創作大賞2024 | ソウアイの星⑧
《最初から 《前回の話
(十)
体を離しても、しばらく顔をあげられなかった。弱々しく精気を失った朔也を見ていられなくて、つい自分の気持ちを優先して行動したことを後悔していた。朔也が今何を思っているのか、彼の顔に書いてある気がして、確かめるのが怖かった。
「あのさ、メッセージは読んだんだけど」
頭上から朔也の声が降りてくる。消え入りそうなその声を聞いて、ようやくわたしは恐る恐る上目遣いに朔也を見た。朔也の瞳は、近くのライトが反射して潤んでいるように見えた。
「あれ以上