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ソウ アイ マガジン

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創作大賞2024応募作「ソウアイの星」全16話とその関連記事を纏めます。〝推し活・恋・友情〟の物語です。
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記事一覧

『創作大賞2024応募作』を投稿する前に。

創作大賞用の小説が順調に二万字を超えたのでひとまず小説の舞台になる街を訪問します。 今回…

青豆ノノ
4週間前
186

創作大賞2024 | ソウアイの星①

 ああ、あの日は。  空はグレーで、体を抜けていく音は澄んでいて。  胸の奥に小さな不安…

青豆ノノ
3週間前
134

創作大賞2024 | ソウアイの星②

《最初から 《前回の話 (三)  ライブが中止になる二日前。朔也からメッセージが届いたこ…

青豆ノノ
3週間前
117

創作大賞2024 | ソウアイの星③

《最初から 《前回の話 (四)  翌日は仕事中にもかかわらず一日中落ち着きなくスマートフ…

青豆ノノ
3週間前
113

創作大賞2024 | ソウアイの星④

《最初から 《前回の話 (五)  いつも落ち着いた印象だった華が、嬉しさから興奮気味に吉…

青豆ノノ
3週間前
105

創作大賞2024 | ソウアイの星⑤

《最初から 《前回の話  (六)  スマートフォン越しに華の声を聞いていたら、一瞬のうち…

青豆ノノ
2週間前
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創作大賞2024 | ソウアイの星⑥

《最初から 《前回の話 (七)  わたしたちは駅を抜けて、丸井デパート前の信号で四人並んだ。皆、あまりことばを発さなかった。  夜九時を過ぎても吉祥寺の街はまだまだ活気があって、行き交う車のライトも眩しい。信号が青になるのを待つ間、ふと見上げた空は、星も見えないブルーグレーだった。  再び歩き出したわたしたちは、自然とまた二人ずつに分かれていた。  わたしは朔也と並んで歩いた。朔也は心地よいリズムで歩く人だった。 「朔也くん、今なにか歌ってるの?」 「え?」 「心の中で、

創作大賞2024 | ソウアイの星⑦

《最初から 《前回の話 (八)  通話中にも関わらず、すっかり思い出に浸ってしまったわた…

青豆ノノ
2週間前
97

創作大賞2024 | ソウアイの星⑧

《最初から 《前回の話  (十)  体を離しても、しばらく顔をあげられなかった。弱々しく…

青豆ノノ
2週間前
97

創作大賞2024 | ソウアイの星⑨

《最初から 《前回の話  (十一)  朔也と公園を歩いた。ぽつりぽつりと会話をしても盛り…

青豆ノノ
2週間前
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創作大賞2024 | ソウアイの星⑩

《最初から 《前回の話 (十三)  翌日になっても、わたしは昨夜の疲れを引きずっていた。…

青豆ノノ
2週間前
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創作大賞2024 | ソウアイの星⑪

《最初から 《前回の話  (十五)  年が明け、一月八日は土曜日だった。  この日の午前…

青豆ノノ
2週間前
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創作大賞2024 | ソウアイの星⑫

《最初から 《前回の話  (十六)  朔也が退院するまでの二日間、わたしたちは何度もメッ…

青豆ノノ
13日前
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創作大賞2024 | ソウアイの星⑬

《最初から 《前回の話  (十八)  家を飛び出した。わたしは早足で歩いた。急ぐ理由はない、ただ、動揺から激しく鳴る心臓の音が不快で、それをかき消したかった。  途中から小走りに夜の吉祥寺駅を目指した。駅に着くと、今度はその明るさに怯んで、逃げるように井の頭公園へ向かった。時刻は夜の九時を少し回っていた。  歩きながらポケットからスマートフォンを取り出し、華に電話をかけた。幸い華はすぐに着信に気づいてくれた。 「どした? 流香ちゃん。なんか、はあはあしてない? 走ったの?