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あお
2024年4月29日 22:06
指輪を買ってみた。2つ、隣町の雑貨屋で買った。1個500円。銀色の輪っかを。ことの発端は彼女。「結婚ごっこしよう」時々意味不明なことを言い出す。でも面白そうなので毎回乗ってしまう。僕らは電車に乗った。明るいうちに外に出るのは久しぶりで、ちょっとだけ眩暈がした。雑貨屋で指輪を2つ買って、店を出て早速左手の薬指にはめてみた。「ムズムズするねえ」と君は嬉しそうだった。
2024年4月28日 21:35
深夜、無人のタクシー乗り場、そのベンチ。1時間に2本しか電車が出ないこのまちで。坂の途中にある駅舎のタクシー乗り場で。ペプシの青いベンチにだらりともたれ、空を見る。なぜここに?と思わざるを得ないアイスクリームの自販機。多分使っているのは僕だけだと思う。一番右下の、ブドウのアイス。180円。小銭をパジャマに突っ込み毎晩課金。寿命が目前の街灯がチカチカと振り絞る。鈍い灯りに時代を
2024年4月29日 11:24
「あお」振り返ると彼女がいた。「うちも行く」「傘1本しかないよ」「いいよ別に」アパートの急な階段を落ちるように降り、通りに出る。外は雨で、思ったより強く降っていた。僕は傘をさし、彼女はそこに入った。真夜中、銀色のフープイヤリングが彼女の位置を示す。肩まで伸びた髪。出会った頃は男みたいに短く刈り上げられていた。風に合わせて傘の向きを変える。時折風は強く雨は横を向く。彼女
2024年3月1日 20:04
タクシーに乗った。友人と飲んだのだ。彼とは3ヶ月に1度の頻度で会う。互いの家の中間地点で会って、地元駅までは電車で帰った。地元駅から家までは徒歩だと50分はかかる。田舎なのだ。終バスはとっくに過ぎていたのでタクシーを使った。彼には悪いが今日のメインはこっちだったりもする。深夜のタクシーが好きだ。現実とフィクションを彷徨う感じが好きだ。酒でぼやけた意識がそれを加速させる。