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【お勧め本】「仕事に関する9つの嘘」

戦略コンサルタントのアップルです。

今年の6月に「仕事に関する9つの嘘」という本が出版されました。
「NINE LIES ABOUT WORK」という洋書の和訳本です。

この本が最近読んだ本の中では一番面白かったのでご紹介したいと思います。なおこの本は、いずれの章の内容も示唆深いため、アップル自身の備忘もかねて複数回にわたって内容をご紹介していきたいと思います。

今回は、本書の全貌のご紹介ということで、

1. 何が書いてある本か?
2. 9つの嘘のうちの1つの紹介
3. 2.を戦略コンサルの仕事に当てはめたときのリアルな話
4. 本書をお勧めしたい読者層

について書きます。

何が書いてある本か?

タイトルにある通り仕事において通説とされている9つのことが「嘘」であるということを暴いていく内容です。
1つの嘘ごとに1章がさかれ、全体で9章構成になっています。

各章では、
・通説としてよく言われていること(ホントに見えて嘘であること)
・その通説が間違っている事実とその理由
・じゃあ、何がホントなのか

が書かれています。

読み進めていくと「うーん、なるほど確かにな~」と腹落ちさせられます。総じてとても説得力があります。それが本書をお勧めする理由です。

例:「最高の計画があれば勝てる」は嘘

例えば、9つのうちの1つの嘘として、
最高の計画があれば勝てる
というのが出てきます。

事業にしても、プロジェクトにしても、まず最初に「計画」を立てます。
物事をスタートするときに計画を立てることは大事です。

ただ、物事が計画どおりに行くことはまずありません。初期に立てた計画に固執し続けると、計画を取り巻く環境の変化にうまく対応できず、結果的に当初の目的や目標が達成できないことになりかねません。

つまり、計画をしっかり練れば勝てる(=目的や目標を達成できる)というわけでは決してないということです。

それでは「ホント」は何なのか?

ゲームに勝つためには「最高の情報」が肝になると説きます。

指揮官が情報をすべてメンバーに分け与え、与えられた情報をメンバーひとりひとりが咀嚼し意味付けする。チームで共有された情報をもとにこまめにコミュニケーションをとり、目標達成に向けて軌道修正をしていく。

こうしたある種の「インテリジェンス活動」がリアルタイムで行われることにより、チームの力が強くなり、結果として勝率が高まるということを説いています。

これは、戦略コンサルティングの仕事をしている身としてもとても腹落ち感があります。次項でその点についてお話しましょう。

この嘘を、戦略コンサルの仕事で捉えると・・

戦略コンサルティングのプロジェクトをスタートするとき、当然ながら「計画」は立てます。以下のような構成要素で計画を立てることは、戦略ファームでは当然のお作法になっています。

【計画の構成要素】
①プロジェクトのゴール・成果物
②ゴールに至るための主要な論点
③各論点に答えを出すためのアプローチ
④具体的な作業スケジュール

プロジェクト開始時には、この4点セットは最低限準備の上クライアントとともにキックオフします。

ただ、アップルの数々の戦略コンサルティングプロジェクトの経験を踏まえても、計画どおりにプロジェクトが進んだことはほとんどありません。皆無といってもよいと思います。

戦略コンサルのプロジェクトでも、状況や環境は時々刻々と変化していきます。当初の論点や仮説が間違っていることも多々ありますし、クライアントの期待値がダイナミックに変化していくことも多々あります。

そうした中で大事になるのは、チームとしての「変化対応力」です。そして変化対応力の基盤になるのが、情報流入の質と量と、そのチームでの共有です。ここを怠るとチームとして一枚岩でなくなりますし、変化への対処も遅れがちになります。

まさしく勝つためには「最高の情報」が重要という実感があります。

本書を読んでほしい読者

この本はマネージャー層以上をターゲットに書かれています。

組織を率いる経営幹部の方やチームを率いる中間管理職・マネージャーの方にとっては少なからず気づきのある本なのではないかと思います。

今後、本noteでもより詳細に内容を紹介していく予定ですが、既にピンと来られた方はぜひ手にとってみてください!


今回はここまでです。
最後までご覧いただきありがとうございました!


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