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【Xで100万PV】銀行員の転職リアル

(X (旧twitter) に2024/2/22に投稿したものをベースに一部加筆したものです。)
最近銀行からの転職希望の面接が多い。 自分も元銀行員だし感じたことを列挙していく。少しでもどなたかの参考になるといいなと思い、書きました。

まず銀行員が他業界(特に事業会社)へ転職できるのはリアルに35歳くらいまで

な気がする。
その理由は、事業会社は担当者としての経験をさせたい意向がある。
担当を数年やってもらい40歳前後で管理職に据える、この狙いがあるから、35歳くらいが目線になる。

35歳を超えてくると、外部出向の経験がない限り他の金融機関に移るしか手段が無くなってくる。
せっかく10年以上かけて積み上げてきた自分の評価をリセットして、新しい金融機関に行くならば待遇が改善されるなどの余程のメリットがない限りやめた方がいいかと。
仕事で得られるものは、三つあると思っていて、"①報酬、②経験、③自分への評価"の三つ。
③はどうしても転職するとリセットされる。③をリセットしてでも得たいものを冷静に判断したほうがいい。

逆に20代前半で監査法人系のコンサルに行く人間が多い。一度コンサルに行くと、up or out(昇格できなければ去れ)の文化が待っている。
日系監査法人は優しいから解雇はしない。しかし、どんどん中途が入ってくる組織で、昇格できなかった人間を使うほど甘くもない。
コンサルで経験を積むこと自体は良いことだし、視野も広がるのは間違いない。 ただ自分が昇格出来ず再転職する際に、職務経歴書上で"こいつはコンサルで使えないと判断されたやつ"と見られる。
そこのリスクを踏まえキャリア選択するといい

銀行員の強みは何か。

色々あると思うけど、名刺交換や電話応対などのビジネスマナーのレベルが高いこと、財務三表が読めること、の二つだと思う。

勘違いされている強み。

海外経験があることを強みとして話す人が居るが、銀行の駐在は基本日系企業の為にあると理解されているので、国際経験としては評価され辛い

あと強みに"仕事の段取り上手"と言う人もたまに居る(恥ずかしながら自分もそう思っていたが)。特に本部に居た人。
これについては残念乍ら、どこの会社でも段取り上手はいるので、アテにはならない。銀行から銀行に転職するなら別だけど、、
審査、与信スキルも強みと言い辛い。
取引先与信管理は確かに重要なのだけど、事業会社レベルではTDBやダンレポートで事足りる。

この辺りを踏まえて職務経歴書を書かないと、書類だけで落ちる。

それくらい銀行からの転職希望者が多い。

銀行の年収テーブルについて。

メガだと20代後半で1千万を超えて、50前後の役職定年まで20年近く1千万超が貰える(もしかすると今残業規制が厳しいので20代では難しいかもしれない)。
日系メーカーであれば40前後から1千万を超えることを考えると、1千万をもらえる期間に差はない。

じゃあ何で自分が辞めたか。

といえば、転勤のたびに生活を新しく組み立てるエネルギーと終業時間。
3-5年ごとに転勤して周囲と信頼関係築いたり、22時まで毎日働いてられない、と思ったから。 自分が他業界(事業会社)でやっていけるか不安はあったが、それ以上に先程の2点が気になっていた
あとこれは辞めてから気付いたが、個別株が出来るのは大きい(もちろんインサイダーなどしてないw)。なぜなら税金が給与所得より低いから。 銀行員だと投資信託くらいしか買えないと思うが、管理報酬や決済の遅さを考えれば株が出来るのは大きい)

銀行員が面接を受ける際に気をつけた方がいいのは、

知らないことや分からないことは知ったかぶりしないこと。
銀行では上司の前で分からないと言ったら、何ともいえない空気が流れることから反射的に知ったかぶりをする人が多い。これは良くないので、気をつけた方がいい。

一方で必要な予習はしておいた方がいい

面接を受ける会社の中期経営計画を読むことはマスト。IRで投資家に対してコミットしている事項は把握しておくこと。
また職種に応じた知識は備えておく必要がある。例えば経営企画やM&A担当を受けるなら企業価値評価の考え方や最近起こったディールの情報収集をしておいた方がいい。これを「知らない」と答えるのは中途では済まされない。

ツラツラと書いてきたけど、すでに銀行という最高クラスの安泰組織に属せれていることは大きなアドバンテージ。一時の感情に流されず、客観的に整理するのが一番。 もし気になることがあったら連絡でもください


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