鳴ることば

音に時間を追わせていたら次々に去りゆきそこにはさっぱりとした静けさ
わたしは乗っかり音が紡ぐチラつく景色にめまいと共に吐きそうな舌の上に生乾きの言葉を載せて
あああんなにも静かに音に充ちていた世界に一つだけの器官をみなが携えて歩いて走って死んで埋められて
音に意味を譲ったあの日から響きだけを喋って聞いて私たちは音楽になった


そう、舌が身体に譲ったそれが見ていいよ見てくれよと発熱して鳴り出したんだ


がらんどうの祠
ネアンデルタール人が囁いた 
反響し続け届いたことばが
太古の音として
意味を失い
鳴り響くのか!
僕の耳で


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