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ダイキンにみる自社のミッションや存在意義を視座高く設定することの重要性

戦略コンサルタントのアップルです。

今回はちょっとエッセイ風に、柔らかい話をします。
ダイキンという会社についてです。

ダイキンのスローガン

ダイキンはみなさんご存じのとおり、世界的な空調メーカーです。家庭用エアコンや空気清浄機の代表的なメーカーであることに加え、ビルなどの業務用空調でも高いシェアを誇っています。

さてこのダイキン。テレビCMでも時折見かけますが、最近は「空気で答えを出す会社」というスローガンを打ち出しています。これは、戦略コンサルタントの目からみても非常にいいスローガンだと思います。

空気で答えを出す会社とは、何を意味するのか?
空調メーカーという「モノ売り」の会社ではなく、空気の価値を高めるという「コト売り」の会社であると宣言しているわけです。

自分たちの存在をメーカーと捉えてしまうと、モノづくりの範疇でしか答えを出さなくなります。いかに高性能なエアコンを作るか、いかに省エネのエアコンを作るかというところに意識が集中してしまいます。

一方で、自分たちの存在を「空気をよくする」というコトで定義すると、
空気をよくするために取り組むべきことは色々手掛けようとします。

高性能なエアコンを作ることはもとより、
・大気汚染問題の解決にどう貢献するか?
・空間を快適にするために、空気だけではなく光、音、香りも組み合わせて何かできないか?
ということを考えるようになります。

実際、ダイキンのホームページをみると、「快眠をつくりだす空気(快眠のための光や音もコントロール)」、「パフォーマンスがよくなる空気(生産性を上げるための香りもコントロール)」、というコンセプトが打ち出されています。自分たちの存在を空調メーカーと定義してしまうと出てこないような発想やアプローチが出てくるわけです。

このように、「自社のミッションは何か?」「自社の存在意義は何か?」を高い視座で考え、設定することは、企業の持続的な成長において極めて重要です。

特にモノづくり信仰が強い日本においては、「そのモノがどういう社会課題を解決しようとしているのか?」というところにグッと視座を引き上げ、存在意義を再定義することが求められているような気がします。

もう一つ古い事例

ご存じの方も多い事例だと思いますが、米国のフォードの話も有名です。

フォードは言うまでもなく世界的な自動車メーカーです。20世紀初頭にT型フォードを開発・大量生産し、自動車を大衆消費財の地位へと高めました。

自動車が普及する前、主な移動手段と言えば馬車でした。ここにフォードは自動車というイノベーションをもたらしたわけですが、フォードは「より速い馬車」を作ろうとはせず、「顧客が求めているのは馬車ではなく”速い移動手段”だ」と着眼し、馬車よりも速い移動手段としての自動車を開発したわけです。

これも自社の存在意義を「高性能な馬車の提供」ではなく、「速い移動手段の提供」と一段高い視座で設定したのがポイントだったといえるでしょう。


今回はここまでです。

優れたミッションや存在意義を設定している企業はほかにも多く存在しますので、また適宜ご紹介したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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