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お客様の悲しい一言

当店で、若いメンズのお客様は珍しいのですが、それでも一度ご来店いただくと、ほとんどの方が長く通ってくれてらいっしゃいます。
先日も、男同士特有のくだらない話しや、恋愛に関する話しをしながらカットをさせて頂いてましたが、実は喉に違和感があり病院に行くと、潰瘍ができていたことを話しはじめられました。

若いのに喉に潰瘍なんて、独身の一人暮らしでは、さぞかし怖かっただろうと思い、心配の言葉をかけると

「自分一人なんで、死んでも別に…」

という、なんとも悲しい言葉が返ってきました。

もー!そんな悲しいこと言わんとー!!と、茶化してみたものの、自分も、妻と犬がいなければ、きっと年中無休で働き、ろくな食事も摂らずに病気になり、はやばやと死んでいたかもしれないと思い、それも正直にお客様に伝えました。

男なんて弱い生き物なので、誰かの支えがなかったり、守るべき、守りたい存在がなければ、自分の存在価値も意義も見出だせない生き物なのだと、常々思っておりましたが、お客様を通じそれをリアルに感じました。

自己肯定感や、自己重要感がとても大切だと世の中では騒がれていますが、騒がれるようになる何年も前から、心理学でそれを学び、その重要性は痛感していて、それを高める努力はしてきていたつもりでしたが、自分はもしかしたらどんどん弱くなっていってるのではないのだろうか?

そして、若者が夢を持って叶え、楽しい毎日を生きれる世の中を作れていない大人の責任とも思いました。もちろん自分を含めて。

自分は守るべき、守りたい存在もあり、仕事も楽しく、また新たな挑戦にも取り組んでいますが、これからその挑戦は、美容師という職業に固執するものではなく、もっと本質的なものができたらな…と思っております。


ここからは更に個人的な思いが強く反映されますが、現代は暇を潰すものが多すぎ、そのクオリティーも低くなっている気がします。
そのエンターテイメントを消費することだけに囚われて、ほんとに観るべきものが観れていなかったり、感じ取るべきことが感じ取れなかったり、その年齢に応じて経験するべきこと、経験しておいたほうが生きやすくなることも、経験できていないような気がします。

コロナが大流行したせいで、思春期における恋愛を経験していない若者が増えているのではと、勝手に推測しますが、思春期は、気になっているあの子と目が合うだけで幸せな気持ちになったり、他の人と楽しく喋っている姿を見るだけで嫉妬したり、不安な気持ちになったり、休みの日には何をしてるか考えるだけで何も手につかなかったり、恋愛が成就したその心の揺れ動きは、思春期にしか得られない色や形や温度があると思います。

人を好きになることを大切にして欲しいと、切に願っております。

これ以上悲しい言葉を発する若者が増えないように。

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