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iPhoneの純正バッテリーケースについて語らせてくれ

おそらく世界でもトップクラスに不遇なスマホケースが、AppleのSmart Battery Caseです。こいつの悪口ならいくら言っても許されると思われているフシすらある(言い過ぎでしょうか)。

とはいえ、悪口を言われつつも毎年のように新型iPhone用にアップデートされていて、ちゃんとiPhone 11シリーズ対応のモデルも出ています。

今日はこれのデザインについて書きたいと思います。


Smart Battery Caseの歴史とデザイン

Smart Battery Caseが最初に登場したのはiPhone6sの頃です。

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何度も言いますが、外観について、かなり悪口を言われてきた製品です。

餅が貼りついたようだとか、
こぶが付いているようだとか、
バッテリーが膨張したようだとか。


あまりの悪評に、ティム・クックに「これを『こぶ』とは呼ばないなあ」とわざわざ言わせてしまった過去があります。


この外観は、サードパーティーのバッテリーケースに関する特許を侵害しないようにした結果生まれたものだと推測されています。

ただ、シリコン素材でできた本体は、簡単に折り曲げることができるため、iPhoneの脱着が簡単という特徴があります。


その後もAppleは悪評などまるで意に介さず、iPhone7用にもほぼ同じバッテリーケースを提供しました。

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装着することでバッテリーが増量されるということを明快に示したデザインという意味では良くできたデザインです。持ちやすいし。

理想をいえば、バッテリーの存在をユーザーが意識しなくて済むのがベストなんですけどね。本体に搭載のバッテリーだけで十分な時間動作するのが正解。

でも、バッテリーケースはスタート地点が「バッテリーを搭載したケース」なので、バッテリーが存在しているところから始まっている。バッテリーの存在を認めた上で、それをどう見せるかという話になるんですね。

ただ、追加でバッテリーを付ける以上、元よりも明らかに膨らむのは当然。厚みの増加はバッテリーの増量に内包されたものと言えるので、膨らみがダサいというのは言っても仕方ないかなと思います。


その後、iPhone Xではバッテリーケースは発売されず、iPhone XSで復活しました。

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ボトムが野暮ったかった旧来のデザインから一新され、フルスクリーンのiPhoneに合わせた見た目になりました。

バッテリーの膨らみも、本体と滑らかにつながっています。
XR用もありましたね。


そしてiPhone 11シリーズ向けも発売されて現在に至ります。

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この世代から、ケースにカメラボタンが追加されました。
このボタンを押せば、ロック状態からでもカメラアプリが起動します。カメラ起動中に押せばシャッターを切ることができます。


カメラボタンの価値

カメラボタンの搭載で、バッテリーケースの価値がかなり上がったと思っています。

自分は普段はバッテリーを持ち歩かないどころかケースもつけないので、バッテリーケースにはまるで用がないのですが、そんな自分でもバッテリーケースが欲しくなる場面があります。

それは旅行に行く時です。

旅行中はずっとiPhoneで写真を撮り続けるので、iPhoneのバッテリーの減りがかなり早い。
それに、カメラの起動には、画面をオンにしてからカメラを起動しなければならないので、シャッターチャンスをやや逃しがち。

カメラボタンが付いていてバッテリーも増えるケースというのは、こういう場面で非常に役に立ちます。


普段は普通のスマホケース、旅行とか写真を多く撮るときだけSmart Battery Case、という形で使い分けるメリットがあります。

そんな使い方をするユーザーは限られるのでしょうが、場面に応じてケースを使い分けるというのが、脱着が簡単なシリコンケースというコンセプトから見ても正しい選択だと思うんです。


追記:MagSafeバッテリーパックのデザインについて解説した記事もあるのでご覧ください。



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