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先輩にも話しかけられずまごまごしてたあの頃じぶん【研究者日記】

昨日の話の続き。

思えばずいぶん遠いところまで来たなぁと思う。じぶんが18歳くらいのときにバンドをやってた頃は楽しんで生きてはいたが、特に将来の目標もなく、自分が研究者や大学教員をしている未来は想像もついていなかった。

なんとなーく食いっぱぐれないだろうという方向と少しだけの興味でバンドを辞めた後心理学の大学に入ったが、その後三年生のゼミに入るまで正直心理学がおもしろ!とはなってなかった。それよりも、すすきので飲み歩いたり、パチンコしに行ったりの生活の方が楽しかった。

ゼミが始まって、自主的に研究ができるようになってからはおぉなんだか楽しいもんだぞって思ったし、思い描いてた心理学像に辿り着けたのでとても楽しくなってきたので、修士博士と進んで今があると思う。

今や学会で発表してもなんとも思わないし、先輩とかその当時は声かけにくかった先生とも仲良くなっているが、あの頃の自分はそんなことは想像もしなかったろうなと思う。

大学のときは、上の大学院生の人たちがいる部屋(岩野さんもいた)が六階にあって、その空間は魔が住んでいる空間で正直こわくて近寄れなかった。じぶんの行くべき場所じゃないって思ってたし、行っても受け入れてもらえないだろうと思っていた。

学会もそう。自分なんかが行っていい場所じゃないって思っていたし、行っても苦痛なだけだろうくらいに思っていた。一方、そういう世界にいる人たちはかっこいいもんだなと思っていた。

振り返ってみると、まったくそんなことはないし、むしろその時からそういう世界に飛び込んで行けていたら、もっと世界は広がったのかもしれないなと思う。

その頃の緊張やまごつく感じの正体ってなんなんだろうなと思う。昨日、ちょうどその頃の私と同じくらいの学年の学生さんらの指導をしていて、やっぱり同じようにまごついていた。心理のスタッフの人に話しかけていいんだろうか、患者さんにこんなこと言っていいんだろうか、と。

それでも、勇気を振り絞って心理室のドアをノックして質問して、患者さんにも話しかけてという頑張った彼らは、とても良い顔をしていた。

あの頃の私は本当に社交不安の極みみたいなもので、誰に話しかけるのもためらってたし、実習で患者さんやスタッフの人とかと話しかけにいくのはこわかった。

そんな自分がこうやって誰にでも話しかけられて、学会でも堂々と発表できる日が来るとはあの頃のじぶんは夢にも思わなかった。

もしこの文章を読んでくれて、まごまごしてる自分がいたならば、勇気を振り絞って一歩踏み出したら、きっと素敵な未来が待っていますよ。

それでは最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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