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木々作品のはなし。


今日は推し漫画家さんの話を。
好きな漫画家さんは幾人かいるけれど、木々さんの世界観や繊細な絵が本当に大好き。

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シンプルなモノトーンの絵が印象的で、アンティークな雰囲気や睫毛の描き方があまりに綺麗で、こんなに美しい漫画があるのかと人生で一番衝撃を受けた漫画だった。


リドはhydeみたいだったし、服装もクラシックでラルクの世界そのものだった。(特にラルクを意識している作家さんではなかったと思う)

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寄宿舎や影絵のような西洋の街並みが美しくて、台詞もシンプルでモノローグが綺麗だった。

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気に入りすぎて、木々さんの漫画だけは全ての漫画を購入している。今後も全て紙で揃えるつもり。

萩尾望都や竹宮惠子のような細かい描き込みの少女漫画も大好きだけれど、シンプルなこの方の漫画は気軽に読みやすい。

重すぎず明るすぎず、そして鋭すぎず、どんな精神状態にも美しく穏やかに響いて、そんなところもラルクみたいだなぁと勝手に思っている。どの作家にも無いような透明感がある。


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シドとリドの兄弟が、魔術使いとして生まれた事や魔女の母親を巡る家族の葛藤を抱えながら、すれ違いを重ねて心の通じる兄弟になっていく内容も好き。

過剰に装飾されすぎない綺麗な言葉での精神描写は硝子みたいで、モノトーンなのに緑の美しさや澄んだ風を感じられる。


バリエシリーズは正式には魔術使いシド&リドシリーズで、巻ごとにタイトルが違い、ロマネスクバリエ、ミスティックバリエ、などと続いている。 

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このシリーズは一度何年も前に終わっているけれど、今はバリエガーデンというシリーズで主人公を変えて、当時の面子と共に新しい話を連載されている。

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バリエシリーズだった頃には多感な時期で繊細だったシドリド兄弟が、今は穏やかなメンタルで見守り組に回っているのも好き。

あの当時の耽美な雰囲気は余りにも美しかったけれど、今は今でやっぱり美しく、また癒される場面も多くて楽しい。

バリエガーデンの主人公は黒髪の新しいキャラで、相方はシドリド兄弟の末っ子エド。彼もまた美しいけれど、シドリドよりも少年らしい言動で面白い。

バリエガーデンではシドとガレットが、魔法で四季の庭を扉から繋ぎ、一年中、季節のハーブが採れる薬草の店をやっている。
憧れすぎる、雇ってほしい。


ちなみに木々さんの作品に限らず好きなキャラはたくさんいるけれど、自分が一番好きな二次元キャラはシド。自己犠牲系の色素薄いキャラわかりやすく好きだな。バリエシリーズではシドリドに続いてエルも好きだ…。エルさん男性になっても女性になってもエレガントで憧れの人。


🌙🐈‍⬛


そんなわけで一番好きな作品には迷わずバリエシリーズを挙げるけれど、他の作品も本当に素敵で、初期の短編を集めたブループリズナージーニアススクエアは、一冊で読めるのでお試しに読むのにも丁度良いと思う。

この二作は西洋よりアメリカの少し古い映画のような世界観で(ターミネーターとかマイフレンドフォーエバーとかの時代のファッション)この感じもまた本当に素敵。  


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ブループリズナーは未来の物語。 

未来というと摩天楼を想像しがちだけれど、木々さんのアンティークな雰囲気のままに城や街並みのシルエットがあり、この未来感が美しい。ちゃんと未来っぽいのが凄い。

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機械造りの身体に人の脳のリウと、機械造りの脳に人の身体のルージェ。

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機械仕掛けの未来らしい悩みを抱えているこの二人の物語も是非もっと読みたいけれど、作家さん手一杯でまだ未定のよう。ひとまず短編という形で完結している。いつか読めると良いな。

表題作のブループリズナーの後に風の記憶が入っていて、こちらも本当にラルクの賽は投げられたみたいな雰囲気で、澄んだ透明感。

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ジーニアススクエアはアッシュリンクスとかエドワードファーロングとかオスカーライザーとか好きな人は好きだと思うので読んでください。

っていうとザツみたいなんだけど本当に読んで欲しいし、ネタバレになるので詳しく書けない…。すごく良い。大好き。(語彙が死んだ) 

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この本に入ってるクローディアガーデンも、植物や庭が好きな人はすごく響くものがあると思う。クーデターが起きて帰国し損ねた日本人の青年と、それを匿う庭の女性の話。

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他には完結済みの天然王子の宝石箱と、ニブンノイチ、連載中(今は少し休止してたと思うけれど)のラヴミーテンダーがある。

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ラヴミーテンダーはLGBT関連の話だけれど2002年から発刊されてる。
個人的にこの話の好きだと思う部分は、いろんなそういう悩みも描かれているけれど、それだけがメインではないところ。

LGBT系として構える必要なく普通に読める漫画だと思うし、ナチュラルに恋愛をしたり色んな服を着ていて、生活の中に悩みも楽しさもある。

LGBTだから出てくる問題はたくさんあるけれど、そうではなくてそもそも人間だから生まれる悩みだよなぁと思う。当たり前か。
重すぎず特別過ぎないので、こういうものが増えたら良いなぁと思っている。

ラヴミーテンダーは途中からタイトルをラヴミースウィートにして新スタートしてるので、読んで下さる方はご留意ください。


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天然王子の宝石箱は、学生の男の子が主人公で、天然石に宿る精との交流を描いた物語。
なんと舞台が日本!ってラヴミーテンダーも日本か。絵のタッチや服がクラシックで良い意味で忘れてしまう。
鉱物の精の世界がまたお城の世界で素敵。
これは5巻までなので割と短編。

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ニブンノイチは3巻完結で更に短編。

どちらかが起きてる間、もう一方は仮死状態になる男の子と女の子の双子が出てきて、機械弄りの得意な主人公のシウが手助けしていく話。

シウも秘密があるけれど、ネタバレなので書かないでおく。そして植物の話が聞ける先輩が出てきたりするのも魅力的。

学園都市が舞台で、その学園庭園がすごく綺麗。こちらも未来っぽい雰囲気。


🏙



憂いを描きつつも悲しくて仕方ないような話は無いし、過剰にメンタルを揺さぶられずに素敵な言葉が届くし、どの作品も気軽に読んでみて欲しい物語。元気が貰える。


装丁も綺麗だから本棚も素敵になる。
バリエシリーズなんか死ぬほど読んでるけど全然飽きない。ずっと読んでいたい。

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インスタも凝っていて美しいので、是非ご覧ください。



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