伊藤テル(青西瓜)
小説や脚本など、できるだけ元気に
自分でペチペチ書いたお笑いの台本
最大級の自分なり
そこはかとなく、ぺっそりしたエッセイ
趣味のネット長文企画
自己紹介(ポートフォリオ) 現在行なっている参加型投稿企画【練習スペ_ス】 テキスト単独ライブ【ひとり笑い】 お肉ソムリエのホームページ【SUPESYARiTE】 コントテキスト集【鍋泥棒JIN】
・ ・【24 シコティッシュフォールドの家】 ・ 早朝、シコティッシュフォールドの家の前で張っていると、シコティッシュフォールドの顔をした女性がアパートの階段を降りて、車に乗り込んだ。 本当にここに住んでいるみたいだ。顔もあの通りの顔だ。 身長は150センチくらいで全然2メートルじゃないし、体もやせ細っていて、何ならちょっとやつれているように見えた。 その時にふつふつと私には湧き上がる感情があった。 こんな女子高生のことを推し活していないとやってられない生活という
・ ・【18 音楽活動しかないんだ】 ・ 私は友達が少なかった、否、いなかった。 保育園の頃は母親の友達の子となんとなく遊ぶだけだった。 その子も他の子らに脅されて、私を一緒になってイジメだした。 私はイジメてくる連中から両手両腕一本ずつ持たれて、体育館の床に叩き落とされ、後頭部から落ちた時、同世代に仲間はいないと悟った。 そこから私はずっとラジオを聴いていた。 大人向けの音楽ばかり流れていたが、それが保育園のお遊戯とは全然違って、胸を躍らせていた。 私はずっ
推し活って言い方やめてほしい第一話 (下記にて) 推し活って言い方やめてほしい第一話・ ・【01 魔が差した】 ・ 魔が差した。 私、色彩蝶々、一生の不覚。 こういうことをすることだけは止めようと思っていたのに。 自分が女子高生ということで得しようとしてしまった。 承認欲求に勝てなかった自分が過去の自分に申し訳無い。 その過ちに気付いたのは、私に顔ファンが付いてしまったことでハッキリと分かった。 私はずっとボカロで曲を作って動画を作っていた。 でもどんなに
○山の麓の駐車場。 そこで作戦会議を行なう琥珀と陽。 もう車内はタバコの煙がすごい。 琥珀「相手は妖術使いだ。勢いが重要だと考える」 陽「というかやっぱり妖術使いだったんですね、そんな人間存在するとは思っていませんでした」 琥珀「でも予言者デカが言っていたから」 陽「正直”外れろ”と願いながら、ずっと動いていました」 琥珀「予言者デカの予言が外れたことって一度しかないけどな」 陽「えっ……一度だけはあるんですか? それって一体何なんですか?」 琥珀「これは個人情報
陽「琥珀さん、どうしたんですか?」 琥珀「ミルメイクはっ! ミルメイクはどうしたっ!」 陽「瓶じゃないんで、あったところで入らないですよ」 琥珀「じゃあ瓶にしろよ! ミルメイク入れない張り込みなんてあるかよ!」 陽「張り込みってミルメイク入れるんだ……知らなかった……」 琥珀「それにパンも! クイニーアマンじゃねぇのかよ!」 陽「えっ、クイニーアマンじゃないとダメならそう言って下さいよっ」 琥珀「いや張り込みはクイニーアマンだろ! クイニーアマンなんて名前を警察が許し
タバコ吸い過ぎデカ第一話 (目次の下にあります) タバコ吸い過ぎデカ第一話○タイトル。 【巨大本格ミステリー タバコ吸い過ぎデカ】 ○喫煙所。 タバコの煙がパンパンでタバコ吸い過ぎデカの顔しか見えない。 琥珀「タバコってあれだな、これで合法だなんて法律イカれてんな! サンキュー!」 陽「というか琥珀さん、毎日吸い過ぎですって」 琥珀「中2デカ、オマエも早く校舎裏に行って隠れて吸うようになれよ」 陽「中学生は吸っちゃダメなんですって、不良のノリならOKとかないんです
・ ・【お地蔵さんと、かくれんぼ】 ・ 次のヤバイ連中はすぐにやって来た。 《ヤッホー、お兄さん、僕と、かくれんぼしようよ!》 俺の目の前に急に現れたのは、小学生の男子のような声とは裏腹に、無表情なお地蔵さんだった。 サイズは小学生の男子みたいなサイズだが、なんせお地蔵さんなんで威圧感が半端無い。 可愛らしくピョンピョン跳ねているが、地面と接地する度に”ドスドス”いって、フローリングの痛みが心配だ。 「かくれんぼか、こんな夜中から遊ぶのか」 《いいじゃない! いいじ
・ ・【シューカに弟子入り】 ・ ツッコミの練習がしたいと、シューカに伝えると、めちゃくちゃ嬉しそうな表情になりながら、日時と場所を指定してきた。 その日、指定された場所、つまり公園へやっていくと、そこにはシューカは勿論、菜乃も、なんとオヤッサンもいた。 シューカは開口一番こう言った。 「人数が多ければ怪奇も出づらいし、サトシンの知り合いいっぱい呼んどいたわ」 オヤッサンは知り合いじゃないことにしておきたい気持ちもあるけども、まあもしかしたら怪奇はオヤッサンのこと嫌
・ ・【教室に戻る】 ・ 教室に戻ると、シューカが俺の席に座っていた。 そろそろ五限目なので、菜乃とは別れ、今、俺側は一人。 さて、コイツは何を言い出すか。 また遼子みたいに嫌なこと言われたら、普通に手が出ちゃかもしんないな。 「サトシン、生きとるな」 そう言って微笑んだシューカ。 でもまだどっちの意味なのか分からない、バカにしているのか、本当に生きていて嬉しいのか、が。 「ナノンがうまく止めてくれたみたいやな」 ”うまく止めてくれた”ということは生きているこ
・ ・【カツアゲ】 ・ また歩いていると、目の前に怪しい人間が。 何だよ、この頻度で何かと会うって。 桃太郎の道中かよ、とんとん拍子にイヌ・サル・キジに会う桃太郎かよ。 誰も仲間にならないし、絶対仲間にしたくないけども。 特にあんな、股間にヒマワリの花を付けたヤンキーみたいなヤツは。 ところかまわずガンを付けて歩いているヤンキー。 べっこう色のレンズをしたメガネを掛けているが、そのメガネ越しからでも分かる悪い目つき。 絶対俺に関わってくるけども、関わってきま
・ ・【登校の道のりにもいる】 ・ あっ、怪しい人がいる。 それに絶対話し掛けられる。絶対に。 何かもうそういう嗅覚が出来上がってしまった。 絶対に話し掛けてくる人だ。話し掛けられたくないなぁ。 でもちょっと登校の道のりを変えたって、ついてきそうなあの感じ。 もう観念するしかない。 いやでも、いやでも、何で石を舐めているんだ……。 「そこの兄ちゃん、これ何だか分かるかい?」 案の定、話しかけられてしまった。 白髪に白い髭を蓄え、ボロボロの布を纏った仙人のよ
・ ・【浮いているというより消えている】 ・ 高校に行けば束の間の休息。 まさかゆるく無視されていることが休息になるなんて。 高校で俺に近付いてくるのは、遼子だけ……だったんだけどな、何で今、こうなっている? 「菜乃なの! 菜乃は悟志くんのファンなの! 大好きになったの!」 休み時間になった途端に、俺たちの教室に入ってきて、一直線に俺のところへ来た一人の女子。 俺、軽音部でバンド活動なんてしていたっけ? いやいや全然何もしていない。 確かにそれなりに見てくれがい
ホラーなのかギャグなのかハッキリしてほしい第一話 (目次の下にあります) ホラーなのかギャグなのかハッキリしてほしい第一話・ ・【食リポおじさん】 ・ 最近、何だか俺の周りでおかしなことが起きまくる。 普通に食事をしようと定食屋に入ったら、すぐこれだ。 相席していたオジサンがやけに、一人で食リポをしているのだ。 「この刺身、煮たガムの噛み応え……ごんすなぁ」 いや煮たガムて! ぐにゃぐにゃで新鮮さゼロそうだな! あと語尾の”ごんすなぁ”って何っ? そんな語尾で厳
・ ・【好き】 ・ そろそろ弦太先輩、シルバ先輩、太人先輩が部活にやって来る時間だ。 私と綾菜は小さく恋バナのようなものをしていたが、徐々に話をどうでもいい話に変えていった。いつ入ってきても大丈夫のような、どうでもいい話に。まあ勉強の話をどうでもいい話って言っていいか分からないけども。勉強こそ本来の本分だけども、勉強さん、いっつもこんな扱いで、すみません。 勢いよく開いた部室の扉、超ご機嫌のザキケンが立っていた。鼻唄交じりのナイス・ステップでのご入場だ、コイツはバカだ
・ ・【ラップ・ステージ!】 ・ そして。 綾菜のパパの前のステージはそれなりの成功と、そこそこの失敗。 出来るかもしれないという自信と身に余るほどの改善点を手に入れた。 そこからまた何度も練習、練習を重ね、ついに今、まさに、シルバ先輩の本番ステージの舞台袖だ。 降りたどん帳の中で、太人先輩と綾菜がドラムとDJセットを準備している。 ピアノはステージ上ではなく、体育館の隅っこにあるので、ザキケンはもういない。 太人先輩と綾菜も舞台袖に戻ってきて、最後の声かけだ