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地域おこし協力隊制度とは何か?その本質について

お久しぶりの方も初めましての方も、こんにちは。青嵜(あおさき)です。

東京出身の僕は、今、鹿児島県北部の内陸に位置するさつま町という町に、2022年7月から地域おこし協力隊として移住し、仕事をしています。


着任して半年が過ぎ、今週末(2023年1月14-15日)には、JOINが主催する移住・交流&地域おこしフェアへ、実際に移住した人としてさつま町のブースに応援要員として行くことになりました。
※さつま町は1/15(日)のみ参加しています。

そんなタイミングだったこともあり、この半年間で感じた、地域おこし協力隊とは何か、その本質を考えてみました。



早速ですが、結論から言うと地域おこし協力隊制度の本質とは、
地方で仕事をするための助走期間
だと思います。

もちろん、人によって色々な解釈があると思うので、あくまでもこれは僕個人が、この半年間に、自分の自治体に限らず他の地域の協力隊の方や自治体職員の方等、見聞きしたことをまとめたことだと思ってください。

いやいや、地方で生活をするための助走期間でしょ?知ってるよ、と思う人もいるかもしれませんが、生活ではなく、あえて「仕事」と書いたところにその本質があると思っています。

これは印象の話ですが、どうしても地域おこし協力隊のイメージは都市部から地方へ移住して新しいライフスタイルを築くこと、つまり「地方の生活」に寄った印象が強いように思います。

都市部とは違う生活リズムや自然との距離感、地元の農作物や郷土料理、人との関係性に新しい気付きと豊かさを見出すことができるし、実際に地域に根差して暮らすことができるのはとても貴重です。

でも、それゆえに、誤解も生じていると思います。
それは、その生活にはタイマーがセットしてあって、長くても3年間という時限付きであることです。

これも、地域おこし協力隊の制度をご存じの方であれば、特に目新しいことではないと思いますが、では、この制度が目的とする3年間の意味は何なのか。それが本質に至る答えなのかなと思っています。

生活するためには仕事を得る必要があります。
※ここでの「仕事」とは、収入だけでなく、信頼や人間関係を含めます。

でも、都市部から地方へ行くのに、生活も仕事も全てを新しくゼロからスタートする、しかもどこの誰かも分からない状態であるのはあまりにもハードルが高いから、仕事を見つける(あるいは作れる)ようになるまでの3年間は国が助走期間として補助を出しますよ、という制度なのだろうと。

実は、その「助走期間」というのがポイントだと感じています。

つまり、助走には必ず本番があります。
「本番の走り」をイメージすることで、その「助走」は精度が増します。

分かりやすく言うと、どういう本番を迎えたいから、どういう助走にしようか、という考えになりますよね。

もちろん、明確に本番の走り方を見出していなくても焦る必要はなくて、自分の可能性を広げたり、見つける期間であっても良いと思います。
迷ってもいいと思うし、まっすぐ走る必要もないと思います。
これは人生だから、後悔がなければ、途中で道を変えてもいいし、止めてもいい。本当にそう思います。

でも、ここからが本当に伝えたいことなのですが、

協力隊に興味がある方にとっては、興味のある地方や憧れの地域で、自分がどんな生計を立てたいか、そんな夢を少しでも描くことがでれば、バックキャスティングのようにキャリア形成がしやすいように思います。

また、受入れ自治体にとっても、その人の退任後に地域で定住してほしいと本気で思うのであれば、キャリアプランナーとして、本番の走り方から逆算して、2年目、1年目の目標を一緒に作ってあげてほしいと思います。

さらに言うのであれば、その地域にどんな人が増えれば、より豊かになるか、そこを描いた上で採用戦略としてキャリアプランニングができるとより良いように思います。

制度ができてから、十数年。

地域の課題を解決したいあまり、受入れ側はミッションを提示し、協力隊はミッションをこなすことで助走期間を終えてしまい、地域を離れてしまう。

そんな話を聞くこともありますが、この制度の理想は、受入れ側のニーズと協力隊のキャリアプランをかけ合わせて、新しいミッションを生み出すことなのではないかと思うこの頃です。

地域も、協力隊も、どちらも消耗品ではない。
そんなクリエイティブな制度として活用できることを願って!



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