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文部科学省の「オンライン授業についての感想」について大学教員が思うこと。

オンライン授業の開始そうそうは賛否両論色々ありましたが、結果としても賛否両論あったようですね、という記事についての感想を大学教員が述べていきます。文部科学省が大学生さんたちにオンライン授業についての満足度アンケートをとりました。

オンライン授業に満足という学生さんが約56%、満足していないという学生さんが約21%ということで、教員としては満足のほうが多くてよかったなあというのが率直な感想です。

良かった理由として「自分の選んだ場所で授業を受けられる」「自分のペースで学習できた」ということがあがったとのことで、これは完全にオンライン授業のメリットですし、どんどん普及してほしいなと思います。

悪かった理由ですがこちらは私見として感想を述べてみたいと思います。教育ひよっこのたわごととして読んでもらえたら嬉しいです。

「友人と一緒に受けられず寂しい」53%

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これはほんとにそうですよね。オンライン授業に限らず、人との交流の機会が減っていることはホントに残念です。授業もですが、休憩時間のたわいない時間の交流とかサークルとかも大切な時間ですよね。

オンライン授業時間中も少しでも交流する方法としては、メンチメーターを使ったり、チャット欄でコメントしたり、ブレイクアウトルームを使うなども使える方法で、特にメンチメーターで意見を聞きながらの授業は評判が良かったように思います。

「レポートなどの課題が多かった」49.7%

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これはじぶんのところの学生さんを見ても課題が多いなあと思いながら授業をしてました。実際に参加してたかどうかを確認でき、実施要件や資格取得要件を満たせるかどうかの実績を作るためではありますが、レポートの量としてはなかなか多いですよね。

授業時間内でレポートの下地を作って、それを基にレポートを出してもらうとか、メンチメーターでの意見を参加した証拠としてとっておくとかうまいやり方もあるのかなあとも思いますが、要件を満たさず卒業できないってなるのも困りますから、何がいいかは判断が難しいところですね。

「身体的疲労を感じた」44.0%

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これはほんとにわかる。パソコン画面の前にずっといるとホントに疲れますね。目も疲れます。

家で授業うけてると、プライベートとパブリックが混同しがちになるのでそういう意味でも疲れますよね。適度に息を抜きながら、リフレッシュしながら参加しましょうね。

「質問など相互のやり取りの機会がない・少ない」43.9%

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これは授業のやり方に関係してるような気がします。例えば、オンデマンドでYouTubeで視聴するようなやり方だと確かに一方的に見るだけになるのでそうなりますよね。

個人的にはZOOM配信などでライブしながら、チャットやメンチメーターで質問を拾っていくようにしていたら、対面式の授業よりも質問も出てきました。あと質問が来たらその場で回答したり、次の回や紙面で回答すると、質問してくれる回数も増えると思います。

「オンラインでも、グループワークや教授からのフィードバックなど、一方通行ではない双方向のやり取りに関する工夫をしてほしい。」という要望もあがっていたようで、ここは教員や学校側が配慮したほうがいいとわたしもおもいます。

「対面よりも理解しにくい」42.7%

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これはとても興味深い結果でなにが原因なのかをしっかりと考えたほうがいいと思いました。じぶんのPC画面で見たいところをみれるのでかえってわかりやすいんじゃないかと思うのですが、配信環境や音声の質、画質によっては理解しにくいかもしれないです。まず、配信側の環境整備は必須かなと思います。

あとは対面は肉眼ですが、オンラインは画像認識なので、そこら辺のモダリティ様式の違いもあるのかな。研究もありそうですが機会があれば調べてみたいです。

配信環境が画面になったので授業内容がより鮮明になった可能性もあります。教員側ができる限りわかりやすい授業を心がけることが何よりも大切なように思います。

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というような感想を真摯に受け止めて、より良い授業をできるように頑張っていきたいなと大学教員としては思いました。

オンライン授業もポジティブな面がたくさんあるので、少しでも改良しながら、学生さんも教員もお互いに頑張っていきたいですね。より良いキャンパス・ライフが過ごせますように。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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筆者あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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