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オンライン授業に必要な要素はなにか?

オンライン授業についていくつか記事を書いていましたが、2000年には今のオンライン授業のひな型がほぼほぼできあがっていたということを昨日の勉強会で知りました。せっかくなので、勉強会で話題に上がった論文の内容についてご紹介します。

Critical success factors in online education. Volery, T. & Lord, D. (2000) https://www.researchgate.net/publication/225157840_Critical_success_factors_in_online_education

この論文では、オンライン授業を成功に導く要因を明らかにすることを目的にしています。

先行研究のレビュー

この研究の冒頭で、オンライン授業を成功に導く要因がいくつか書かれています。

技術的要素 これは当然といえば当然なのですが、学生がアクセスできる環境にあることや円滑な通信を行えることが絶対条件です。加えて、画面の見やすさやナビゲーションがなされていること、頭に負荷がかからないことが重要と言えます。学生が技術を使いこなせるかどうかについてのスキルも重要な要因です。

教員の要素 技術的要素のために、学生がオンライン授業に対して困ることも多いです。その時にすぐ対応できるような技術に関する知識を身につけ、すぐに実施できるようにしておくことが大事です。また、一方的な授業をするのではなく、双方向的な授業を展開することも大事です。これはオンライン授業に限らずに授業全体の発想として重要です。

Critical success factors in online education の内容

経営学部に所属する大学1年生を対象にいくつかの調査を行い、その調査結果を因子分析(各項目の間にある共通する要因を導き出す統計方法)を利用して検討しました。この研究でのオンライン授業は、WebCTというプラットフォームを使い、スライド資料の参照、学生間交流、クイズ、オンデマンド式の授業、補講などを行っています。その結果、5つの要因がオンライン授業で重要なポイントとして導き出されています。

要因1:アクセスとナビゲーションのしやすさ 
学生がオンライン授業に簡単にアクセスでき、困った時にナビゲーションを受けることができることです。

要因2: インターフェイス
オンライン授業が視覚的に見やすく、デザインが魅力的であることです。

要因3:相互作用
学生と教員との間でのオンライン授業での双方向性が担保されることです。1方向的な発信ではなく、インタラクティブにオンライン授業を展開する重要性が示されています。

因子4:学生に対する教員の態度
教員の教え方や学生のやる気を引き出す能力に関係しています。教員は、対面でもオンライン授業でも、学生に対して何らかの共感を示す必要があります。電子メールでの問い合わせに迅速に対応することも重要です。

要因5:インストラクターの技術力
インターネット技術を効果的に使用し、促進するための教員の能力に関連しています。教員が、学生に技術の使用を積極的に奨励し、学生が技術に慣れるためのセッションを行うことも有用です。

要因6:教室での相互作用 

授業中やインターネットを介して学生に相互作用や参加を促す講師の能力です。週末にセミナーが行われたようですが、学生の参加と交流が奨励されています。また、ウェブサイト上や教室内での相互作用も賞賛するようにしています。

まとめ

この研究は今から20年前に行われた研究であるにもかかわらず、今の時代を先取りし、現在にも通用するノウハウがたくさん得られます。特に、インタラクティブ性を重要視したり、学生に共感する必要性を示すのは、授業をやっている印象としても本当に重要だと思っています。オンライン授業を行うのも大変なところですが、この研究で述べている点を念頭において、授業を構成したいですねー。

おうちで行動活性化 海の写真

海岸部に住む人(0-1km離れた場所)は、海岸から離れた場所に住む人(50km離れた場所)よりも、精神的健康が良好とのことです(Garrett et al., 2019)。わたしの地元は函館で海がすぐ近くなので、海に行きたいなあという思いを馳せつつ過ごしてます。

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天草の海 ぽかぽかしてて最高でしたねー。

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函館山の下で釣り日和でした、何年前の写真だろうか。

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