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無意識の思い込み(unconscious bias)について考えてみた。

無意識の思い込みを知るためのワークをすると、思い込みが少なくなる場合もあれば、むしろ思い込みが強くなったりする場合があるそうです。

こんにちは、あおき@医学教育です。近日に京都CBTセンターさんの主催で「低所得者や経済的弱者層の人々のための心理支援ワークショップ」というのに参加させていただくことになりました(いきなり宣伝です)。

低所得者や経済的弱者層の人々のための心理支援」の内容については、アメリカ心理学会でガイドラインが出ておりまして、こちらも概要だけですが翻訳させていただいているのですが(宣伝です!)

低所得者や経済的弱者層の人々のための心理支援」については上の概要を見てもらうとして、

 ”無意識のうちに持ってしまっているイメージ" というものがやはりあるそうで、ダイバーシティとか多様性理解は重要なのですが、「思い込みや偏見などはどうしても生じてしまう」みたいです。それが良い悪いではないと思うので、ワークショップでは「思い込みにはどのようなものがあるんだろうか?」というのを皆さんと考えてみたいなあと考えていて調べていたら、なんかいろいろな方法があるようですね。

無意識の思い込みについてのトレーニングでは、ダイバーシティとインクルージョンの観点から、無意識の思い込みに関連する態度や行動の変化をもたらそうとします。具体的には、以下の方法があるそうです。

無意識のバイアス・トレーニング(Unconsciou Bias Training)

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無意識の思い込みの裏側にある心理やなぜ人は誰でも無意識の思い込みを持っているのかを理解し、無意識の思い込みを減らすためのテクニックを教えます。

無意識の思い込みを明らかにするために、洗剤連合テスト(IAT)などを用いることもあります。IATによって、自分自身の無意識の思い込みを知り、意識できる可能性が高くなります。デブリーフィング・セッションを設け、IATと無意識の思い込みについて話し合いをしていきます。

その無意識の思い込みに関する統計的な事実を伝えたり、無意識の思い込みの理論について参加者を教育します。例えば、ファクトフルネスで用いられているようなクイズをしたのちに、統計的な事実を知ることで、思い込みが変わる可能性もあります。思い込みについての様々な理論を知ることで、自分にはどのようなバイアスが生じやすいのかを知ることにもつながります。

パースペクティブ・テイキング

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他の人の感情や関心に焦点を当てて、その人として特定のシナリオを想像するように人々に求めます。事例を共有したり、そのような場面に直面している人々の経験を直接聞いたりすること、ドラマやドキュメンタリーのテレビ番組を見ることも、同じような効果を生む可能性があります。「他の人の靴を履いて」その人の視点を理解することで、様々な人々が触れ合うことによって、無意識の思い込みを軽減できるという考えに基づいています。

その効果は?

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ダイバーシティの文脈では思い込みは「無意識である」と表現されることが多いですが、思い込みは必ずしも無意識のものではありません。自分の思い込みを理解することで、意識的に受け入れることができるとされてきました。

しかし、思い込みのトレーニングの結果として、思い込みがどのように変化をするのか?についてのエビデンスでは、Equality and Human Rights Commissionが行った包括的なレビューによると、決定的な結果がわかっていません

無意識の思い込みトレーニングは、IAT(とその後のデブリーフィング)や、インタラクティブなワークショップなど、組み合わせされたトレーニングを用いて、思い込みを意識化する効果があります。そして、無意識の思い込みについての理論を教育することは、無意識の思い込みに対する認識を高め、それを軽減する可能性があります。

しかし、無意識の思い込みトレーニングで無意識の思い込みを完全になくすることはできませんでした。そして、思い込みに関連した行動の変化を起こせるという十分なエビデンスもありません。参加者が思い込みであることを示す情報を得ることで、かえって思い込みが強くなる可能性もあります。

特定の層ではありますが、思い込みがあることが仕事をする上で良い作用があると理解したり、思い込みが強くなることもあるようです。

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あおきの考えとしては、思い込みを変えようとするというよりも「まずは意識できること」なのかなと思います。意識することでそれをプラスに働かせることにつなげられるのかというように思います。エビデンスを見ても、思い込みを排除するのは難しいし、行動に至るまでにはさらに一工夫必要なのだなと感じました。

ということを考えつつ、「低所得者や経済的弱者層の人々のための心理支援ワークショップ」の設計についても考えてみようと思っています(最後にまた宣伝です)。

では、また!

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