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日記 | ろうしとわたし

 昨日、知人とわたしは、自宅のすぐ近くにある〝完璧な〟カフェでランチをしていた。
 そこでは、いつもいい音量でジャズが流れていて、適度な空調がきいて、静かな人だけがゆっくりと美味しい食事やお茶を楽しんでいる。その癒やし空間で、注文したナポリタンとミックスサンドを待つ間、知人が唐突に言った。
    「青豆さんって、東洋思想だよね」
    突然そう言われたわたしは、その〝完璧な〟カフェの空気を壊さないよう、声は出さずに顔だけで大笑いした。
    「わたし? 東洋思想? 」
    「うん、老子みたい」
 知人はその理由を、まあまあ真面目なトーンで解説してくれた。わたしは表情だけで笑い続けていたから知人の話してくれた中身はあまり覚えていないけれど、「老子」みたい、というのがなかなかツボだった。
    「老子の〝し〟って、子どもの子じゃん? だから青豆子」
    「あおまめし? 」
    もしくは青子(あおし)、豆子(まめし)、と続いて、もう笑い転げたくなるくらい楽しかった。(嘘)

 そうなんだ、わたしって東洋思想なんだ。思想って、自分の内側に、意識的に存在するものだと思っていたから、「わたしって東洋思想なんだ」って思っていることがそもそも笑える。占いみたい。

カフェを出てから、そろそろ図書館行かなきゃと話していたら知人が
「スピノザのエチカ」の話を始めて、本当は(名前くらいは)知っているけど、
「なにそれ、下北沢の小屋でやってる演目? 」と言ったら知人は薄く笑っていた。



#なんのはなしですか



コニシ木の子さん#なんのはなしですか  を一度やってみたかっただけの日記です。


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