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薄黒い霧が晴れていくー無一文になった情けない私が救われ、心からの感謝を覚えた日。

昨日、数日ぶりに葵部屋を開いてみた。クラハは見たり、クローズで話すこともあったけれど、【葵部屋】をする勇気がどうしてもでないまま時間が経ってしまっていた。

でも、なんとなく開いてみようかな、と思い立って開いてみた。すぐに部屋には人が入ってきてくれて久しぶりの人と話せて、今の近況とかも話して、すごく応援してくれた。

みんながたくさん「これからきっといいことあるよ」と言った。

その言葉は私にとっては魔法の言葉みたいで、本当にそうなるような気がした。「きっといいことある」そう思ってたら、負けないでいられるかもしれない。

何度も何度もくじけてきて、あと少しだというところでまたどん底へ。

数年かけて底へ底へ底へ、古井戸のようなところへ私は落ちていった。もうこれ以上底はないだろうと思ったのに、まだあったようだった。

暗闇の底の中では、じめじめと、べとべとと、そんなものがはびこっていて、泣き声は冷たい壁に反響した。誰にも聞こえない、ヘドロのような異臭のする中にいる私だった。

でも、この場所には下はもうないから、見上げることにした。

見上げる先には、光があった。まだまだ遠いけどうっすらと見えているあれはきっと「希望」なのかもしれない。不安だけど、起き上がって、立ち上がって、めいっぱいに背伸びをして覗いてみた。

私の大切なひとたちが、心配そうにのぞき込んでいた。私を助けようとしてくれる人たちが、私に手を差し伸べてくれていた。

私の涙は、壁に反響して聞こえなかったわけじゃなかった、らせん状のようにぐるぐると古井戸を回り、地上にまで届いていたのだ。

私はひとりだと、こんな自分いなくなってしまえばいいと、

泣きわめいていたその声はちゃんと温かなところに届いていて、私を救おうと色々な人が力を貸してくれた。

本当にありがとうと何度言っても足りないくらいなのに、皆揃って「葵さんがいつも、癒してくれるから」「いつも助けてくれるから」「絵が大好きだから」と、私への感謝を込めて、力を貸してくれたというのだ。

私にはそんな力があるのかもわからないけれど、わからないけれどそれを否定してしまうとその人たちが言っていることを否定することになってしまう。

だから素直に受け取って、素直に、自分にできていたことを小さく褒めた。


救援物資と握りしめた210円 の記事にも書いたが、区役所の方が私に生きて!と差し出してくれたきのこのご飯は、私の心にどれだけ希望がわいただろうか。

私は、この商品の会社のホームページを調べて、問い合わせページから感謝のメールを送った。以下一部抜粋

荷物をもうしまい込んでお皿もなかったのですがお皿に入れなくても直立する形状、スプーンも親切に入れられお湯を入れて少し立つだけで
ほかほかのご飯になることにとても感動しました。味もおいしく、カロリーもしっかりととれ、満腹感もありました。
水だけでも60分で食べられると記載されていて驚きました。

このような、形状や味になるまでに
きっと大変な苦労があったことだろうと想像し、
目には見えない方々の汗と涙の結晶によって
1文無しになったまぬけな私は生きながらえることができました。

大げさかもしれませんが、この美味しいご飯を食べて
人の命を救ってくれる人や、会社がこの世界に存在しているということに
私は生きる希望を覚えました。

コロナ禍の中、まだまだ世界は厳しいですが
それでもこのご飯を通じて
人の優しさに触れたようで、とても喜ばしかったです。(以下略)

このメールがこの会社の、この製品に携わった方に届けばいいな、と淡い期待を込めてありがとうを送った。そしてそれを私にくださった市の職員の方にも心から感謝をしないといけない。

ありがとうは、なるべくすぐに伝えるようにしている。それが、これからも素晴らしい開発や研究の力の一部になるのなら、とても喜ばしいことだから。

クラブサイエンスやclubhouseを通して色々な研究や開発などをしている人に出会った。私には理解できない難しいものを研究している人がこの世にはたくさんいる。

私は、そんなことを今まで知らずに、のさばって生きてきた。

だけどこうやって生きていけているのには、必ず努力をしている人たちの手がある。ほんの少しでもだ。まるでバタフライエフェクトのように、ほんの少しの優しさがあったことにより命を救う偶然が連なりあうことがこの世界にはたくさんある。

普段は分からなくても、まわりまわってありがとうの場に出くわしたなら、心を込めて伝えたいと思った。

優しい友人たち、私の感情は少しずつ、パステルのけむりが見えるようになった。深緑や紺色で覆われていた黄色の光は、また光の粒を見せてくれるようになった。

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人を信じたい。そして、ありがとうと伝え、また、希望を与えられるそんな人に私もなろう。


山口葵

共感覚アートまとめ ➡ インスタ「葵の観ている感情の世界」

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