否定的な発言や思考をする人からなるべく離れたいアラサー女

いいかい、ペンギンは空を飛べないんだ。君も知っているだろう?
ペンギンは泳ぐのが得意な鳥であり、鳥なのだから飛べるはずだと期待を持つのは甚だ滑稽な思考である。

人間には、どんな人も等しく長所と短所がある。そして、それらは表裏一体であることがしばしばある。
大人しいは落ち着いている、マイペースは自分を持っている、といった具合だ。

人は得てして、自分ができることは他人もできるものだと信じて疑わない。自分の能力を普通だと思っていれば尚更で、普通の自分ができることが、何でこの人はできないんだ?!と、「できるベース」で物事を考えてしまいがちだ。

すると、できない人にイライラし、自分の心をネガティブに染め上げてしまうことになる。これは双方にとってデメリットでしかない。

うちの職場で、今日こんなことが起きた。その人は新しい仕事が来たことを周りのスタッフに報告せず、納期が短いこともあり、いきなり作業を開始。印刷機を何時間も稼働させ、その間は大音量を響かせ、同室の人たちの仕事の妨げをしてしまった。

その後、誰かに注意を受けたのだろうか、同室のスタッフのLINEに謝罪の連絡が入ったそうで、そこまでならまだよかったのだが、その人は「同じ取引先から、他の仕事も受ける予定があり、断れなかった」や、「他の仕事も、話の流れで受けることが決まってしまい、報告するのが遅れてしまった」など、言い訳としか思えない文章が送られてきたとのこと。返信を受けたスタッフは当然ご立腹。

そして、「人に迷惑かけた上に言い訳かよ〜まじ最悪じゃん」と愚痴って大騒ぎして、終了。すると、そのスタッフは、ただただイライラするという負の感情を持ってしまっただけで、完全にマイナスな出来事だ。その人は反省している様子もないので、今後も似たような出来事があると考えられる。

そこで、ペンギンの話を思い出すのだ。ペンギンは、羽を持っているからと、空を飛べると期待された。しかし、その羽は飛ぶ機能を持っていない。期待されたペンギンは努力するもなにも、飛べないのだ。

人間だってこれが当てはまる、と考えた方が、できない人にイライラすることが減ると思う。

人間は努力や経験を積むことでできるようになるんじゃないか?と思うのもわかる。ただ、この能力がそもそも備わっていない人間が存在するんだと思う。というか、そう思わないと、やっぱりどこかできない人に「いつかきっとできるようになる」「いつか分かってくれる」と期待をしてしまうのだ。

私の肌感覚だが、数年ほど社会人経験を積めば、その人が「努力や経験で自身の立ち振る舞いをアップデートさせられる能力を持っているか」が見えてくると思うのだ。

例えば、先輩から注意を受けた際、ただ謝ってその場をやり過ごしていたのを、次回はこうしよう、と改善策を考えられるようになるとか、見切り発車で仕事に取り掛かっていたのを、仕事の優先順位をつけ、長期的な見通しを持って手順を考えられるようになるとか、一人で仕事を抱えて空回りしていたのを、周りに相談していい方法を見つけられるようになるとか、である。

ある程度いい年になった社会人を観察して、そういうスタイルが身についていない人であれば、「ああ、あの人はアップデート能力が低い設計で生まれてきたんだな」と思っていればいいと思う。

人に無駄に期待して、無駄にイライラして自分の心を下げてしまうくらいなら、心の中でくらい人をドライに見ていたほうが楽なのである。




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