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『面白すぎて時間を忘れる雑草のふしぎ』稲垣栄洋(2023)|読書感想文

【本の紹介】 夏の今の時期、庭に伸び放題で私達を悩ませる雑草ですが、よく見ると個性豊かで、生き延びるためそれぞれ異なる戦略をとっていることが分かります。もしかしたら人間にも役に立つ知恵が隠されているかも。


感想

お花畑の正体

春になると一斉に咲いて黄色の絨毯をつくる菜の花。私の近所では川岸に咲いていることがほとんどなので、てっきり、景観のためにわざわざ群生させているのかと思っていました。しかし、この本によると群生するのは虫に花粉を運んでもらうためだそうです。群生しないと上手に花粉が運べない虫のために進化して、今のような色形になったそうです。人為的とか人間のためかなとか、すごく自己中心的な見方だったなと反省しました。

進化するとは

少し前に『意識と目的の科学哲学』という本を読んだのですが、その中に、目的あっての進化か、進化したらうまく行っただけなのか、みたいな話が出てきていました。この本に出てくる植物も様々に進化していて、その進化が理にかなっている様に見えるものもあれば、なぜそういう進化をしたのか謎のままのものもあります。進化が人間が考える合理化だけでは、説明できないのもまた不思議で面白いなと思いました。

図鑑ではわからない

庭に生えている雑草だけでもたくさんの種類の植物があります。同じような環境に生えているのにこんなにも姿形が違うのが不思議です。子孫を残すためのに完璧な一つの答えなんてないのですね。そして、図鑑にのりきらないくらい目に見えるところ、見えないところが異なっていて種類の多い植物、多様性とはこういうことなのだなと思いました。

最後に

身近な自然科学の本として、最近何冊か植物についての本を読みました。人間と同じ土俵で語れるわけではありませんが、同じ地球に住むものとして植物のことを知っていることは悪いことではないと思います。そして、もしかしたら、私達が本を読んで誰かの考えを知り、人生を豊かにしていくように、植物からも学ぶものがあるかも知れません。

今回の本

短いので暇つぶしにもちょうどよいです。

おまけの1冊


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