青山勇樹

詩人。大学の教員として教育や研究に励みながら、詩を書いています。▶︎Mail⇨ aoyamayuki@ymail.ne.jp ▶︎Facebook⇨ https://www.facebook.com/profile.php?id=100044566866789

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マガジン

  • 搾られた時間の果汁が まぶしさのなかで ちいさく悲鳴をあげる

    青山勇樹 新抒情派詩集 3 (2020年 2月〜2022年)

  • 静まりかえった青に染められ さよならの声がたちどまる

    青山勇樹 新抒情派詩集 2 (2020年 1月)

  • 果てしない波のくりかえしのなかでいつまでも眠る真珠になろう

    青山勇樹 新抒情派詩集 1 (2019年12月)

    • 搾られた時間の果汁が まぶしさのなかで ちいさく悲鳴をあげる

    • 静まりかえった青に染められ さよならの声がたちどまる

    • 果てしない波のくりかえしのなかでいつまでも眠る真珠になろう

最近の記事

愛の礫stillalive

❁⃘  91 ✩*̩̩̩̥✿*⁎ 聴かせてよ もう一度 いつか あなたがくちずさんでいた歌を 潮の満ち干のように いくたびも寄せては返す 果てないメロディ ひょっとして 胸の鼓動だったかしら それとも あなたと私とが引き合う さみしさの音階かしら ❁⃘  92 ✩*̩̩̩̥✿*⁎ 放りあげた小石が 空の青に跳ねかえって 澄んだ音で鳴る 聞こえたら 大きく手をふってくれないか そうしたら 手をつないで きょうの行方を探しにいこう 星たちが生まれる場所へ 空にひろがる波紋が

    • 愛の礫ALIVE3

      ❁⃘ 61 ✩*̩̩̩̥✿*⁎ ときどき だれかの記憶がまぎれて 自分のことがわからない そう 思いこんでいるだけで ほんとうは私かもしれない 私は私なのか それともだれかなのか すこしばかり自信がない いま 呼ばれた気がする おそらく私の名を ❁⃘ 62 ✩*̩̩̩̥✿*⁎ 石段に腰かけて ずっとあなたを待っていたら 濃い影になってしまって 貼りついたまま 動くことができない それでも ときどき黒猫が来て ひなたぼっこをしていくけれど どのくらい待ちましょう たとえば

      • 愛の礫ALIVE2

        ❁⃘ 31 ✩*̩̩̩̥✿*⁎ まぶしい夏の光は どこへ行ってしまっただろう あんなにも激しく愛しあい あんなにも固く 結びあっていたはずなのに 降りつづいた雨の果てには だれもいない いまは たったひとつ テニスボールだけが置き去られていて ❁⃘ 32 ✩*̩̩̩̥✿*⁎ いつかきっと そんな言葉が 口をつくけれど それがいつのことなのか 約束できるわけなどなく ただ たしかなことは 遠ざかる背中が まぶしくてしかたないこと こんなにも痛いのは 握りしめた手のひらだろ

        • 愛の礫ALIVE1

          ❁⃘ 01 ✩*̩̩̩̥✿*⁎ 引き潮が置き去りにした泡が弾けるたび 遠浅の夢が少しずつ覚めていく 黙ったまま降りしきる白い雨の朝 遥か遠い銀河からやって来たような気がして あなたの名前をこっそり呼んでみる くりかえしくりかえし呼んでみる ❁⃘ 02 ✩*̩̩̩̥✿*⁎ 飲み残したコーヒーのように 「それから」とつぶやいたまま あなたは席を立とうとする 遠くで静かに海がひかる午後 あなたの指先ばかりを見つめている ❁⃘ 03✩*̩̩̩̥✿*⁎ 麦藁帽子のへこみに置き

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          #StandWithUkraine ②

          fragments 8 激しい爆撃のニュースのあとは グルメレポーターの笑い声 午後の陽ざしが リビングに落ちて あなたはうたた寝をしている どうか あなただけは 永遠にしあわせであれと願う それがどれほど卑怯か 気づかないふりのまま    ¸.•.¸¸୨˚̣̣̣͙୧¨*✼*¨୨˚̣̣̣͙୧¸¸.•.¸ fragments 9 明日の激しい砲撃で そのいのちが砕けることを 瓦礫で遊ぶこどもは知らない 熱い抱擁の後 恋人と絡めたその指が ためらいがちに弾く引鉄で こども

          #StandWithUkraine

          fragments1 穏やかに目を覚まし おはようと言いたいだけなのに 優しい朝のひかりのなか 食卓を囲んで おいしさを分かちあいたいだけなのに ふと耳にした歌に こころを奪われたいだけなのに こんなに美しい空のもと 戦争が始まる    ¸.•.¸¸୨˚̣̣̣͙୧¨*✼*¨୨˚̣̣̣͙୧¸¸.•.¸ fragments2 銃口を向けた先に ひとつのいのちがあるが そこに繋がるあまたのいのちを 思うことができるか 引鉄のこちらにもまた たくさんのいのちがあることを 銃声

          こんなに空が美しいのに

          穏やかに目を覚まし おはようと言いたいだけなのに 優しい朝のひかりのなか 食卓を囲んで おいしさを分かちあいたいだけなのに ふと耳にした歌に こころを奪われたいだけなのに たとえば風が吹いて 樹のざわめきにまぎれながら あなたの声がよみがえるとき できればやわらかな笑顔であってほしい 叫び声や呻き声 苦しみにゆがんだまなざしではなく あたたかな陽だまりをまとっていてほしい たとえば遠くに海鳴りが聞こえる午後 たとえばいつまでも眠れない夜 そっとあなたを思いだすときに ちい

          🏆 第18回東御市短詩型文学祭 特選 受賞 🏆

          「第18回東御市短詩型文学祭」の 
「現代詩の部」において、 
「特選」をいただきました。 
審査にあたられた先生方はじめ、企画・運営に御尽力された皆様方に、衷心より御礼申し上げます。 残念ながら、表彰式は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となってしまいました。

          🏆 第32回野田宇太郎生誕祭献詩 一席 受賞 🏆

          このたび、「第32回野田宇太郎生誕祭献詩」で一席をいただきました。 審査にあたられた先生方はじめ、企画・運営に御尽力された皆様方に、衷心より御礼申し上げます。 「野田宇太郎文学資料館」のホームページに、一席受賞者コメントと作品が掲載されています。 御一読いただけますと、幸甚です。

          🏆 文部科学大臣賞 受賞 🏆

          第36回国民文化祭 紀の国わかやま文化祭2021 いわで「現代詩の祭典」 において、 「文部科学大臣賞」をいただきました。 審査にあたられた先生方はじめ、企画・運営に御尽力された皆様方に、衷心より御礼申し上げます。

          神話

          あの東の空の果て そこにある星からのはじめての光は まだここにはとどかない だからそこに生まれた新しい世界 そのことについて誰も知らない けれどもたしかに息衝いて ちいさないのちの粒々たちが はじけてもえあつくながれて 地球 というなまえさえなかった頃 そんなふうにうたった詩人が 遙かな西の空にいたかもしれない 夕日にむかって歩いてゆきながら そう思うことはないか けれどもまた星空はあらわれ 今夜あたりはもう 秋がしめやかにならびはじめる

          戦士の黄昏

          ほらそんなふうに あのひとも歩いていった あなたもまた 私がすてたきのうの空へ 死んだはずのあの私を 見つけるのだといって 歩いていったきっと どこかで生きていると きらりと鋭い風を 左の肩の傷に感じながら かならず見つけてくるからと きっとつれて帰るからと 待っていて 約束 この時間のこの場所で いろをとめてひかりを おとをそのままにして きっときっと待っていてと 帰るからかならず 見つけてもどるから本当に 憶えているから あの燃える朱鷺色の髪を 立ちつくした湖の碧を 遠ざ

          後朝

          ちいさな肩のうえに あなたの胸があつい 溶けてゆく柔らかなひろがり そして すこうし汗 決してたどりつけない だから遠さにあこがれてしまう それならば見えてはいないのだろうか こんなにもあなたの胸があつくふるえ そのなかに こんなにも確かに あなたの鼓動を感じられるのに 愛の余熱に息苦しい 夢のなかでしか夜は生きつづけられないのか 願いのかたちをして 吐息があなたの耳の奥を吹く 夜の行方はいつもしらじらしい朝 だからいつも夢なんか見ようとする 遠さはたどりつけないから遠い

          棲息

          たしか腕から肩へ そんな記憶がある いまではもう背中いっぱいに どこまでも繁りつづける 数えきれない葉たち 爪はうすみどりに染まり 眼のなかのふくらんだ空に 葉脈がひろがりはじめましたね だからもう心配はいらない あなたはそう言ってほほえみ 私の腕をさやとふるわせて この部屋から出ていってしまった あの日から この窓辺のひかり その柔らかな視線だけが 私のからだのうえを触れる たしか腕とか肩とか そんなものがあったような気がする 背中 私の裏側にむきだしのひろさ あれはいつか

          驟雨

          樹たちが騒がしい夜は 熱帯モンスーンの海を夢みる 雨季のどのあたりだろういまごろ この日本では 梅雨明けについて気象台が語る 私のなかの気候について あなたは話せるだろうか 雨の降る日を憶えていて 見失ったはずの傘 あるいは新しいレインコート そんなものを用意してきてくれる ことなんてあるだろうかあなた 雨季でなく 梅雨でもなく しのびやかに歩きめぐる ひとつがいの雨の脚がある 知らないからだの奥で 育ちつづけていた幾つもの粒々たち 気づくよりももっとまえから 私だけ

          序章

          それは吹きちぎられたものたちの影 それは朝に投げだされた夢 それはうつむいた祈り それは消える風紋 それは私 けれども私はひとつの遠さである めざめると 誰もいない 悲しい不在に満ちている 遠浅の私 うすら陽のなか せつなくあわく どこまでもひろがり 樹々もなく 街もなく 私のひそかな内側に ひとつのひろがり あふれる激しい沈黙のなかに どこまでもつづいて どこまでも こんなにどこまでも 誰もいない それならば せめてあなたを愛することにして 愛することで 私を忘れ 私