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「電話(4-1 電話a)」 青山勇樹

 「電話(4-1 電話a)」という詩を紹介します。

凍った空の低いあたり
今夜もいくつものあつい声が
ひとりからひとりへと駆ける
その綾のかげを ひっそり
さよなら
のさけびがとどく
あなたのすべてが声になって
たったいま
私の肩のうえに重く——
不意にとぎれた受話器から
発信音だけがつづいていて
胸の鼓動にかぶさってくる
真夜中
月光に浮かぶポインセチアに
私の鮮血がとびちる

あなたの心に、言の葉を揺らす優しい風が届きますように。光と戯れる言葉のきらめきがあふれますように。