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なるべく暇を持て余して自己対話する【研究者日記】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

この間、友達と飲みに行った時に、「最近何してるの?」って言われたので、「自分と対話してるわ」って答えたらめちゃくちゃ笑われたんですけど、

その友だちは刑務所で生活していた時期があって(今は真っ当に生活しています)、刑務所にいると、自分と対話するんだそうです。

毎日毎日ノートに色々なことを書いたり、今だったらちょっと恥ずかしくなるようなことも書いたりしてたって、そんなことを言ってるのを聞いて、「ああ、そっかあ」と妙に納得しました。

全員が全員じゃないみたいなんですが、4人に1人ぐらいが自分自身と対話する方向に動くみたいです。

そのほかの人は色んなことを想像して、お菓子とか、甘いものとかあまり食べられないみたいだったので、想像上のパティシエ、お菓子を作っているイメージをして食べてみたりとかしていたそうで、ひとってすごいなと思っております。

圧倒的にやることがないと自分と対話するみたいになるというのは、人によってはあるみたいです。

「人は2000連休与えられるとどうなるのか?」という本があってですね、

2000日間、何もせず働かずみたいな感じの生活をしていると、ひとって、

最初は時間ができたぶん頭に余白ができるので、ネガティブな思考が出てきて、認知療法をしながら思考と付き合うことをしたり、

あるいは自分の日常の記録を取って、セルフモニタリングみたいなことをするんですけど、

だんだんと記憶の整理が始まって、過去に出会った人一人一人の顔を思い出すみたいなことをしたりとか、

最終的には、普通に生活していたら別に考えないようなこと、性欲のこととか、死について考えたりとか、

自己対話がどんどん深化していくんですね。

これって、心理療法のプロセスとめっちゃ似てんなと思って、

最初は表層的な思考、頭の中で浮かんでくる思考みたいなのを整理していく作業をして、現状を捉える、これって認知行動療法のようなことですよね。

もうちょっと深めていくと、やはり記憶の中に起こっていることを整理したりしていく、ある種のトラウマの処理みたいなことかもしれません。

さらに、あるいは意識化されない思考、無意識にあるもの、について考えていったりする。

そういうことは、人間の営みのプロセスとしてあるっぽいなとその本を読んでいて思いました。

最初は浅めのレベルからいって、だんだんと深めていく、自然とそうなるんだろうなと感じました。

心理療法の流派も何がいい悪いところじゃなくて、そのフェイズごとにやるべきことがあるような気がして、そんな研究をするのも面白そうだなと思いました。

話が脱線しましたね、戻ります。

ひとつ、時間ができると自己と対話をし出すというのはどうやらあるみたいです。僕も、色々なことをオートメーション化して、仕組化されてきたので、けっこう時間があったので、自分と対話するならいまだとおもってやってます。

もうひとつ、語る効果については、カタルシス的な効果はどうやらあるっぽいです。

忙しいとストレス発散ができなかったりするじゃないですか。だからカラオケで声を出すと発散したりとか、絵描いたりすると発散するとか、そういうことが古典的に言われています。

芸術は心の現われとかというふうにも言ったりしますけど、そういう形で表現すると、言葉にしなくてもつっかえが取れるみたいなことがきっとあるんだろうなと思います。

この語るということはその効果があるんだろうなあと僕的には思います。

僕も以前はメンタルががっつり強いという方じゃなくて、嫌なことを考えたりとか、ネガティブになったりとかはけっこうしてたんです

ただ、どこからのタイミングかなと考えたときに、noteで文章を書き始めた頃から、ちょっと気が楽になるということがあるなという経験をしました。

これは思考が具体化されることによって解決可能性が高くなるみたいなこともあるかもしれないし、それこそ表現することによるカタルシスの効果もあるかもしれない。

何か色々な可能性がありそうだなと思います。

だからやっぱりモノを作るってメンタルの不調を整えるには良い作業っぽいなというのが感覚レベルではあります。

アウトプットするという点では、どんなことを語るでも、書くでも、描くでも、組み立てるでもどれも同じような表現機能があるんだろうなと思います。

僕は、今年になって話すということを始めて、ひとに聴いてもらえて嬉しいというところももちろんありますが、話すことでまとまる思考もあるし、話すこと自体にも自分の鬱積した気持ちをなだめてくれるような、そういう効果があるんだなという風に思いました。

それこそ書くことの効果の記事でもお話ししましたけど、

自分の言葉を文字起こしして、見つめ直してみて、「ああ、もうちょっとここは深められたな」と気づいたり、「これはちょっと言いたいこととは別のことを言っているかも」と気づいたり、

それをnoteの記事にできるので、色々といいなって思ってます。

僕みたいにYouTubeで話す必要性は全然ないと思いますけど、誰かに少しだけ話してみるとか、紙に書いてみる、そういうのっていい営みなんだろうなと思います。

それでは最後までお付き合いいただいてありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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