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【23卒就活体験記】アセマネ就活のススメ

1. 自己紹介

初めまして、富海(ふみ)です。note初投稿ですが、よろしくお願いします。

私は現在旧帝大の理系大学院生であり、23卒として就活を行なっていました。最終的に日系資産運用会社(アセットマネジメント、アセマネ、運用会社)から内定を頂き、晴れて終活となりました。

そこで、これからの就活生に向けてアセマネ業界の魅力と私の就活体験記をお伝えしようと思います。ちなみに、私は(本選考は)アセマネ業界しか受けていないので、この部分についてはご了承ください。

2. 資産運用会社とは

本記事に興味を持っている時点でアセマネ業界をある程度知っているかもしれませんが、簡単にまとめておきます。

運用会社は、顧客のお金を預かり運用することで残高を増やし、その利益を顧客に還元するというビジネスを展開しています。

日系だと、例えば次のような企業があります。

  • 野村アセットマネジメント

  • 日興アセットマネジメント

  • 三井住友DSアセットマネジメント

  • 東京海上アセットマネジメント

  • 三菱UFJ国際投信

  • アセットマネジメントOne

  • 三井住友トラスト・アセットマネジメント

  • 大和アセットマネジメント

  • ニッセイアセットマネジメント

  • 明治安田アセットマネジメント


さて、顧客は運用会社が商品展開する「投資信託」を購入し、お金を預けています。お金を預けられた運用会社は株式や債権、さらにはオルタナティブ資産といった各種金融商品に投資し、お金を増やしていきます。ここで注意しておくと、運用会社の利益は「投資による利益」ではなく「預けられた資産残高にかかる手数料」です。投資信託のパンフレットを眺めてみるとわかりますが、それぞれに「信託報酬」が設定されています。これこそが手数料の正体で、典型的な信託報酬は年間0.5〜2.0%ほどです。

つまり、運用会社が大きな利益を得るためにはできるだけ多くのお金を預けてもらう必要があります。そのため、運用会社は顧客に対する訴求力を強めようと、日々マーケットに対峙して投資を頑張っているわけです。運用会社の投資成績が良ければ会社としての強みになりますし、何より顧客の資産残高が増えます。このように、運用会社と顧客の双方の利害が一致した珍しいビジネスであり、よく"win-win"なビジネスと言われています。

簡単ですが、運用会社についての説明はこれくらいにしておきましょう。興味のある方はぜひググって調べてみてください。また、私のnoteで今後アセマネの記事を投稿する予定なので、アカウントのフォローをよろしくお願いします(笑)。

3. アセマネ就活のススメ

とはいえ、アセマネのどこがいいのやら…といったところでしょうか?実は、アセマネ業界は近年就活生の注目を浴びるようになった業界です。しかも、高学歴層が熱い視線を(!)注いでいます。そんな彼らにとって(まあ私もその一人なんですが)アセマネの何が魅力的なのか、思いつく限り書いてみましょう…

  • 給料がそこそこ高い。平均的には30代半ばあたりに1000万に届く。

  • ワークライフバランスがいい。業務開始は8:40、終了は17:10くらいが多く、残業をしても19時には帰れるという(もちろん、会社や部署、時期によって事情は異なる)。

  • 金融専門職であること。アナリストやファンドマネージャー、営業などそれぞれの技能を磨き、(給料のアップサイドを狙って)外資系運用会社に転職することができる。

  • 知的な社員が多い。つまり、会話が通じない人間に遭遇する確率が低い。これは私の経験ですが、出会った社員の出身大学は大体東大、京大、東工大、一橋大、あとは早慶とMARCHあたりでした。また、各社とも採用人数が少ない(一桁のところが割とある)ので、入社できる人はそれなりに厳選されています。

  • オフィスの立地が良い(ただし、野村AMを除く)。多くの運用会社は丸の内や六本木にオフィスを構えており、ランチには困らない。加えて、大体オフィスが綺麗(笑)。

  • 国内転勤がほぼない。あるとしても大阪や名古屋などの拠点に行く程度。むしろ、海外拠点への転勤の可能性が高そう。これは社員に聞いた話ですが、海外拠点への転勤は選抜によって決まるそうで、英語ができて能力の高い社員が行くそうです(営業の人が多いらしい)。なので、一生東京で暮らしたい!と思っている人は手を挙げなければ(目立たなければ)転勤するリスクを回避できるのではないでしょうか。知らんけど。

とまあ、大体こんな感じでしょうか。個人的な意見ですが、銀行や証券、保険に比べて、アセマネは将来性・社員の知性・ワークライフバランスの観点で優れていると思います。逆に、もっとバリバリ働いて金を稼ぐんだ!という方は外資系証券を狙った方がいいですよ。

4. 私の就活体験記

これまではアセマネの紹介をしてきましたが、ここからは私の就活体験記を記します。

4.1 なぜアセマネを志望したのか

私がアセマネに興味を持ったのは、
・投資を仕事にしたかったから
・機関投資家として、企業に資金流入をする役割を果たしたかったから
でした。
もう少し具体的に書きましょう。まず、投資を仕事にしたかったのは大学時代の投資経験によるものです。両親に依頼されて大金を運用していました。最初はシンプルなインデックスファンドから始まり、やがて個別株へと投資の対象を広げていきました。そのため、かねてから投資には興味があったのです。
しかし、それだけでは投資を仕事にしようとは考えてはいませんでした。最終的に機関投資家を志したのは、企業へ投資することで産業を成長させたい、という考えが大学・大学院での学びを通して生まれてきたためです。それがアセマネを志望した2番目の理由になります。

「機関投資家」という職業は他にも山ほどあります。保険会社の運用部門、ベンチャーキャピタル、大学ファンドなどなど。さらに証券業界も考えられます。その中で一番マーケットに近く、運用の専門的スキルを身につけられるのはやはり運用会社だと考えて、志望することになりました。

身バレのリスクがあるのでこれ以上は残念ながら書けませんが、エントリーシートや面接ではもっと詳細な説明をしていました。理系大学院からアセマネという、あまり主流ではないキャリア形成のルートではありますが、この志望動機が盤石であったためか面接では無双状態でした。

4.2 就活のスケジュール

最初に断っておきますが、私の就活スケジュールはかなり特殊だと思います。なので、私の真似をすることはお勧めしません!アセマネは高学歴層が集中し始めたことで難易度が上がっている業界なので、しっかりと準備をして臨んでください。

私が就活を始めたのは、本選考が始まる3月のおよそ2ヶ月前、つまり2022年の1月ごろです。いいですか、2022年の1月です。この時点で他の23卒の方と比べ、大幅なビハインドをとっていました。

これまた詳細な状況は書けないのですが、就活を始める以前は博士課程に進むか就職するかを迷っていました。しかし、研究活動が楽しくてのめり込んでいるうちに夏・秋インターンは終わり、冬インターンも残りわずか…な時期になってしまったのです!

なんやかんやあって就活することに決めたはいいものの、急いで志望企業を決める必要がありました。1月はまだ残っていた冬インターンに参加していました。証券や銀行のクオンツやセルサイドアナリストと、資産運用会社のインターンです。この時は証券・銀行・アセマネの中から選ぼうかな〜くらいのスタンスでした。

2月。この頃になるといくつかの企業で本選考の説明会が始まります。一方、各業界・企業の研究を急ピッチで進めた結果、各社の強みや弱み、今後の展望、そして自分がマッチしているかどうかを自分の中である程度判断できるようになっていました。結局、証券と銀行は受けないことに決め、アセマネ一本に絞りました。

3月。上旬には多くの企業でエントリーシートの受付が締め切られます。この頃はひたすらESを練り上げていました。同時に1次面接が始まり、いよいよ就活が本格化し始めました。

4月。ひたすら面接が続きます。

5月。それまで様々な運用会社の面接を受けたことにより、各社に対する理解・差別化が一層進みました。この頃になって初めて第1志望の企業が決まりました。とんとん拍子に最終面接まで進み、晴れて内定をゲットしました。

最終的な結果としては、アセマネ7社にエントリーし、内4社から内定、2社は選考途中で辞退、1社は落ちました。以上が就活のスケジュールでした。

4.3 選考対策について

選考対策は…ぶっちゃけると殆どしてません。「舐めてんのか」と就活生から袋叩きに遭いそうですが、就活塾やESの添削、模擬面接をしてもらうなどの活動はしませんでした。ただ、次のようなことには気をつけていました。

エントリーシート
最も大事にしていたのは、ストーリーです。自分がこれまでやってきた勉強・研究・その他の活動は何か、そこから何を学んだのか、そしてなぜアセマネ業界を目指しているのか、なぜ御社を志望しているのか。これを滞りなく説明できるように業界研究・企業研究を徹底しました。
なお、ガクチカもストーリーに則した内容を選んで書きました。とあるプログラム開発の経験をガクチカとして書いていたのですが、これがかなり面接官の興味を引いたようで、皆さん深掘りをしてくれました。

Webテスト
持ち前の学力で軽くいなしました。ただ、どんなWebテストに対しても油断はしませんでした。各社のWebテストがどんなものなのかをあらかじめリサーチしておき、その過去問を検索して制限時間や問題の難易度についてある程度の肌感覚を掴んでおきました

面接
基本的にエントリーシートと変わらず、やはりストーリー構築に力を注ぎました。これに関しては面接前の準備がほぼ全てを決めると言っても過言ではありません。準備するだけ有利になります。
模擬面接はしていないと上述しましたが、この事前準備だけは入念にやりました。具体的なやり方としては、このような感じです。

  1.  ストーリーの流れを徹底的に固める。私の場合、「自分が大学院で何を学んできたのか → 何を考えたのか(社会が抱える課題は何か) → なぜ資産運用業界なのか(その課題を解決するにはどうしたらよいか) → なぜ御社なのか(そのための手段としての御社)」が大きな流れです。

  2.  面接で予想される質問をリストアップする。例えば、「君は大学院で〇〇を学んだようだが、具体的にどのようなものなのか」、「この業界では君の考えるような仕事はできないかもしれないが、どう考えるか」などなどです。ここで大事なのは、最初に用意したストーリーの細部すべてに対して「なぜ?」と問いかけることです。なぜ大学院に進んだのか?なぜ運用会社以外の企業を目指さないのか?など、挙げればキリがありません。しかし、これらをとにかくしらみ潰しにリストアップし、それぞれに対する答えを用意しておきました。

  3. 全ての予想質問に対して答えを用意したのち、それらの間に矛盾がないことを確認します。面接官は人を見るプロです。そのため、「作られた」志望動機や仕事観は一発でフェイクだと見抜いてきます。それに耐えられるよう、ロジックの抜けや説明の過不足がないことを確認しました。

あとは面接本番で頭の中身を曝け出せばいいのです。決して喋りすぎず、自分を抑えながら、それでいて相手に刺さるような説明を臨機応変に繰り出していきます。こればかりは普段の生活で訓練するしかないでしょう。

4.4 就活を終えて、次の就活生に伝えたいこと

就活ははっきり言ってクソだと思います。就活によって何か有意義なものを作り出しているわけではないし、面接では理不尽な質問が飛んでくることだってあります。朝から晩まで面接対策をし、OB訪問をし、相手に気に入られる工夫を考えて…それでも容赦無く企業からお祈りメールが届く。お祈りメールすら送ってくれないひどい企業だってある。そう、茶番です。

しかし、この茶番を乗り越えなければ職を得られないのです。就活生の中には「就活真面目にやってるやつってアホじゃない?」「どうせ社会の歯車になるんでしょ」「何やってももう無駄だよね」などと文句ばかり垂れる人がいます。

これに対する私の回答は、「じゃあ勝手にしたら?」です。就活が嫌ならやめればいい、それだけのことです。別に職にありつかなくても生活保護を受ければ生きていくことはできますから。

それでも一生懸命就活をするのは、自分が望む生活を得るため、自分が望む仕事をするためですよね?だったらそれに見合うだけの代償を払わないといけません。就活なんて、長くてもせいぜい1年くらいです。その間、自分で一生懸命考えて希望の仕事を目指すことくらい楽勝なはずです。この期間を乗り越えればやりたい仕事、キラキラしたオフィス、高額なサラリー、充実したプライベートが待っていますよ(まあ、すべて実現するとは言いませんが)!就活生の皆さん、応援しています。ぜひ、頑張ってください!そして、一緒にアセマネで働きましょう!

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