どこかへ。
タクシーに乗った。
友人と飲んだのだ。彼とは3ヶ月に1度の頻度で会う。
互いの家の中間地点で会って、地元駅までは電車で帰った。
地元駅から家までは徒歩だと50分はかかる。田舎なのだ。
終バスはとっくに過ぎていたのでタクシーを使った。
彼には悪いが今日のメインはこっちだったりもする。
深夜のタクシーが好きだ。
現実とフィクションを彷徨う感じが好きだ。
酒でぼやけた意識がそれを加速させる。
寿命が近い街灯がエンドロールのように窓を流れる。
僕は後部座席で運転手さんに道を伝えながら、ぼんやりとそれを眺める。知らない街みたいだ。不思議だな、25年も住んでいるのに。深夜のタクシーに乗るたびに僕は泣きそうになる。
このままどこか知らない国まで連れて行ってほしい。
生活費になります。食費。育ち盛りゆえ。。