心理学者としてのいろいろな側面 前編【研究者日記】
noteを書いている理由にはだれかになにかをつたえたいという側面もあるんだけれども、じぶんがなにをしたいのか?なにを考えているか?を明確にしたいところがある。
少なくとも臨床心理学の仕事をしていると、じぶんのしていることには色々な側面があって、その側面ごとに異なる考え(あり方)を求められる部分がある。
いつかゆっくり話したいが、じぶんは高校を出たあとバンド活動をしていて、それが今の自分に返ってきている部分もあるが、
いったんバンドはやめて大学行こうと思ったときに、インテリア関係やイベント関係の職も考えたのだが、バンドをしてたときの周囲のメンタルヘルスの悪さに興味をもち、心理学も面白そうだなぁと思い興味を持った。
決めつけは、悪性腫瘍、心疾患、脳疾患とならび、重点疾患に精神疾患が選ばれたことも相まって、必要性も認識し、心理学の大学に進学することにした。
さて、話を元に戻そう。
じぶんはどこかに特化型、ザ☆プロフェッショナル、1つのことを圧倒的にやるタイプではなくて、オールラウンダープレイヤーだと思うので、なにをしてもそこそこやるし、どこの組織に所属してもそこそこな感じで存在できるとは思っている(#野球だけはできなかった)。
一般的に臨床心理学の方々は、臨床現場で働いている方が大半で、大学院を出て、臨床心理士の資格をとって、現場で心理士として働いている。
最近は公認心理師という国家資格ができて、ここ最近までは現場で働いていた方の移行措置が例外としてあったのだが、これからは大学院まで履修を終えた方に受験資格が与えられるというモデルに落ち着く。
ちなみにわたしは大学院生時代はクリニックでカウンセリングをしたり、こっちに来てからも病院の患者さんにカウンセリングを行っている。こういった、臨床業務の側面がまずあるし、わたしのアイデンティティとしてもある。
そこに加えて、わたしのような変態は、さらに博士課程に進学して、さらに臨床心理学の道を突き進もうとする(ちなみに米国では博士課程までとってはじめて臨床心理士になれる)。
博士課程まで進学すると、研究者という道が近づいてくる。博士課程では、研究についてみっちり勉強したし、そこそこ研究はできるのかなという自負があるくらいには研究はできるようになる。
臨床心理士の育成モデルに、科学者ー実践家モデルというのがあり、実践をするのはわかると思うが、そこに科学的思考が付加されるには、研究を実際にやってみて、ロジカルな思考やトライアンドエラーの思考などを育む必要がある。
そのため、博士課程にまで進学すると研究者としての思考も醸成されることとなり、その後は研究者としての道が見えてくる。
かくいう私もその流れのなかで研究者としての道を歩き始めることになるのだが、そこで選んだ就職先先が大学である。
大学はなにをするところか?もちろん研究をすふるところではある。ただし、いちばんの目的は高等教育である。
そう、わたしのもうひとつの側面である教育がここで出てくるのである。
大学院の博士課程のときにも、専門学校で心理学を教えていたことがある。140人の女子専門学生の中で、めちゃくちゃ緊張して、大汗をかきながら初めての授業をしたことが記憶に新しい。
その上、大学に戻る道中傘を忘れてずぶ濡れで歩く中、「あ、パソコン忘れてんじゃん」とずぶ濡れの中教室に戻り、まだ残っていた学生さんらから暖かく笑われたこともいい思い出である(#素直で良い学生さんたちでした)。
教育の経験はその一年くらいなもので、人に教えることはほとんどなかった。幸いなのは、大学院の時のボスが教育者で、ゼミの育成に親システムというのを取り入れていて、大学院生が修士生や学部生に教えるというようなシステムの中で、後輩を指導するという経験ができたことだ。
しかしながら、わたしの所属は医学部であり、医学教育はしたことがないが、わたしの所属する部門は医学教育部門、なにをしたらいいのやらと不安な気持ちでいっぱいであった。
そこから5年が経ち、今でこそ教育のノウハウを学び、そこそこに教え方も学ぶことができたかなと思うところではある。
この教育という側面は、臨床や研究とはぜんぜん違う発想がある。
教育と研究の違いはなんとなく違うのはわかると思うが(新たな発見vsその人の成長)、臨床と教育もけっこう違う。
臨床は基本的に困りごとがあり、本人や近親者のニーズがあるが、教育には困りごとがなく、ニーズもない場合がある。
ある意味どちらも知識提供という側面があるものの、臨床の場合は本人が必要としている情報以外は提供されることはないが、教育の場合は必要としていない情報でも伝える必要があることもおおい。
臨床ができれば教育がうまいというわけでもないし、逆もまた然りだ。ここで、少なくとも、臨床、研究、教育という3つの側面が出てきた。
そして、コロナ禍になり、新たな側面を自分自身が見出すことになる。それが、情報発信だ。
後編に続く。
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