![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/137076864/rectangle_large_type_2_813c0032971d1ee99937c2eeab6503c9.jpeg?width=800)
1日が3時間に感じる。 20240413sat(394字)
![](https://assets.st-note.com/img/1712932973018-gUN0CnLmSi.jpg?width=800)
一日が三時間に感じる。
二○一七年
京都にいた。
秋から春まで禅寺の寺男をやった。
三時半。真っ暗。廊下の濡れ拭き。足先は凍傷になった。
坐禅。読経。裏千家。軸。漢詩。初釜。
数年ぶりにフェイスブックを覗く。写真があった。
ネットに残る。時代だ。
当時は落語とジャズが僕の娯楽のすべてだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1712932991253-TkTLitRTD0.jpg?width=800)
五畳間一万八千円。
風呂なし。トイレなし。
月初め。家主の家に、家賃を携える。
「君は若い」
「すぐに不惑です」
「私は八十過ぎだ」
「先日の山手の烏骨鶏はすごかったです」
「趣味だ。鹿や猪にやられる」
「出るんですね」
「熊も出るよ」
間。
「まだまだ若い」
僕は笑う。
「私ね一年が三日に感じるんだ」
その家主の言葉。いまだに僕の頭に刻まれている。
![](https://assets.st-note.com/img/1712933010848-zH4trQ5ix6.jpg?width=800)
僕にジャズを教えてくれた女。
岸和田の女で大阪弁がきつい。
毎日が狂うほどの同衾。
「ウチら、大学生みたいやね」
歌で思い出を弔う。
もう行くね
チュウでよがって
狂おしく
男女の余韻
八年が経つ
![](https://assets.st-note.com/img/1712933021281-5AY7g4FDSq.jpg?width=800)
よろしければサポートおねがいします サポーターにはnoteにて還元をいたします