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So this is our first time meeting, but I feel like I know him


世の中には不思議な事があるもので、なぜか初めて会った気がしない人というものが存在する。

外の気温は今日、30度。あまりの暑さに、どうしても麻のショートパンツが欲しくて、とあるブティックに入った時のこと。

何故だかわからないけどそこの店員さんがあまりに親切で、どこかで見たことのあるような顔をしていた。

年齢からしてもたぶんうちの娘と同じぐらい。もしかしたら、いつかの学校行事で会ったことがあるのかもしれないと思った。


そこのお店は女性専用のお洋服が置いてあるところだ。

失礼ながら、もしかしたらゲイの方なのかな、そう勘ぐってみた。

なぜかというと、エアコンの効いた店内で、涼し気な顔をしてスーツを着こなしている。他の女性店員さんたちはTシャツにジーンズ。ゲイの方はたいていお洋服のセンスがすごく良くて、私にもゲイのお友達がいるからわかるんだけど、美意識の高さをものすごく感じるのだ。

それから、ものすごく正直に意見をするところ。女友達は大概、相手を傷つけないように「似合うよー」とか「こっちも悪くないよね」とかお世辞を言ったり、適当なことばかりを言う。

でもどちらかというと、はっきりと思うことを口に出してくれる方が私は信頼できて、好き。私のゲイ友も、結構バシバシ物を言うのだ。

その素敵な男性は

「この色は全然似合わないですよ」とか「僕はこっちを勧めます」とか

「こっちの方が若く見えて素敵です」とか

「このカットだとちょっとふくよかに見える気がしますけど」

って言ってくれる。

一見辛辣に思えることでもズバッと言ってくれる人。好感度大で、また絶対買いに来ようと決めた。

                💛

うちには女の子が二人いるので、よく昔は3人で洋服を買いに行ったり、いろんなものを交換したりすることを夢見ていた。

もともと女の子が欲しかったからラッキーだって思ってた。

ところが3人ともまるで洋服のテイストが違うものだから、結局私のおさがりなど、誰も欲しがらない。ましてや18歳を過ぎたころから、一緒に買い物にも行ってくれなくなった。

二人ともそれぞれショッピング友達がいるので、子供同士が一緒に買い物に行くこともない。もしくはネットで済ませているようだ。

私の「おさがり」とはいっても結構いいお値段したものや、デザイナーものなどもある。でもそういうのは今の子たちには響かないようだ。

値段が高いから着るのではなく、安くても本当に自分が着たいものだけを選んで着る。「こだわり」を大事にしている。

そういう物の考え方や価値観の違いも、まあ私は好きだな。

                 💛

結局今日は柄つきノースリーブの涼しげなインディゴのトップと、麻の茶色のショートパンツ、それにからし色(というか、今はそんな言い方しないよね)のローファーを買って帰ってきた。

ファッションに関して厳しい娘たちも、素敵なコーディネートだと褒めてくれたのでとても嬉しい!

ちなみにこのアンサンブル全てのお値段は、明日赤十字に寄付することにしたズボンの値段の半分。

このズボンだけでなく、私のファッションの歴史の多くが、赤十字に寄付されることになった。

本当は娘たちに着てほしかったけど、しょうがないか。でも寂しいな。

モノを「捨てる」という考え方ではなく、「誰かに着ていただく」って考えれば、まあいいのかな。

                 💛

モノを容易に捨てられなくなった時、ああ歳をとったなあって感じる。

でもイタイおばさんにだけはなりたくないので、常に清潔感のある見た目でいようと努力している。昔の洋服はもう、自分には似合わないことはとっくにわかっている。

あるがままが、一番だよ。わかってはいるんだけどさ。

それでもちょっと自分に迷いが生まれたら、また「彼」のもとへお洋服を買いに行こうかな。

彼は私の”first responder”になってくれるんじゃないかと、ひそかに予感している。


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