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うつ状態のときの考え方のクセ【心理学】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

先日の記事では「うつ病とうつ状態の違いは何か?」ということを研究などに基づいてお話ししました。今日はその話の続きで、うつ状態(閾値下うつ)で生じやすい考え方の特徴についてお話ししたいと思います。

もしよろしければ先日の記事を読んだ後でこちらの記事を読んでください。

大学生を対象に行った研究で、私も一部関与したもので、うつ状態の学生と健常学生の考え方のパターンを調査してみたんですね。

その際には、うつ病の状態の人は含まれておらず、うつ状態の人と、症状がない人との比較を行いました。

そのときには「達成動機」という考え方の特徴を持つ大学生が抑うつ状態の学生に多いということがわかりました。

人間の欲求には、自己の能力を最大限に引き出し、困難な目標を達成したいというものがあり、それによって権利を手に入れたり、地位や名誉を手に入れてきました。

またそういうモチベーションが、じぶんの気持ちを満たしたり、社会貢献に繋がったりとプラスの側面もあります。

一方、達成動機がゆえに、完璧を求める傾向、あるいは自分自身が達成できているか、評価されるかといったところに過度に重要性を置くような考え方を持つと、うつ状態になりやすいと言われています。

失敗に対する恐怖や高い期待値が満たされなかった時の失望感は、うつ状態を引き起こす可能性があります。目標に到達できなかった場合、自分自身を過度に責める傾向があるため、これは特に顕著な問題となりえます。

一方、他人に依存したいという考え方の傾向も、うつ状態に影響している可能性があることが古くから指摘されているので、そこも調査しましたのですが、他人への依存性はうつ状態とは関連がないという結果でした。

私たちの研究からは、達成動機がうつ状態と健常を分ける要因であることがわかりました。この話がなんらかの参考になればと思います。

それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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