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800文字日記/20220408fri/036

腹に猫が乗る。2時。猫が猫じゃらしを咥えている。猫と遊ぶ。弁当を作る。部屋の掃除をする。食事はせず、ロードバイクを担いで外に出る。

快晴だ。雲ひとつない。「それな。」私服の女子中学生二人がすれ違いざまにいう。橋を渡り右に曲がって両脇に芝桜が咲く通学路を走る。神社を通り過ぎる。下校する小学生の姉弟とすれ違う。県道を跨いでなだらかな坂を上る。十時の方向に小高い丘の上に高級感ただよう住宅街が見える。自民党のポスターを通り過ぎた。

左に養護老人ホームがある。その周りにはシルバー人材センターなど様々な施設が立ち並ぶ。まるで複合商業施設のようだ。峠に入る手前に共産党のポスターがたつ。幼稚園の園庭で鯉のぼりが風に揺れる。

峠に入る。竹林から駒鳥と鶯の鳴き声が聴こえる。急坂になる。息が上がる。汗が噴き出る。曲がった道を上る。道は平らな直線になる。高速に入る十字路を過ぎる。ポカポカ陽気だ。汗がバイクのフレームに滴り落ちる。腹が減る。左手に高速道路が走る。黒いタクシーが軽を追い越そうとしている。抜けない。

峠の頂上で止まる。段々畑へ降る坂道に腰を下ろす。峠の合間を走る高速道路を見下ろし弁当を食べる。花桃のピンクの花びらが白飯の上に落ちる。峠を下る。谷間の村では横に貼られたロープに三十匹の鯉のぼりが泳ぐ。

隣町に入る。剪定された紅要黐(ベニカナメモチ)が鮮血のように真っ赤だ。道端の鮮やかなチューリップに見とれる。「きれいやろ」門から女が出てくる。左に海が見える橋の下から土鳩が飛び立つ。城下町に入る。門前にアマリリスを植える理容院を通り過ぎた。

図書館に入る。執筆する。図書館を出る。頭痛がする。悪寒が走る。ロードバイクに跨る。スーパーに寄って惣菜を買う。海沿いの国道を走って帰る。内陸に入った直線で左から黒い影が飛び出てきて驚く。クラウンだった。

虻が耳に入る。羽音が大音響でこだまする。それから家に着くまで耳の中がもやもやした。(799文字)


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