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This is it! の巻

今日はただの日記。
2021年10月17日(日)、妻と池袋にミュージカルを観に行った。舞台俳優をしている学生時代の後輩からのお誘い。その後輩の舞台はもう20年近く観てきてるんだけど、最近は、ミュージカルに出ることが多くなった。

すべて宝塚出身の女優さんが主役のミュージカル。キラキラ、ピカピカの(若き)女優さん達が、歌と踊りで多くの観客を魅了する。

後輩は俺の一つ下なので、もうそれなりの年齢のため、他の若い俳優さん達のように飛んだら跳ねたりはしない。歌ったり踊ったり、は多少する。

いわゆる名脇役のポジションでコミカルな役もシリアスな役もなんでもこなす。俺が偉そうに言うのも憚られるけど、若い俳優さん達によるミュージカルの中で、「重石(おもし)」的な役割なんだと思う。

彼も若い頃は、小さな劇場で、ちょっと素人には趣旨の分かりづらい劇や、観客に汗や唾がかかるような近さでやる劇にも出てた。そんで、夜の最後の回が終わったあとは、劇場近くの居酒屋で俺と一緒に安い酒と焼き鳥をやっつけたりしてた。懐かしいなぁ…。俺も結婚するちょっと前くらいだったから、お互い30前後か。

正直いえば、その頃、心の中ではいつも「お前、ほんとにこのまま、役者で食っていけるか?だいじょぶか?」って言葉を飲み込んでた。

でも今日、改めて気づいたら、もう20年近く経ってた。 すげぇな。

大学を出てからだと、もう25年以上。カラダが資本の仕事だから、当たり前かもしれないけど、彼は学生時代からほとんど体型が変わらない。いわゆるカラダを鍛える「不断の努力」を続けている。

それは凄いよ。

10数年前、マイケル・ジャクソンが50歳で死んだときに作った映画を観て、衝撃を受けたことを思い出した。あの映画を観たとき、「俺も50歳になってもあんな風に、カラダ鍛えて、勝負して、カッコ良い生き方をしたいなぁ」と思ったんだった…。忘れてた。

奇しくも俺は50歳で後輩は49歳。
俺は無理だったけど、後輩は、マイケルみたいにステージに立ってスポットライトを浴びていた。カッコ良かった。

もちろん、カッコ良い生き方なんて、人それぞれだから、舞台に立たなくてもカッコ良く生きられるんだと思う。それは分かる。

でも、立ち居振る舞いの一挙手一投足を、多くの人たちに見られながら、堂々とセリフを語り、身振り手振りで感情を表現する技芸のすごさ、そこに対価が発生する緊張感。これはやはり、誰もが経験できることじゃないと思う。準備にかける努力もハンパないだろう。

今日はミュージカルそのもののストーリーや歌や踊りの素晴らしさ、演出の豪華さなどより「カッコ良い50歳とは?」が気になり続けた3時間だった。

そんな機会を与えてくれた後輩に感謝です。ありがとう。

おわり

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