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『シン・仮面ライダー』~戦いと苦悩でトコトン疾走する121分!※ネタバレあり

 『シン・仮面ライダー』。こう来ましたか!

 昨日は18時から最速上映だったものの、あいにく交代勤務が遅番。何というタイミングの悪さ。昨晩はネタバレを防ぐためTwitterにも触れずにいたたため、非常にもどかしかったです。ようやくその想いを晴らせてホッとしてます。
 とはいうものの、自分は初代『仮面ライダー』にそこまで特別な思いを抱いてません。そもそも本編の視聴回数もそこまで多くはなく、観た話数だけカウントしたら続編『V3』の方が上です。石ノ森章太郎先生の原作は読んだものの、それ以外は本編に関する諸々の情報を知っている程度。それでも十分ヲタクだとは思いますが、特撮好きを自負しつつも仮面ライダーに関してはその程度に留まってます。そんな自分がこの映画を観て、果たしてどんな感想になるのか。そう思いながら、足元の悪い中で映画館へGO。


 121分後。
 マジか、そうくるか。

 自分が「初代ライダーについて何となく知っている情報」をことごとく押さえてきてるじゃないか。
 テレビ版も、そして原作漫画も、いやそれどころか石ノ森章太郎先生の作品に対するオマージュがあちこちに散りばめられていた。

 冒頭からいきなり変身して否応なしにバトルへ突入。観ている側を「え、いきなり?!」という気にさせておいてから、主人公・本郷猛の
「これは……この人を殺せるほどの力は何だ? 一体俺はどうなっちまったんだ?!」
と悩める姿を描きます。思い返してみると、この時点でもう自分の戸惑いと本郷猛のそれとがシンクロしてるのに気付かされます。瞬く間に世界観へと引き込ませるやり方は、強引さを感じつつもなかなかのモノ。
 後はもう、なぜ本郷が改造人間になった(させられた)かをストーリーの中で少しずつ明かしつつ、図らずも戦う使命を負うことになった彼の苦悩、本郷を支えるルリ子の目的、そして敵組織・ショッカーの恐るべき陰謀を嫌というほど見せる。いや、見せつけてくるといったほうがいいか。

 そしてひとたびバトルが始まればトコトンまで戦います。しかしそのバトルは基本的に殴る・蹴るなのです。最近の仮面ライダーみたいなアイテムとかが一切無いんです。コマンドなんぞもありません。いうなれば、VFXを駆使した昭和の肉弾戦、としか言いようがない。だって本当にそうなんだもの! あのアクションを徹底的に格好良い画へとブローアップしてくれたのは良かった。とはいえ、まさかラスボスとの戦いがああも泥臭い展開になるとは。何とも対極的。

 全体的な雰囲気としては、主人公が苦悩しつつも「誰かのために戦う」ことに目覚めていく流れなので『シン・ゴジラ』のような畳み掛ける感覚は無いですが、極端に外すこともなかったような気もします。シンゴジがキレッキレに見えた自分からすればむしろ大人しい部類の作品です。いや、見る人が見れば趣味丸出しに見えるのでしょうけど、自分の知る知識で解釈出来るのはここまでです。それが良かったのか悪かったのか。しかし仮面ライダーを何となくでもいいから知っている人には、案外丁度良いと思います。

 それにしても小ネタが多いこと。あくまでも知ってる範囲ではありますが「全く、憎いことしてくれるわ」と思わせてくれるカットがチラホラ。冒頭に出てきたダンプカーからしてアレだもの。その四文字を出すか!と。おまけにああまで石ノ森章太郎要素が多いとは。自分は物の見事に「ケイ」「イチロー」という言葉に釣られたうえ、ショッカー首領の元ネタもつい数ヶ月前から配信開始したアレですよね、絶対!
 やっぱり庵野監督のヲタっぷりは只者じゃない。

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