見出し画像

役員にインタビュー。オフライン・オンラインをまたぐアクアリングのコミュニケーション事情とは?

こんにちは!インナー広報の杉浦です。

アクアリングは2019年に代表交代、2020年には弊社のCI/VIリニューアルCTVグループへの参画など、大きな変化が続いています。
そしてコロナによる働き方の変化など、大きな壁にも直面してきました。

新年度を迎え、今回改めて役員である茂森社長・水野副社長・藤井副社長に、ここ最近のアクアリングの変化について伺いたいと思います。

画像13

茂森仙直(写真中央):2002年入社。2019年にアクアリング代表取締役社長に就任。
水野幹久(写真左):2020年のアクアリングのCTVグループ参画に伴い中京テレビからアクアリングへジョイン。代表取締役副社長に就任。
藤井英一
(写真右):2011年入社。2019年に代表取締役副社長、2020年に副社長に就任。
インタビュアー
樽見:2015年新卒入社のディレクター。インナー広報リーダー。
杉浦:2020年新卒入社のデザイナー。インナー広報メンバー。

代表交代直後、コロナ禍へ…今感じるコミュニケーションの課題

画像13

杉浦:まず、茂森さんと藤井さんが2019年に代表就任されて1年半以上経ちましたが、業務全体にどんな変化がありましたか?

茂森:経営方針に関しては代表交代前から関わっていたけど、改めて僕たちが就任してから会社の起点を考えた時に、以前の「名古屋から世界に」というスローガンを意識しつつ、「社員の成長から考える」という軸に切り替えて。

2020年からは自己申告型給与制度(※)に垂直統合でより意味を持たせたり、いわゆるヒエラルキー組織を撤廃したり、会社全体の方針を考えるようになったことがまず大きい変化だった。

※社員が半期ごとに貢献内容と給与額を自らで考え申告するアクアリングの給与制度。社員は3ヵ月に1度役員と面談を行い、貢献内容の進捗を報告する。

樽見:細かい部分での変化はどうですか?

茂森:貢献面談で3ヵ月に一度全社員と面談してるので、そういう意味ではミーティングがすごく多くなった。お客さんと話すよりも、社内でスタッフと会議をしている時間が増えたような気がする。

藤井:その分プロジェクトに入っていた割合が減ったかな。

茂森:プロジェクトに参加していたころに比べると、密度は減っちゃったかも。例えばWONDERWALLをやっていたころはスタッフとかなり密なやりとりをしていたけど、そういう機会が分散した気もする。

画像13

藤井:そこの危機感はあって、個人的には今後プロジェクトにスポットでどう参加するかっていうのは検討しているところ。

茂森:気を利かせて声をかけてくれるスタッフもいるので、そういう機会は積極的に参加するように心がけてるかな。

杉浦:コロナ前後でのコミュニケーションの変化はかなりありましたか?

茂森:変わったね~!
代表就任1年目で、当たり前だけど何もかもが初めてのことばかりというところに、CTVグループ参画というアクアリングとして初めての出来事と、コロナという世の中としても体験したことのない出来事が、一気に起きた。

1年目が終わった時に藤井くんと「今年はいろいろありすぎた」という話をしたのはすごく覚えてる(笑)

もし10年社長をやっていてこの状況が起きていたら変化の差をより感じただろうけど、スタートからこの状況だったからこそ、前代表と違うスタンスを求められているのも感じたかな。

画像14

藤井:コロナでいうと、就任して初めての総会(※)をオンラインで開催したり、20周年のイベントも人を集めることができない中でどうやるかはすごく苦労したし、体制が整ってないことを実感した。

※毎年決算月である5月末に開催する、スタッフが全員参加する締めくくりの会合。

茂森:僕ら役員は、スタッフが在宅勤務に切り替わった後も出社していたから、会社がしーんと静まり返っていたのはシンプルに寂しかったのもあるね。

杉浦:その時のコミュニケーションが減っていく危機感はどのくらいありましたか?

茂森:今もすごくある。

ただ、アクアリングが「仲間となって未来の輪郭をデザインする」というミッションを掲げる中で、そもそも「仲間となる」ことに対してリアルで会わないと絶対に成立しないのか?ということに関しては、ニュートラルにいた方がいいと思っていて。「絶対にリアルじゃないといけない!」とは思ってないかな。

ただ、緊急事態宣言が明けてみんなが出社してきた時には「やっぱリアルはいいな~」とも改めて実感した。

中と外の両面から見る、アクアリングのオンライン事情

杉浦:個人的にも、そういった面着での安心感がリアルのメリットだと感じるのですが、逆にオンラインに移行したメリットはどういった場面で実感しましたか?

画像14

藤井: 仕事環境の変化でいうとオンラインツールも増えてきたし、お客さん側もその環境を整えるタイミングを合わせられたことはとてもよかった。

移動やセッティングのハードルが下がったこともあって、以前の進め方には戻れないくらいのメリットを感じてる。

茂森:業務の効率化やソリューションはすごく進んだね。
ただ、そういった話はあくまでベースとなるチーム組成があったうえで乗っかってくることだとも思う。

樽見:どういうことですか?

茂森:まずオンラインになってすごく感じるのは、MTGの間に全然すきま時間がない。

以前は移動時間やミーティングの準備時間に雑談をすることで、少し相手と近づけて人間関係の貯金ができていた。でも、オンラインだとそういうすき間時間はなかなかとりづらい。

僕らが目指す「いいモノづくり」を考えた時に、そうしたベースメントの関係性・心理的安全性がない中で仕組みだけ変わってしまうと、どこかで揺らぐんじゃないか?という不安がある。

杉浦:今思い返すと、私が昨年入社したときはすでに在宅勤務が始まっていてミーティングなども全てオンラインだったので、たしかに雑談やすきま時間が少なかったような気がします。

2年目以上の方は在宅勤務になる前からの関係性があるのに対して、自分はその貯金がなかなかできず、今のお話はすごく実感がありました。

茂森:そうだよね。関係性の貯金の中で成り立っている1年だったと思う。
5年・10年後、今の働き方がスタンダートになったときに、いかに関係性をつくれるかで、組織の強さに差が出るんじゃないかな。

藤井:オンラインの中でも、関係性を作れるようになりたいよね。

杉浦:水野さんがアクアリングにジョインされてから、在宅勤務の取り組みや社内イベントのオンライン化などを客観的に見られていかがでしょうか?

画像14

水野:僕は中京テレビから来ているのでその観点で話すと、アクアリングの在宅勤務率はグループ全体で見てもかなり高い。現場でしかできない仕事が多いという事情もあるけど、なかなか在宅に踏み切れないグループ会社もある中で、アクアリングの在宅勤務率を伝えるとすごく驚かれる。進め方をヒアリングさせてくれって言われるくらい。

藤井:意外とそこに向けて努力をしてきたわけではないんだけどね。

水野:特別な努力もせず移行できたというのは、業界柄も含めて、元々のリテラシーとインフラが影響していると思う。

茂森:あとは、出社しなかったら何か思われるんじゃないか?とか、精神的な障壁の少なさもあるかもしれない。

水野:それは大きいね。

今でこそ世の中に浸透してきているけど、オンライン会議の頻度・回し方・当たり前のようにやっている空気が長けているのをすごく感じる。集まらないとコミュニケーションできない体制の企業はまだ多いんじゃないかな?

画像14

茂森:うちは昔からTeamsとかチャットでエビデンスを残す文化があるけど、たしかにそれは他の会社さんに驚かれる。

水野:横にいてもチャットで話しかけるよね(笑)
それが当たり前にあったことで、会社にいても自宅にいてもコミュニケーションのハードルが変わらなかったことが、在宅勤務を進めやすかったひとつの要因なんじゃないかな。

茂森:リモートを想定していたとかではなく、コミュニケーションの効率化を考えた時に過去にTeamsを導入していたことが、結果的に今につながったんだろうね。

今だから気づく、「リアルな接点」があるからこそできること

画像14

樽見:アクアリングって、気質として案件やモノづくりにフォーカスする人が多いこともあるし、これまではプロジェクトやすき間時間で無意識に関係性が培われていたこともあって、取り立ててコミュニケーション施策をやってこなかったと思っていて。

でも今後は意図的にコミュニケーションを作っていく必要がある中で、「リアルであること」の価値や必要性を役員のみなさんがどう捉えているか気になります。

藤井:ちょうどこの間あるアプリ開発のプロジェクトで、1日3時間のデザインスプリント(※)を5日間実施して。完全にオンラインだったんだけど、やっぱり最初の1回目は会いたいと感じた。

※デザイン上の問題を解決するために、短い期間で高速にプロトタイピングと検証を行う方法論(フレームワーク)のこと。

樽見:それは、会わないとわからない部分があったということですか?

藤井:2回目・3回目と進んでいった時に、どういう雰囲気の人かあまり理解していないままだと、やっぱりやりづらい。その人が話しているところ以外の部分が見えにくかったから、もう少しお互いを知ってから進められたらいいなと感じた。

樽見:人となり全てに対して、画面じゃ分からないことがあったということですね。

杉浦:先ほど話にあがったすきま時間に関してはいかがでしたか?

画像14

藤井:個人的には雑談はオンラインでもできるなと思ったんだけど、例えばその後ランチに行くとか、コミュニケーションの広がりを持つ機会がつくりにくいことが残念。意図的にコミュニケーションを挟めばオンラインでも問題なさそう。

樽見:たしかに雑談はできても、そもそも雑談をするための距離感を作るのが難しいかもしれないですね。オンラインだとより時間と回数がかかる気がします。

茂森:僕は人の関係って「信頼」と「信用」の2つがあると思っていて、自分が理想とする「仲間となる」のプレースタイルは、「信頼」なんだよね。

何が違うかというと、「信用」は「この担保があるからお金を貸します」というような「何かがあるから信じるよ」という関係だけど、「信頼」は無償の親子のような関係だと思っている。アクアリングに関わるメンバーは「信頼」の中で仕事がしたい

そういう「信頼」関係は、リアルの接点がある程度ないとつくれないんじゃないかと思うし、関係の組成には五感で感じるものがあると思う。

画像14

みんなで模索したい、私たちらしいコミュニケーションスタイル

杉浦:五感というお話で思い出したのが、MMMでも茂森さんはよく「リアクションください」と言っていると思うのですが、手応えはどうですか?

茂森:リアルでリアクションをもらえるとどんどんノってくるけど、オンラインのリアクションは「あ、ちょっと伝わってるかも?」っていう、救いの手くらいの感覚で、やっぱり話してて不安にはなる。

反応を気にしすぎて固くなっちゃうから、前回の総会の時は一度伝えたいことを書き出して、わざわざ口語調に原稿を書き直してた(笑)

杉浦:そのくらい意識しないとなかなかくだけられないんですね。

樽見:目指したいオンライン上の雰囲気とか、リアクションの理想像ってあるんですか?

茂森:リアル・オンライン問わず闊達にリアクションしあう組織にはしていきたい。

でも最近思うのは、リアクション自体が苦手な人もいるなと。物静かだけどすごく熱意がある人とか。苦手な人と、やる気がない人っていうのは明確に区別しないといけないと思ってる。

リアクションが大きければ正しくて小さければアウトなのかは、もう少し考えてみないといけないかもね。

樽見:リアクションを強制することがアクアリングのスタイルとして本当にあっているのか?というのもありますよね。自分はインナー広報として発信する機会が多いのでリアクションを求める立場ですが、やっぱり自己開示をすること自体が苦手な人もいる。

自己開示をしないと仲間となれない・信頼関係を築けないということが無意識のうちに前提になりつつあって、そこにハードルを感じてる人はいると思うので、アクアリング内で「信頼」の解釈をもう少し合わせていかないといけないのは感じます。

茂森:僕もそう感じてる。ないよりはいいと思ってリアクションを求めているけど、やりたくても苦手な人がいるっていうのは課題として感じる。

杉浦:全員で探っていく必要がありそうですね。

茂森:そういう機運を高めていきたいね。

杉浦:問いかける側のみなさんが「そもそもリアクションをもらうことだけが良いと思ってるわけではなく、最初の切り口としてやっている」と考えてることを知れたのが、なんだかほっとしました。

今回の取材では役員のみなさんがアクアリングの環境や体制の変化に対して率直にどう感じているかを共有することが大きな目的だったので、今のお話はかなり発見です。

茂森:たしかに自分たちから発信する時は起承転結まとめて話す場が多いから、まだ道半ばでもこうして課題感を共有できるのはうれしい。

樽見:アクアリングらしいコミュニケーションのあり方というのは、これからも考えていきたいですね。

画像14

振り返って見えた、「仲間となる」ためのきっかけ

今回のインタビューは、コロナによる変化はもちろん、アクアリング自体が体制を変えていく今だからこそ、インナーコミュニケーション施策を取り組む意義を再考する機会となりました。

この場で共有された課題感を始めとして、スタッフそれぞれがコミュニケーションのあり方・「仲間となる」の解釈について考えを深めていくことが大切なのかもしれません。

インナー広報では今後も、今回のような振り返る機会を大切に、アクアリングらしいコミュニケーション施策を柔軟に考えていきたいと思います。

この記事が参加している募集

オープン社内報

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?