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京急の本気のアフターコロナに向けた取組

戦略コンサルタントのアップルです。

5月の下旬に、アフターコロナで鉄道会社にどのような変革が求められるかということをアップルの業界知見ももとにまとめた記事を投稿しました。

その後も、主要鉄道会社のコロナ対応の動きをウォッチする中で、京急の取組が面白そうだと感じたのでご紹介します。アフターコロナの移動やモビリティの変化、それを担うモビリティプレーヤーのトランスフォーメーションに関心のある方はぜひご覧ください!

アフターコロナで鉄道会社に求められる変革

前回の記事で申し上げたことを簡単に振り返ります。

今回のコロナで人の移動が思いっきり減りました。緊急事態宣言が解かれて以降人の外出も戻りつつありますが、今後もビフォーコロナの水準に完全に戻ることはないでしょう。というのも、仕事においては、テレワークがある程度浸透すると同時に、長距離出張はかなりの程度減ります。また、プライベートでもオンライン飲み会・オンラインイベントが定着し、余暇活動や娯楽のための外出も一定程度は減るでしょう。

つまり、アフターコロナでは、人の移動が一定程度減ることは間違いないです(そのインパクトは今後見極めていく必要がありますが)。

そうすると、人の移動、すなわちモビリティで儲けている会社はあおりを食らいます。航空会社、鉄道会社、自動車メーカー、バス会社、レンタカー会社など、モビリティを収益の基盤としている会社は、売上や収益を維持するためにトランスフォーメーションが求められます。

その中で我々の生活においてもっとも身近なモビリティである鉄道会社については、

①鉄道”以外”の事業の強化
②移動の付加価値向上
③マスから個へ(パーソナライゼーション)

の3つの大きなトランスフォーメーションが求められるはずだということを以前の記事で提言しました。

京急のアクセラレータープログラム

さて、鉄道会社といっても、大手だけで全国に20社ほどあります。業界トップはJR東日本で、その売上高は3兆円に上ります。第二位が東海道新幹線を持つJR東海、第三位が西日本に広く展開するJR西日本です。

そういう中で、今回ご紹介する京急(京浜急行電鉄)は、業界ランキングが15位(売上高約3,000億円)と比較的小ぶりな鉄道会社です。

その京急が、近年、アクセラレータープログラム(ベンチャーとの共創)にかなり本格的に力を入れています。

最近第三期プログラムの公募・選定が行われ、共創するベンチャー10社が決まったようです。家具の月額制レンタルサービスを展開するベンチャーやオンラインのスペースマッチングサービスを展開するベンチャーなども顔を連ねており、京急が本気でモビリティの枠にとらわれない事業創出を狙っていることが垣間見えます。

アクセラレータープログラムは近年流行りで、多くの大企業がカタチ上取り組んではいますが、その中で実績に結びついているところはまだ限られているという印象です(CVCも同様)。その点、京急のプログラムは、第二期までの協業プログラムはすべて社会実装されているということで、ほかの大企業のアクセラレータプログラムより一歩も二歩も先に進んでいる印象です。

なお、第三期のプログラムでは、ウィズ/アフターコロナにおける新たな生活様式を念頭に置いた取組も推進されていくようです。テレワークやソーシャルディスタンシングの中で新たに求められるサービスや新たに生み出すべき価値を模索していくということだと思います。

京急の発表資料を見ると、

・自動化/省人化推進
・パーソナライズ
・リアルの付加価値向上

など、アップルが提言する変革の方向性に合致したキーワードもみられるので、今後京急がベンチャーと連携してどのようなサービスをカタチにしていくのか非常に楽しみです。

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最後に

アフターコロナの鉄道業界の在り方という視点で、京急の取組をご紹介しました。

アフターコロナの変化をリアルに察知するには、マクロの情報を追っかけてそこから論理的に推察するのも有効ですが、アフターコロナの変化を本気でモノにしようとしているプレーヤーの動きをモニタリングするのも有効です。

鉄道業界においてはおそらく京急がその最右翼だと感じます。トランスフォーメーションに本気で取り組もうとしている京急の動きに、よろしければ皆さんも着目してみてください。

アップルも、鉄道業界に限らず、様々な業界のアフターコロナの変化、その中で”本気で”トランスフォーメーションしようとしている企業の動きをウォッチしていきますので、今後もこのテーマでの記事を定期的に発信していきます。

今回はここまでです。
最後までご覧いただきありがとうございました!

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