々の事情を考えると、降板になることはほぼ確実でしょう」(同・記者)

まいじつ/2024.1.19の記事

「まいじつ」って週刊実話のとこか。芸能情報には疎いので誰が演じるかはともかく、とりあえず賢子の出演は確実と。
大人の女優が演じるということは今の進行具合からするとどこかで数年飛ぶってことか。
ということは、うわさの俳優さんは兼隆役(道兼次男)??
兼隆はとっくに生まれてる(985年生まれ)けど繁子離縁以降、道兼の家族は全く登場してない。なのに終盤で唐突に出るのもおかしいし、道兼退場までの間に子供兼隆が出てきたとしたらうわさの人の役柄だとバラすようなものだし。
「まひろにとって」重要なら兼隆でもおかしくないけど「ドラマにとって」だと兼隆がそんなに重要とは思えない。
後冷泉天皇役だと賢子は55歳くらいだから若手女優の起用と合わないな。
道長が追い出した三条天皇の孫、後三条天皇役としてだったら面白いけど道長のドラマで摂関政治を終わらせた天皇は出さないか。


あと残り31話らしい。もう折り返したのか。
正直、中関白家と定子様が出なくなったら「どう描かれるんだろう」と言う心配事からは解放されて気楽に見られると思う(隆家は次は活躍の場だし!)。
一条天皇と行成の行方だけに注目していればいいのだから。
この二人は中関白家ほどには悪く描かれないだろうから。

第18回予告 
あの道兼も道長側についた途端「民の為によい政をと奮起」なんて書かれちゃうんだね。ほんとわかりやすいな!伊周がすごい形相してたみたい…。


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