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#ネタバレ 映画「ホテル・ルワンダ」

「ホテル・ルワンダ」
2004年作品
見返りが無ければ人は動かない
2006/3/11 8:27 by 未登録ユーザ さくらんぼ(修正あり)

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

棄てられた国、ルワンダの紙幣を、車が轢いていきます。

「マネー」というのは「何かの見返り」に渡されるもでした。

でも、国が崩壊し、マネーが紙くずになった時、人々は新たな見返りを探します。

まずはドルという外貨。

ドルが無くなれば物々交換です。

ウイスキー、ビール、宝石、貴金属などが活躍しました。

それも無くなったら・・・。

支配人は「心」で見返りを支払おうとしました。

ひとつは「品格」です。

4星ホテルはそれ自体品格があり、庶民には少し敷居が高い存在です。気休め程度の効果だとしても、まったく暴徒を防ぐ壁に、ならない事はないでしょう。

それに支配人自身の品格です。軍の幹部も支配人の言うことなら一応聞いてみるという態度がありましたね。

その次は「相手の良心の痛み」に訴える事です。

支配人は「ルワンダを救えば自身も安らかになる、という見返り」を相手に感じさせる電話作戦をしました。

国際社会から見捨てられた「ルワンダ」。

見返りが無ければ、自国の兵士の血を流してまで、他国は救ってくれないのが現実だったのです。

国家たるもの、何は無くとも、まずは救われる価値のある品格を持たなければならないのかも知れません。

ちょうど日本では国の「品格」を語る本がベストセラーです。

追記 ( ドリルを買う客は ) 
2016/3/3 17:38 by さくらんぼ

どこかで「ドリルを買う客は、ドリルが欲しいのではなく、穴が欲しいのだ」と書いてあるのを読んだことがあります。

実に納得できる話ですね。私たちの周りにも、それを思いださせるような話が他にもあるのではないでしょうか。

例えば…雨漏りがして困っている人は、雨漏りを防ぐトタン板や、ビニールシート、コーキング剤や、大変な大工さんの手仕事が欲しいわけではないのです。

ただ…単純に「雨漏りを止めてほしいだけ」なのですね。常識の範囲なら、その方法までは問いません。

でも、雨漏りの個所が特定できない場合には、往々にして話が迷宮に入り込んでしまう。そして、気がついたら、“どんなドリルを選ぶのか”という話になっているのです。でも吟味してドリルを買っても、当然にその雨漏りが止まる保証はありません。

誰が間違えたのでしょう。どこで間違えたのでしょう。

ラジオから温かなライ・クーダーが聴こえてきました。

今日は冷たい雨が降っています。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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