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疲れやすい思考におさらば!考えを変えて精神疲労を回復しよう【疲れの心理学⑩】

みなさん、日々の生活の中で「なんだか心が疲れたなぁ」と感じることはありませんか?

実は、そんな精神疲労の大きな原因の一つに、私たちの思考パターンが関係していることがあります。

先日の記事で疲れの思考パターンについて記事を書いたところ反響が大きかったので、本日はその続きの記事を書きたいと思います。

特に、「完ぺき主義」や「疲れそうなときは動かないほうがいい」という考え方は、知らず知らずのうちに心に負担をかけています。

今回は、これらの疲れやすい思考から脱却し、精神疲労を回復する方法についてお話しします。

完ぺき主義とは、何事も完璧に行おうとする考え方です。

一見、良いことのように思えますが、この思考パターンは私たちに大きなプレッシャーを与え、結果として精神疲労を引き起こします。

完ぺき主義では、ひとびとが自分自身や他人から期待される業務やタスクを、非現実的な高い基準で遂行しようとすることがみられます。

完ぺき主義な人は、自分の価値を業績や成果と強く結びつけ、少しでも失敗することを極端に恐れます。このため、仕事や日常生活において、過剰なストレスや不安を感じやすくなります。

例えば、プレゼンテーションの準備に異常なほどの時間を費やした方の例を挙げます。

各スライドに完璧なデザインを施し、情報の精度を高めるために何度も修正を重ねました。その結果、他の重要な業務が疎かになり、締め切りに間に合わない事態に陥りました。

また、小さな決断にも膨大な時間を要しました。

例えば、チームメンバーに送る一通のメールを書くのにも、言葉遣いや文体を何度も見直し、結局重要な意思決定が遅れる結果となりました。このような行動は、チーム全体の進捗を遅らせ、結果的にプロジェクトの遅延やメンバー間のストレスの原因となりました。

完ぺき主義は一見、高い品質や成果を追求しているように見えますが、実際には非効率性や過度のストレスを生み出し、仕事のパフォーマンスや精神的健康に悪影響を与える可能性があります。

特に、完璧を求めるあまりに生じる過剰なプレッシャーは、長期的に見て持続可能な働き方ではなく、精神疲労を引き起こす主な要因の一つです。

また疲れを回復する方法についての認識を間違えている場合もあります。

「疲れそうなときは動かないほうがいい」と考えることも、実は精神疲労の一因となります。

疲労を感じる行動を避けようとする心理的傾向は、しばしば私たちの日常生活や仕事の効率に悪影響を及ぼします。特に、慢性疲労症候群(CFS)を例に挙げると、この傾向が如実に現れる場合があります。

CFSは、長期間にわたる原因不明の疲労感が特徴で、単に休息を取っても疲労が回復しないという症状が現れます。この症状は、物理的または精神的な活動後に悪化することが一般的です。

疲労を感じると活動を避けるという行動は、短期的には心地よい選択のように思えるかもしれません。しかし、これはCFSのような症状を悪化させる可能性があります。

長期間にわたって慢性的な疲労感に悩まされ、疲れを感じると体を動かすことを避けていた方を例にしましょう。

当初はこれでリラックスできると感じていましたが、徐々に筋力の低下や社会的な孤立を感じるようになり、結果的に疲労感がさらに強くなりました。

このように、疲労を感じたときに活動を避けることは、筋力の低下や社会的な孤立、さらには自己効力感の減少を招くことがあります。

これらの状態は、心身の健康にとってマイナスの影響を及ぼし、疲労回復の妨げとなり得ます。

完璧主義や疲れを避ける思考は、多くの人が無意識のうちに持っているものです。

これらの思考は、時に私たちの行動や心の健康に悪影響を及ぼすことがあります。しかし、これらの思考パターンから脱却することは可能です。以下では、そのための具体的なステップを紹介します。

まず、自分の思考に気づくことから始めましょう。日々の生活の中で、「これが完璧でなければならない」と感じたり、「これをすると疲れるから避けよう」と思ったりする瞬間に注目してみましょう。

このような観察は、自分の思考パターンを理解する第一歩となります。

例えば、仕事でのプロジェクトを完璧に仕上げようとするあまり、過度にストレスを感じている自分に気づくかもしれないですよね。

次に、その思考が本当に正しいかどうかを検討してみましょう。

完璧主義や疲れを避ける思考が現実的であるか、または自分にとって本当に有益なものかどうかを問いかけてみます。

多くの場合、これらの思考は現実に即していないか、過剰な心配から生じていることがわかります。

例えば、仕事のプロジェクトが完璧でなくても、上司や同僚からの評価に大きな影響がないことを理解することができれば、その思考の非現実性に気づくことができます。

最後に、あえて思考とは違うことをしてみましょう。完璧である必要はないと自分に言い、意図的に「完璧でない」行動を取ってみます。

また、疲れることを避けるのではなく、適度な運動や新しい活動に挑戦してみるのも良いでしょう。

「完ぺき主義」や「疲れたら動かない」などの思考は、無意識のうちに私たちの心を疲れさせています。しかし、考えの角度を少し変えるだけで、精神疲労を軽減することができるかもしれません。

自分自身に対して優しく、完璧を求めず、適度な活動を心がけることで、心の健康を保ちましょう。日々の生活の中で、このような小さな変化を取り入れて、心の疲れを回復していきましょう。

それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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