Card*S『こんにちは蒼ヰ瀬名です』


[2021/12/02/Thu/22:34][編集済]

 わたしは先月の11月の初めから、「遠近遙」というハンドルネームでこのネット小説総合サイト「Kaki.com」に登録している。

 わたしはまだ、ネット小説を投稿していない。一ヶ月が経ったいまでもわたしは「読み専」ユーザーだ。

 この小説サイト、カキコムはユーザーの年齢層が若く、サイトにアップされている作品のほぼ9割以上はライトノベルだ。わたしはこのサイトで色々な小説を読んだ。当初は、驚きの連続だった。

 先月の11月初めに、わたしの携帯が壊れてしまった。

 わたしは失業中で求職中だった。元カレがわたしの名義で消費者金融から2500万ほど借金をして、女を作って逃げた矢先だったので、わたしは携帯を買い換えるお金などもちろんなく、部屋で眠っていたパソコンを起こして就職活動を始めた。

 タップだけの検索と違って、机に座ってパソコンのディスプレイを見つめながら、マウスやキーボードでの作業で心境が変わったのか、あるいは外部からの他の理由づけが関与していたのかはわからない。

 いつの間にか、と言えばいいのか、わたしはじぶんとでも知らぬ間に、家で寂しくひとりで、スマホ携帯の就職活動を放っぽりだして、カキコムに熱中していた。いや、熱狂していたといっていい。

 わたしはまるで滝壺に立ってカキコムの文章の飛沫を浴びる仏法僧のようになって、ネット小説を読み耽っていた。少なくとも就職活動中だとか2500万の借金があるなんて現実はすっかり忘れてしまっていた。

 12月初めの、今になってわたしは、カキコムで最初に読んでタグ付けしておいた掌編「最終バス」の作者「蒼ヰ瀬名」のところに飛んでみた。

「最終バス」はだれからも反応がないようだった。視点が別ヴァージョンの「さいしゅうばす」もあった。どちらも評判はイマイチだった。

 わたしは「蒼ヰ瀬名」のサイトであるCard*X『近況ノート』に書かれたある小説のメモ書きを読んで目が釘付けになった。それから背に、一筋の氷が伝った。

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[2021/12/03/fri/23:29][編集済]

『メタフィクション総合小説』と『カード小説Shuffles』について

 こんにちは蒼ヰ瀬名です。

 「リュウ」さん「ShoreValley」さん「かんな」さん「美沙」さん「遠近遙」さん常連さんをはじめ、いろいろな作品に応援コメントしてくれたかた、いいね押してくれたかた、フォロワーになってくれたかた、おすすめレビューを書いてくれたかた、訪問されたかたすべてのみなさん、ありがとうございます。自分のことが落ち着きましたらそちらの作品を拝読させていただきます。

 ぼくはここインターネット小説サイト「カキコム」にて現時点で「蒼ヰ瀬名」名義の小説を53ほどアップしました。実際はダッシュボードに下書き段階の未発表作品が溜まっており、これから順次発表していきます。ログインユーザーではご承知の通り、こちらダッシュボード内で各作品にアクセス数が集計されており、あまり冴えないと判断した場合、あるいは『Shuffles』のサブストーリーとして改稿の余地があると判断した場合、またダッシュボードで温め直して再発表していきます。

 さて、ぼくは五年ほど前にタイトルにある『Shuffles』というひとつの長編小説を書こうと試みて、挫折をしました。今のこの『Shuffles』の原型の作品です。

 構造は簡単。「カードになっているすべての章(Card)のどこから読んでもどれを抜かして読んでもあるいは一つの章(Caard)だけ読んでも(CardがShuffleされた状態で)成り立つ小説」というコンセプト。ノイローゼになって11ヶ月寝込み挫折をしました。

 オリジナル『Shuffles』の原型(元ネタ)はアルゼンチンの作家「フリオ・コルタサル」の『石蹴り遊び』。『石蹴り遊び』では冒頭に筆者から読者へ『石蹴り遊び』の読みかたを提示されます。

 『石蹴り遊び』では筆者から読み方が二パターンの提示があります。ひとつはノンブルが打たれてある通りに読む(余分なものを読まなくとも物語は終わる)。もうひとつは物語のメインストーリーに加え色々な断片(主人公のメモの切れ端など)があってそれらすべて読むと物語は補完される。お好きな読み方をどうぞ。という作品。実際にアルゼンチンで出版された小説もカード形式(筒ヰ康隆氏がエッセイで感動していた)だったそうです。

 それは横に置いておきます。本題に入ります。ここインターネット小説総合サイト「カキコム」に発表されているぼく蒼ヰ瀬名の作品群をひとつにまとめるとひとつのメタフィクションの総合小説となります。ここでそのメタフィクションの構造の説明をします。

⑴ぼくは「蒼ヰ瀬名」ですが「本名」は違います(これがメタフィクションのポイント)。

⑵まず『連作・神を殺した少年(未完)』のメイン作品があります。そのメイン作品に葡萄の房のようにぶらさがる『森のなか(未完だが一応完結)』という作品と『その他作品群』があります。

⑶『連作・神を殺した少年』のメインの物語に登場する「ぼく」にはいまのところまだ「名前」がありません。ですが「ぼく」の父親は『神を殺した少年』の二章『マルケスの死』では、表向き翻訳業をやっているようですがどうやら裏で小説(『バスタブのなかのもうどく』などの作品群)を書いているんじゃないか? と「ぼく」は疑っています。それと『森のなか』の筆者である怪奇小説作家「龍洞三」。これは曙出版に勤める敏腕編集員でありながらバイトで応募ガイド社の純文学の添削講師をしている、同時に小説家の筆名「雲居龍生」で作家の裏稼業をしている。

⑷また蒼ヰ瀬名は、現在『エクリチュールの虐殺』という作品のなかで「雲居龍生」という小説の添削教室の講師に添削をしてもらっている生徒です。このサイト「カキコム」にアップされている下記のショートショート作品ら例えば『エクリチュールの虐殺』はもとより『最終バス』、『嗤う穴』、『星になった小説』、『完全懲悪』、『渋々』、『田中さん』、『劇団会議』、『片道切手』などなどさまざまな作品を「雲居龍生」先生に送って添削してもらっています。

⑸『神を殺した少年』の「ぼく」が「蒼ヰ瀬名」だった。という事実が判明した場合=「カキコム」の作品群のなかで繋がった場合。この「カキコム」にアップされたすべての作品群を一個の『メタフィクション総合小説』として括ることができます。

⑹わかりやすくいえば「ドストエフスキー」や「村上春樹」や「もちろんこのカクヨムで連載している小説家のみなさん」などの『メインストーリー』があって『サブストーリー』や『スピンオフ』などがあるという現代でこそ当たり前のスタイルですが『ひとつの総合小説群』の世界観を構築しようかとぼくは思っています。(ぼくなりの努力は、これら作品群がメタフィクションで立体的構造を構築するということ)これらが今のところの近況ノートです。

⑺カード小説『Shuffles』については、頑張ってこの作品群を『Shuffles』に纏めあげられるか? という問題は前回失敗しているので今回は天啓のようなコロンブスの卵的発想のアイデアが突如閃いたらできるかもしれませんが、これは非常に難題だと思っています。

⑻、⑺なんですが「カキコム」という「ネット小説プラットフォーム」でクリックひとつすれば『他の小説』や『章』に自由にそれも瞬時に移動できるネット小説と出会い新たな文芸の形の可能性を発見しました。ぼくはまずここ「カキコム」内で『Shuffles』を実現できたらそれは「紙媒体の小説でも応用可能」だといま奮闘をしています。

⑼これはネタバレですがネット小説総合サイト「カキコム」の作品群が『メタフィクションの総合小説(群)』と見た場合『神を殺した少年』の物語のなかの少年「ぼく」が殺した「神」とはいったいなんなのか? もうお分かりでしょうがそれは「筆者」となります。ですがその「筆者」とは物語における「❶ぼく」なのか、「❷ぼくが筆名とする蒼ヰ瀬名」なのか、『神を殺した少年』のなかの「❸ぼくの父」なのか、「❹ぼくの父が描く龍洞三」なのか、「❺Card*F『エクリチュールの虐殺』のなかのぼく蒼ヰ瀬名の小説添削教室講師の雲居龍生」なのか、あるいは「❻Card*F『エクリチュールの虐殺』を書いた筆者」なのか、いまこの「❼(近況ノート)を書いているぼく蒼ヰ瀬名」なのか、「❽この蒼ヰ瀬名を筆名とする筆者は(実名は別にある)この正真正銘のぼく」なのか? ❶と❺は同一人物ではないのか? ❷と❻は同一人物ではないのか?(『Shuffles』の物語上の時系列で❷が成長した❻の場合)

ここで読者は❼がメタフィクションのマトリョーシカのような構造になっていることに気がつきます。❼-①このCard*S『こんにちは蒼ヰ瀬名です』を書いている「現実のぼくの父が現実の世界で龍洞三という筆名で」作家活動をしている。となると…それはCard*A『バスタブのなかのもうどく』に登場するぼくの母やぼくの妹(Card*V『マルケスの死』では、ぼくの妹は、ぼくの姉になっている)❼~(X)以降の世界が発生。

また❽についてもカラクリはあります。そもそも「ぼくの父」のこの正真正銘の《ぼく》って誰?ってことですか? 正真正銘だとだれがそれを証明できるんですか? カキコムの蒼ヰ瀬名のアカウントを使用してこのCard*Sを書いている「このぼく」のアカウントはいったい誰? 踏み込めば誰がアカウントを使用しているのか? 無断かどうかは別として第三者がアカウントを使用(なりすまし)をしている『なりすまし又メタフィクション』も発生します。ここでサスペンス小説をよく読んでらっしゃる賢明な読者はこう反論します。きみがこのCard*Sを書いている「犯人」であったら自分から無断使用しているなどとここCard*Sで明示、自白などしないんじゃないか? ではぼく筆者がつまり書き手である真犯人が狂っていたらどうでしょうか? まさにドストエフスキーの「罪と罰」の主人公ラスコリニコフのように。主人公文学青年ラスコリニコフは自分の理論のために殺人を犯します。ですが彼は予審判事ポルフィーリィに物語中終始自分が犯人であると示唆し続けます。「罪と罰」のラスコリニコフは狂っていたのか? という解釈はそれぞれ読者の解釈にお任せするとして、それつまり「狂気」はこの作品でなくともどの作品でもありうる話です。ときに「狂気がかった作品」の方があるいは傑作が生まれでるという傾向もあります。

話は逸れましたが❼-⑵以降の「ぼくのなりすまし」は平行世界のように「ぼくの母❼-⑶」「ぼくの姉❼-⑷」「ぼくの妹❼-⑸」などが続々と平行世界的なメタフィクション世界が発生する可能性があります。ですからここでは便宜上❼-⑵以降をひとつに括って❼-(X)とします。❼が狂った❹を描いている。あるいは狂った❼が❹になりすましている。❽が狂った❹を描いている。あるいは❽=❹の構図)になります。読者にとって非常に難解な多重構造になりますが読者はあるいはこの部分に惹かれるかもしれません。このようにちょっとしたサスペンス要素も含まれています。

 あと、可能性としてですが❾複数の人物が❽なる一個のアカウント蒼ヰ瀬名を形成している。ゴーストライターの集まり。またテクニカル的な部分でいえば逆の可能性も。ひとりの人物が複数アカウントを保有して自作自演をしている狂言小説。ですが喩え❾が正解だとして『Shuffles』のブンガク的価値が下がるでしょうか? あるいは上がるでしょうか?

⚠︎このCardもすでにShufflesの一端であります。ですからこの『近況ノート』をCard*S『こんにちは蒼ヰ瀬名です』としましょう。つまりぼくがここに書いてしまったあるいはこれから書いていくものすべてのあらゆる事象が『Shuffles』の虚構世界に取りこまれます。では『Shuffles』(Card型メタフィクション総合小説)をお楽しみください。

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 わたしは怖くなった。

 わたしは恐るおそるパソコンの右上のバーに表示されるデジタル時計を見た。

[2021/12/02/Tue/23:31:09]と、秒単位で絶え間まなく進んでいる。2分前にそのページは編集された形でアップされていた。

「これって偶然だよね」

 真っ暗の部屋のなかでわたしはパソコンのディスプレイに映るわたしを安心させるように語りかけていた。

 わたしがここを訪れたのは一ヶ月ぶりだ。それにわたし「遠近遙」を含め「リュウ」、「ShoreValley」、「かんな」、「美沙」など名指しされた人は蒼ヰ瀬名の作品に対して応援コメントもいいねもおすすめレビューも書いてなかった。蒼ヰ瀬名のフォロワーは0だ。訪問はサイト側からログが見られるのだろうがわたしはひどく落ち着かない気持ちになった。

 わたしは他のサイトへ移動しようとした矢先だった。わたしの指は他のサイトの作品をクリックしていた。

 だがもう蒼ヰ瀬名の小説『Shuffles』は始まっていた。わたしが推測するかぎり、蒼ヰ瀬名なる筆者はおそらく…

 いや、違う! そんなはずはないったら! わたしはかぶりを振った。そんなはずはない。蒼ヰ瀬名がが指摘しなかった、最大の大穴、読者である、このわたしが、蒼ヰ瀬名であるという可能性だ…

 わたしはネット小説の表紙ともいえる小説のエピソード情報と目次を確認した。

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Shuffles

作者

蒼ヰ瀬名

@Senaaoi

Copyrighted by @Kaki.com

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ジャンル:詩、童話、その他

この小説のタグ:神を殺した少年/Card*A『バスタブのなかのもうどく』/Card*E『最終バス』/Card*D『森のなか』/Card*F『エクリチュールの虐殺』/メタフィクション/純文学/蒼ヰ瀬名/あおいせな

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目次

連載中

全1話[2020年12月02日23:35]更新

Shuffles

エピソード情報

タイトル:こんにちは蒼ヰ瀬名です。

文字数8,403文字

公開日[2021年12月02日23:14]

最終更新[2021年12月02日23:35]

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作者

蒼ヰ瀬名

@Senaaoi

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 純文学を書いてます。1977年、群馬生まれ。 好きなアーティスト Aretha Franklin …  もっと見る。

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近況ノート

2021年12月01日

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 やはり、さっきわたしが読んだ「近況ノート」が、削除されていた。

 筆者は、どこをクリックしても、つまりどこから読み始めてもいい。と謳っていた。

 わたしはまずシリーズ『神を殺した少年』の一章、Card:A『バスタブのなかのもうどく』のタグをクリックした。



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